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武力行使実現のための不安マーケティング

2015-02-07 20:42:30 | 日記



イスラム国による日本人人質事件で後藤氏の解放条件に
ヨルダンに捉えられている死刑囚釈放があげられていましたが結局、
後藤氏は殺害され、後藤氏より先に解放しろとヨルダンが主張していた
ヨルダン人パイロットもイスラム国によって殺害されることとなりました。

後藤氏はともかく、殺害されたヨルダンのパイロットは
イスラム国の人間を殺しに行ってた人間ですからね。
捉えられたからには即刻、命を奪われても仕方ない立場であったワケです。

ところがヨルダンも日本みたいにここに来てパイロットを返せと、
まるで今まで彼の解放に向けてナニか努力していたのかよくわかりません。


で、それを受けてヨルダンは報復の空爆を開始したとのことですが。

有志連合なんて言って、イスラム国に対する正義みたいなことを言いながら、
結局は報復と憎悪による攻撃ですか。

どうやらこの紛争はどっちが勝ち、でなく、正義ありきでもなく、
報復と憎悪とが延々と繰り返されそうになりそうな気配です。


そしてヨルダンは捉えていた死刑囚の死刑執行も行ったようでありますが、
これがイスラム国にとって打撃となったのかは微妙です。

だってこの死刑囚、イスラム国の早期メンバーで重要人物と言っても、
もともと死刑だったどころか、そもそもは自爆テロで死ぬ予定でしたからね。

それがたまたま失敗して生きていただけで、メディアが言うほどの
重要な人物かどうかってのは怪しいんじゃないかと思うワケで。


それにしても不思議なのは、ヨルダン人パイロットの殺害を行えば、
もともと有志連合の一員でイスラム国攻撃に参加していたヨルダンが、
余計にイスラム国攻撃を行うことになると、そしてそうなったワケですが、
それはイスラム国自身もわかっていたと思うのですが、
何故にヨルダンを挑発するようなことをしたのでしょうね。

パイロットの生存に就いてはあやふやにしておくことだってできたのに、
相手に攻撃の口実を与えることにしたのは何故なんでしょうね。

これがイスラム国のわからないところです。


ヨルダンがこうした態度なんですから、日本がそれに倣うことも考えられますね。

実際に、アベちゃんはじめ政府は集団的自衛権の行使、
それに向けた法整備に進んでいる気配がありますね。

今は武力行使はしないなってことを言ってますが、
法改正が整えば一気にそれも可能になるのでしょう。

つまり、今回の人質事件は、そうした環境整備を進める根拠となるのです。
おそらく、日本人が犠牲となった今なら国民の支持もあると政府は考えるでしょう。

さらにイスラム国は今後の日本人への攻撃をも予告しています。
日本国内ではテロへのさらなる警戒が叫ばれるよになりました。


ということは、あら?

集団的自衛権をタテに武力行使をしたい?日本政府にとって、
この人質事件は好都合だったってことですね?

やっぱりマッチポンプだったのでしょうか?


マーケティングでは人々が抱く不安や恐怖を利用することがあります。
美容とか健康とか老後とか、不安を煽って商品を売るのです。

老後が不安でしょう?とか、
こういうのが健康のリスクですよ?とか、

こうしたらやせますよ!とか、
これで若く見えますよ!とか、です。

こうしたことに人はお金をつぎ込みますね?

工業製品・電化製品の商品陳腐化もそうですかね。
古いタイプをいつまでも使用していることを不安にさせるんです。
新しいタイプを持つことで不安を克服しましょうと。

まさに今、安全保障レベルでこんなことが行われているのだと思いませんか。
テロへの不安と怒りを利用しようと政府はしているのだと思いませんか。


ナチスの参謀だったヘルマン・ゲーリングはこんな言葉を残しています。


 「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。[…]
 しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、
 民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、
 国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。[…]とても単純だ。
 国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、
 国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。
 この方法はどんな国でも有効だ。」


まさに、不安と恐怖、そして怒りのマーケティング、人民の態度変容戦術です。

ナチスを風刺したチャップリンの映画「独裁者」では、こう言っています。


 罪なき者を迫害して築いた国家は崩壊する。
 国民の不満を敵国にぶつけさせる。
 劣等民族は国家の敵であり、敵を憎むのは我々の義務である。


いやいや、今の日本に多く当てはまりませんか。
それに今回の人質事件が拍車をかけているかのようです。

イスラム国だったり、近隣のアジア諸国に対して、
こうした国民の態度を向けさせているように思われませんか。


でも、日本には憲法9条があって何十年も戦争をしていないし、
日本人自身も平和主義的だ、なんて思われるかもしれませんが、
アメリカのキッシンジャー元国務長官はこんなこと言ってます。


 「脅威が現実になれば日本人の平和主義など一夜で変わる」


どうでしょう。
自分はかなり鋭いと思います。


どうでしょうね、今回は結局、日本政府は人質の解放に向けて
大した努力をやってないように見受けられますが、
人質二人とも殺害されるという、最悪の事態をむしろ望んでいた、
そんなふうには捉えられないでしょうか。