日朝首脳会談のめど立たず、とわざわざ言う訳

　日朝首脳会談「めど立たず」＝安倍首相、無条件開催方針は維持

　安倍晋三首相は１９日、東京都内で開かれた北朝鮮による日本人拉致問題に関する
　「国民大集会」であいさつし、解決に向けて
　「条件を付けずに金正恩委員長と会って率直に、虚心坦懐に話をしたい」
　と述べ、無条件での対話に改めて意欲を表明した。
　「残念ながら日朝首脳会談が行われるめどが立っていないのは事実だ」
　とも説明し、粘り強く取り組む姿勢を示した。

　首相は２５日から来日するトランプ米大統領との連携を重視する方針を強調。
　その上で「日朝間における相互不信の殻を打ち破るためには、
　私自身が金委員長と直接向き合わなければならないとの決意だ」と訴えた。


これまで北朝鮮に対しては最大限の圧力をかけると言い続け、
外遊するたびに外国首脳とは北朝鮮へ圧力をかけることで一致とアピールし、
とにかく北朝鮮対応というと圧力一辺倒だったアベちゃんが急に、
拉致問題の進展などにかかわらず「無条件で」日朝首脳会談を催したい、
とブチ上げたばかりですが。

方針変更と言えるこの「無条件」開催、まあ北朝鮮問題で蚊帳の外の状態に焦った日本が、
とにかくアメリカや韓国や中国・ロシアに追いつくための苦肉の策かと思ってましたが。

ただ、いくら日本が日朝首脳会談したいよと言ったところで、
北朝鮮とのパイプはないのですから、簡単にコトが進むモノでないのはわかってます。

わかってますが、こうやってアベちゃんが口にするくらいなので、
何かしらアテくらいあるんではないかと、思っていたのですが、、

なんと、「めどは立っていない」んですってよ。
無条件というまでハードルを下げたってのに？

いやあ、、そうでしたか。。
まあ、めどは立ってないけど頑張りますとは、アベちゃんにしては健気ですが。


しかし、わざわざそんなこと言う？ってカンジ、ありません？
しかも拉致問題の国民大集会で言うのですよ？
そんな場で言っていいのでしょうかね？

どうせならウソでも少し可能性をほのめかし期待を抱かせるってのならわかるのですが、
その逆ですし、アベちゃんがアドリブで口走ったとも思えない、と考えると、
この「めどは立っていない」発言て不思議ですよね。

じゃあどういうことかというと、もともとそういう原稿だったってコトですよね。

そうです、日朝首脳会談のめどが立っていない情けない事実というのは、
「言うことになっていた」「言っていいコトだった」ものであり、
側近がソレに従って原稿を作ったのです。


が、なんで言っていいコトなのかがわからなかったのですけども、ふと思いつきました。
おそらく、、　たぶんですけど、、、

日朝首脳会談が実現しなかったときの言い訳、その伏線になっているのではないか、と。


つまり、日本が努力したとしても、このまま日朝首脳会談が実現しない可能性はあるワケで。

そのときに、日本は無条件開催も良しとしてハードルを思い切り下げて会談を望んだのに、
実現しなかったのは北朝鮮のせいだ、と言えるような下地を作っておいたんじゃないかと。
日本は日朝会談実現のために努力はしたよ、とのアリバイ作りの一環ということです。

韓国が歴史的な南北会談をやり、アメリカのトランプも北朝鮮との関係改善に意欲を見せ、
中国もロシアも北朝鮮との首脳会談を行っている中で、拉致問題があるからと言って
ナニもしないでいては日本も立場がない、かといって会談実現の見込みはわからないし自信もない。

であれば、会談に向けて動いているというアピールだけでも国内外に向けて必要、
でも実現できないかもしれないからせめて、言い訳くらいは用意しておこうと。


いや、そもそも、日朝首脳会談を実現する気なんて、日本にはないのかもしれませんけどね。

こうやって拉致問題で北朝鮮への不信と敵意を日本国民に宿らせたままで関係改善は宙ぶらりんにしておけば、
悪いのは北朝鮮ってコトで、支持率や政権基盤の維持にいつでも政治利用できるってワケです。

ですので、日朝会談への意欲はあるように見せてだけおいて実現はしない、
ってなシナリオになってるのかもしれません。


と、いうふうに考えれば、なんで大集会でアベちゃんが「めどは立っていない」などと言ったのか、
わかるような気がするのですけどもね。

ま、当たってないと思いますがね。