真空管アンプは既存のメーカー製やガレージメーカー製の購入や、自作アンプの製作も楽しいのですが、最後の楽しみが「球の交換」です。こちらはアンプが壊れるまで楽しめます。
トランジスターアンプの場合、購入して接続すれば後はエージングを待つくらいですが、管球アンプの場合は色々なメーカーが作った同じ規格の球を交換して音の変化や質感の変化を楽しむ事ができます。
プリアンプでも良いのですが球の交換が難しい形態が多いのでパワーアンプが面白いです。初段管や次段管、パワー管とどこを変えても「球の質」により変化します。非常に良い球だと初段管でもパワー管の変化と遜色ない変化をします。整流管の変化も大きいです。
アンプが完成(購入)して、球の型番が決まれば後は「予備球」の確保が残ります。出来るだけ安くて音質の良い球を入れ替えや予備球にしたい訳です。
例えば「12AU7」や「12AX7」等の球でしたら、ムラード、テレフンケン、シーメンス、テスラ、フィリップス、GE、タングソル、RCA、シルバニア、松下、東芝、NEC、日立等々と沢山のメーカーが作っています。
中国製やロシア製の球からこれらのメーカーの在庫球に変えますと数段の「音質アップ」と「ノイズの減少」を経験するでしょう。本当に良い球に巡り合うと同じアンプなのに出てくる音は「音質価格」が2万円の音から100万円を超えるスーパーサウンドまで変化します。
自宅の3B252BシングルアンプではHL4、MH4、VR38等が使えますが私が選択したのはNR52と言う英国ムラードの球です。価格も手ごろですばらしい音質がします。次段管も比較をしたいのですがこちらは数が少ないのでMHL4を集めています。
パワー管は3B252B/STC4033Lを使っていますがこの球にも初期型と後期型が有り、初期型の方が質が高いです。他に同じSTCの4033Xや最初期の4033も有りますが、まだ縁がなくて試せていません。
現在楽しんでいるのが「整流管」。この球を変えると「音の出方」や「質感」が大きく変わります。「前に出てくる音」、「フワッと広がる音」、「繊細な音」等に変化します。ここで使っている球はCV378と言う球ですが、「5U4G」と言う球や「5U4GB」も同じ規格ですので互換性があります。この球は古いのですが実に沢山のメーカーが作っていますのでまだまだ手に入ります。早く良い球のメーカーと型番を捜す事が急務です。良い球は知っている人の間では「取り合い」になります。古い球はもう製造されていませんので巷にある「在庫」を探すしかないのです。
球を変えて「音質」の違いを楽しむのも非常に楽しい時間です。同じ曲が全く違って聞こえます。