各種デパ研関連記事の酒席ではなく、首席コメンテーター、とらんとらんのコメントをまた使わせてもらいます。
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最近の物価下落は、本当にひどいですね~^^;
デパ研でも言っていた、安いものを求めすぎるにも限度があると思います。
本来、コストは掛かっているのにそれを主に従業員の人件費で相殺していく悪循環のスパイラルに見事にハマっているというか。。
数日前にTV(関西系です)で「安売り弁当」の特集をしていました。
冗談抜きで安すぎるのです・・・。
安いだけでなく、内容も「ホンマに?」っと叫んでしまうくらいに充実しています。
おそらく大手コンビニでなら、700円くらいで売っても良いかと思う弁当が「なんと250円!」です。
その日限定でなく、毎日ですよ。
その店のオーナーと従業員のおばちゃんが、インタビューに答えてました。
オーナー「従業員には2~3人分の仕事をしてもらいます」って普通に言ってました。
おばちゃんはカメラがあるからニコニコしながら「やりがいがあるね」とか言ってましたが、本当のところは「いい加減にしぃや!」って、思ってるのではないかと(汗)
従業員を酷使しまくるオーナーは「資本論」を地でいくモデルケースにさえ見えてしまいました^^;
もうトヨタだけでなくあらゆるところで「乾いた雑巾を絞って」利益を出そうとして・・・というか、利益が出れば良いけど、私の目には単にみんながそうしてるから、自分もしなければ生き残れないという狂騒に駆られているように見えます。
どこかが始めると、みんなが一方向に流れてしまうのは、日本人の悪い癖というか、習性なんですかね?
指摘されているように、結局は自分の首を絞めていることが、わからないんでしょうか?
何年か前に「ミートホープ」の事件がありました。
あの「開き直り社長」の事件です。
許される事件ではありませんが、私は唯一、あの社長の発言で「それだけは、社長の意見が正しい」と思ったことがありました。
「半額セールで喜ぶ消費者にも問題がある」という部分だけにおいては、安ければ「全てが善」であるという概念に釘を刺した発言でした。
私も決して裕福ではないですが、常識から逸脱しないような消費を心がけて、生活しています。
コストが掛かっているものには、きちんと対価を支払いたいものです。
そうでなければ、仕事をしている人にやりがいとか、充実感を還元してなければ、生きてても楽しくないと思うんです。
少しでも早く、無意味な消耗戦が終わることを願っています。
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ほんと、よくわかりますし、共感しますよね。
しかし、世の中、皆挙ってこの消耗戦に参戦しているようですし、参戦しないともう後がない、他に道はない、ということのようです。
とらんとらんさんがうまく言ってますね。
「自分もしなければ生き残れないという狂騒に駆られているように・・」
「いち抜ーけた!」「自分は自分。」
「みんながおんなじようにしてるのってなんかおかしくない?」
って、なんないと。
こういうところは日本人的な呉越同舟、何事も集団主義は嫌いです。
欧米風のGOING MY WAY、個人主義がもっと幅を利かすべきだと思います。
「出る釘は打たれる」風な日本的な社会では、なかなか独創性とかベンチャービジネスの風土が育っていかないのですね。
以前書いた、勝間和代さんの
「子どもサッカー」の記事を思い出しました。
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子どもサッカーとは、
戦略性もなにもないまま、
ひたすらボールを追いかけて、
ゴールを目指すような、
子どもたちが行うサッカーのこと。
幼稚園や小学生くらいの男の子たちが野原でやっているようなサッカー。
チームワークも何もなく、とにかくひとつのボールをみんなで追いかけている。
ひたすら単に目の前のボールを追いかける。
ボールを追いかけるという流れに疑問を持たない。
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低価格、というひとつのボールを皆で追いかけている。
つい先日の日経の記事。
すかいらーくの社長の言葉。
「外食産業は10月以降二番底に入った。
減税やエコポイント制度で車や家電の耐久消費財の買い替えが進み、外食まで回らなくなった。」
「今回はかつてない価格引下げの圧力を感じる。生き残るにはさらなる低価格に移行するしかない。」
まあ、そうなんでしょうけど、
今回はかつてない価格引下げの圧力を感じる、ってどういうことなんでしょう?
消費者に聞けば、もっと安い方がいい、とか、家計は苦しいので外食も控えなければ、と言うに決まっている。
皆、給料が下がっている中で、自分たちの生活を少しでも豊かに、レベルを下げずに、気持ちだけは沈まないように、と工夫したり再構築しているところだと思う。
「価格引下げの圧力を感じる」って、どんな圧力なのかな?
単に、現状のメニューやサービスでは、お客が来ない、売り上げが上がらない、と言う事じゃないのかな。
ここの部分の本質が曖昧な気がします。
そしてもしかしたら皆いい気になって、商品や店などを作りすぎて、需要をはるかにオーバーした馬鹿げたゲームをしているのかもしれない。
そうであれば、いくら真剣に勝負をしたところで、多くの敗者や退場者が出ざるを得ない。
いくら企業努力して、知恵を絞って、汗を出したところで、ほんの一部しかビジネスにはならない。
「もっと安ければ買います。買えます。」
という消費者の強い要望を斟酌しなければいけない、そこにビジネスチャンスを見出していく、という企業サイドの判断ももちろんわかるけど、基本は消費者の生活の中における『値段も含めた価値』、ということですよね。
であれば、価格価格ばかり言ってないで、
『今回はかつてない「価値ある外食」を求める圧力を感じる。』
ということではないだろうか。
外食のマーケットの中だけの戦いでなく、少なくなった財布の中味を、車や家電やすべてのものとの分捕り合戦、という構図がますます激しくなってきたんでしょう。
どちらにしても、安ければいい、安いものが求められている、ということだけでなく、「外食って楽しいよ~」というメッセージと「車っていいよ~」というメッセージの強さ比べの戦いがこの局面における勝負のポイントなのだと思う今日この頃です。