The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

ドーヴネの秘蔵品、プレ・ド・マンシェ!

2005-12-18 22:50:53 | ワイン
ラルー・ビーズ・ルロア女史の私的ドメーヌのドーヴネに、秘蔵品とも言える綺羅星のようなACミュルソーがありました。なんと生産本数287本の希少性です!

この99’物ミュルソー・プレ・ド・マンシェを抱えてZooに参加したのはU崎氏!!久しぶりの参加でありました。Thank You!!

ミネラリーでクリスピーなトップノートの後に、明確な栗やヘーゼルナッツが香ばしい・・・黄桃のシロップと爽やかなレモンが一滴・・・静かな幕開けです!
味わいは、壮麗な酸味がじゅわっと舌の横腹を包み込みます。99’にしてエレガンスを湛えつつも、驚きを隠し得ない緻密なフルーツ!!余韻はACミュルソーのそれではありません!!飲んだ瞬間にルロアは判りました!

ひょっとしたらアレかしら?とも思いましたが・・・
アレではないけれど・・・
それより凄い、希少な代物にビックリです!

年産290本の98’ミュルソー・シャルム・ド・ペリエール(N野先生の御土産)も楽しみになりました!
U崎氏に大感謝!!シリーズでよろしく!!では・・・

74 La Tarche 御久しぶりです・・・

2005-12-17 06:24:02 | ワイン
もう何年前になるでしょうか?あの伝説のワイン会が真っ盛りの頃です・・・
ある時、西麻布のワイン・バー『Tバキ』のオーナーとそこの「イKチャン」なる女性が参加する事になりました。その娘は、『森の奥で子りすが飛び跳ねているような・・・』等と言う、大胆な表現を駆使し、今やワインの漫画も連載している弘G兼J氏から、かつて「西麻布での不思議な体験」として紹介されました。
その二人が登場した日です。74’のロマネ・コンティとラ・ターシェが出たのは・・・

74’という、ブルゴーニュにとっては、ほぼ凶作にに近いヴィンテージです。
その年に、色は淡いが、不思議なニュアンスの、薫り高い、スタイリッシュにまとまった、壮麗なロマネ・コンティが出来ていたのには、驚かされました。

今回の74’ラ・ターシェ!更に色濃く、濃密な味わいで、グラスでの第1印象は初期のドム・ルロアか?と思ったくらいでした。
次第にグラスで解けだし、練れた感じが現れます!アジアンな香気と熟したレッド・フルーツのブケが湧きたちます。甘苦のフィニッシュはヴィンテージの傷でしょう・・・
しかしながら、総体のフィネスは他にはない秀逸性を見せてくれました。

本当に久しぶりの熟D.R.C.でした。
このワインにも合掌です!
飲める事に感謝です!!ではまた・・・

サンセール・シェーヌ・サンテティエンヌとは?

2005-12-16 06:16:03 | ワイン
常Y氏が御土産で抱えてきたのがこのワイン!白・赤のサンセールであります。造り手は秀逸なピュイイ・フメやサンセールを生産するアンリ・ブルジョワですが、このシェーヌ・サンテティエンヌは00’01’02’限定のスペシャル・キュベの様であります。

とにかく凄いサンセールでした!特にソーヴィニオン種の白はヴィオニエの様に濃厚で、モンラッシェのシャルドネの様に気品を併せ持つ・・・力入っています!

そもそも『シェーヌ・サンテティエンヌ』とはブルージュのサンテティエンヌ大聖堂周辺のこと・・・そこに1560年に生を宿した大変な樫の木の古木があったわけです。1560年とは織田信長の桶狭間の戦いの時代ですよ!
樹齢430年の大きな樫の木は、高さ37メートル、周囲6メートル、35トンの巨木になったそうですが、残念なことに93年の落雷で樹木としての命を失いました。

そこでマリエ・エ・ボアの木こり職人カミーユ・ゴーティエ、コニャックの樽職人ジャン・ビカール、そしてロワールのワイン造りの雄アンリ・ブルジョワがこの樫の木にワイン樽として、新たに命を吹き込んだわけであります!

そのご神木の樫樽に、樹齢57年のソーヴィニオン・ブランのヴィエ・ヴィーニュを醸したのが今回のワインでした!

ノーブルなトップノート!微かなオレンジや黄桃の華やいだアローマです。さり気無く濃厚さを抑えつつ、しっかりと舌をグリップする壮麗な味わいです。おそらくこれは、ボルドーの最高級のソーヴィニオンを凌駕することでしょう!

わたくし!ご神木に合掌し頂きました!!

とにかく素晴らしいワインであります!
詳しくは昭S商事の常Yソムリエまで・・・ではまた・・・

1917 シャトー・ラフィット・ロートシルト

2005-12-15 05:01:12 | ワイン
まず皆さん!こんなワインがブラインドで出てきた事を、想像して見て下さい。
解かるでしょう、わたくしの驚き様が・・・

大ぶりのリーデル・ボルドーに注がれた瞬間に、もうあたり一面が、ヒマラヤ杉やミルキーな錬乳の香りでいっぱいになりました。それが88年の眠りから覚めた、メドックのグラン・クリュ・クラッセの筆頭にして、ボルドーの王の名を欲しいままにしているラフィットの深呼吸であります。
果実はしっかりとしています。ガーネットの照り輝く液体を見ますと、素性の良い熟成を守るべく、緻密に計画された流通経路が容易に想像できます。
わんわんと立ち昇る、本格的なポーイヤックの香気を楽しみながら、ワイングラスを傾けますと、88年の歳月で絶妙な一体感を生んだ味わいに息を飲みます・・・
タンニンは確かにありますが、流れるようなエキスにはむしろ必要なアクセントであります!甘く、官能にして、思考を促す底味・・・心を捉えて離しません!

26’よりはややエレガンスを湛えた、この荘厳にして、秀麗な17’のラッフィト!!
ヨーロッパは第一次世界大戦の真っ只中、日本は大正デモクラシーの時代でありました。
そんな中で、こんな素晴らしいワインが出来たわけです!快挙としか言い様がありません!

これから先、こんなワインに出会えるでしょうか?

99’ テヌータ・ディ・トリノーロの大瓶

2005-12-09 22:26:03 | ワイン
ワイナートの第12号の表紙を飾り、99点を獲得し、飲みたいのに手を出せなかった空前絶後のトスカーナでした。忘年会のノリでとうとう出してしまいました。

CF70%、M20%、CS6%、PV4%のセパージュです!当主のアンドレア・フランケッティは、何故か翌年の00’をCS55%、CF35%、PV10%のセパージュへと大きく変えてしまいます。
ワイナートの評価では『ヘビーだが軽やかで、狂っているが崇高に上品という、真の芸術品だ!』と絶賛されたこのワイン・・・確かに軽やかにまとまりつつあります。しかしながら、艶やかに熟成したシュバルブランや今回の69’マグドレーヌを飲んでしまうと、これが本当に30年後に化けてくれるのだろうか?と思ってしまいます・・・

わくしたちは、カベルネやメルロをボルドー品種と呼びますが、そもそもローマ帝国からかのシーザーが、ガリア遠征で今のフランスへ持ち込んだと言われています。本当はカベルネ等にとって、トスカーナが実家みたいな物なんですね・・・

そう言う意味では、最近気合の入ってきたスーパートスカンも、熟成期間を待てば・・・なんて甘っちょろい事を言っていられないような気がする訳です。

まだまだ成功した、綺麗な熟成カーブを描いた、秀逸なボルドーの域に達していないとは言い過ぎでしょうか?

なにしろ値段が値段なわけですから・・・