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ハリウッド映画的な歪んだ正義

2015-02-03 23:12:35 | 日記
イスラム国に殺害されたとされるジャーナリストの後藤氏に対して外務省が、
渡航自粛をするようにとの要請を3度、していたんだそうですが。
ナニを今更こんなこと言うのでしょうか。

って言うか、政府に責任がないとの主張をしたいがために、
外務省が言い訳をでっち上げてんじゃないかと思いますよ。
ヨルダンはイスラム国との交渉に頑張っていた、なんて報道もその一環でしょう。

だって官房長官の菅センセーが言ってましたね。
この事件、いや、昨年に湯川氏や後藤氏がイスラム国に拘束したのを把握して以降、
イスラム国とは直接連絡はとってないし、とるつもりもなかったと。

どこが人命第一で、あらゆるチャネルを駆使する、だったんでしょう。


なーんだ、日本人を守る、なんて言ってる政府は結局ナニもしないんだ、
そんな今日この頃、世の中は節分で鬼は外!なのですが。
鬼を退治すると言えば桃太郎ですが、あの物語の思想って危険ですよね。

日本人には自然に刷り込まれている勧善懲悪の英雄譚ですが、
見ようによっては鬼を退治して宝物を持ち去るって、侵略と略奪でしょう。

だってアイツら鬼だから悪者だからというのは一方的であって、
侵略・略奪を正当化するでっちあげの大義とも言えるものじゃないでしょうか。

大量破壊兵器があるというのをイラク攻撃の大義にしたアメリカみたいなね。
そんな論理は今でもたくさんあって、各地で紛争が起こっているワケでして。


ところで日曜の夜、テレビで映画「ダイ・ハード/ラスト・デイ」が放映されてまして、
このシリーズのこのバージョンだけ観たことがなかったので、この機会に観てたんですね。

映画としては、こうしたアクションは面白いなともともと思っていたんですけど、
なんか今回はですね、非常にアメリカ的な正義の論理の押し付け、
あるいは自己正当化・自己満足、さらに相手への敬意のなさを感じたのですよ。

ストーリーとしては、アメリカ・ニューヨーク市警の刑事がロシアで
息子に関わるトラブルに巻き込まれたからと大暴れ。

で、クルマを奪ってそのクルマを破壊するだけでなく交通を混乱させ、
他のクルマや町並みまで破壊しまくって、市民をぶんあぐったり巻き添えにしたり。
そしてもちろん、出向かう相手が敵とみれば問答無用で射殺。

完璧に犯罪者ですよね。
今、日本が言ってるようなテロリストと言ってもいい。


どうでしょう、これ。

自分に都合のいい論理をふりかざし、相手がどんな被害を被ろうがおかまいなし。
相手の事情は無視し、異国民を見下し、でも自分が正義という一方的な独善。

横暴で傲慢で破壊者で殺人者あっても自分が良ければ、それがヒーロー。
それが、アメリカが言う正義。

非常にね、胸糞悪い思いがしました。


インディアナ・ジョーンズなんかもそうですよね。

自分の利益のために、邪魔なものは、異国民なワケですが、
容赦せず叩き潰し、時には、というか多くの場合は殺害する。
異文化や異民族を蔑み、理解しがたい気色の悪いものとの描写もしてます。


こういう映画での表現ってのは、アメリカ人の思考に影響してると思うのですよ。
主人公たるアメリカの独善、相手を蔑み邪魔なら容赦なく殺すことを容認するっていうのは、
多くのアメリカ人に根付いている気がします。

そしてハリウッド映画が好きな他国民、例えば日本人などにも、
同様の影響を与えている気がします。

イスラム国は悪者でよくわかんないし自分たちは正義に決まってるから、
攻撃したっていいんだと短絡的に思考してしまうというようなね。

こういう相手への侮蔑、無理解、非寛容、独善が一方的な戦闘を
正当化してしまう、それを支持してしまう、こういったことがないでしょうか。
正義としては非常に歪んでいると思います。


3日の国会では、日本人が拘束されている事実を知りながら、
中東への外遊とその内容がイスラム国を挑発することになりかねない、
そうした認識はなかったとの問いにアベちゃんは、

 「テロリストに過度に気配りする必要はない」

と言ってのけましたね。
どうやら、そうした気配りのなさが人質事件を誘発したとの反省はないようです。

ってことは、また同じことが繰り返される可能性は大いにあるってことです。


そしてまた、イスラム国などへの空爆・武力行使について後方支援するのかとの問いに、
現状の法体系ではできないといいながらも、今後の法改正の可能性に触れましたね。
法改正はするつもりだと臭わせているんですかね。

法改正して、自衛隊が海外でも武力行使できるよう志向している現れでしょうか。
やる気満々にも思えますね。


こうして、一方的に悪者指定して、それに対する戦闘を正当化する、
その実現に向けて、つまり戦争できる国になることに向けて、
着々と環境整備を進めているように思えるのですよね。

それが自分をのぞく日本国民の総意なのであれば仕方ないですが、
一体どうなっているんでしょうかねえ。