普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

新自民党総裁の戦う相手は誰か

2008-09-14 18:24:24 | 福田内閣

 今、自民党は総裁選で盛り上がっている。
 言うまでも無いことたが、誰が総裁になろうと当面の敵の小沢民主党と政権奪回を目指して戦わねばならない。
 然し、もし自民党にとって幸いにも政権を維持した後も、総理となる新総裁はその政策遂行の為には"敵”とは大袈裟だが、小泉さん流に言えば「抵抗勢力」と戦わねばならない。

 それで志半ばで職を辞した安倍さんと福田さんの例を上げて誰が二人の足を引っ張り、遂には政治家生命に大きな影響を及ぼす政権放棄と言う決断をしなければならなかったかを考えて見た。
 なお政権を放棄した安倍さんや福田さんへの批判は当然あるがここでは省略する。

[首相にとっての抵抗勢力とマスコミ]
・小沢さん
 総理として政策遂行のための当面の障害になるのは野党で、首相としてそれに対処しなければならないのは当然のことで、ここでは小沢さんだけに絞って考える。
 小沢さんは当面の局面を打開するために安倍さん、福田さんが模索した話し合いを拒否した。
 そして解散、総選挙のためあらゆる手段を用いて抵抗し、結果的には日本の政治は停滞しさせて二人を退陣に追い込んだ。
 小沢さんの手法については世論の反発が強く、昨日も書いたように数々の問題で福田内閣の支持率が大きく落ちている、民主党にとっては圧倒的な有利な状況であるのに、首相としての相応しいのは麻生さん29.2%にたいして小沢さん7.8%しかない。
 問題は福田さんの辞任は大きく報じられ、福田さんは批判の的になっても、その辞任の理由の一つになった、国会の停滞をもたらした一番の張本人の小沢さんに対する批判が全くないことだ

・公明党
 国会会期や解散の時期、海上給油のための再可決反対など、党の事情からは当然とも言えるが、これは国政よりも党の利益を優先させたもので、福田さん辞任の一つの理由となった。

・一部の自民党員
 前回の総裁戦で、各派閥や黒幕の人達が共謀して福田さんを担ぎ上げた。
 その人達の中には、昔からやってきたように、自分たちの言いなりななりそうな人を首相にして、後は自分たちで上手く操作しようとした人達もいたようだ。
 その一例は、福田さんが道路関係の特別会計の一般化と言う(彼にしては珍しい?)決断をした時、福田さんを推した道路族が言った「これで彼らの主張する道路建設は予定どうり出来る」などの発言だ。
 その他、自民党政権の末期現象が始まっているのに、渡辺喜美さんの公務員制度改革の足を引っ張り、自分たちが担いだ福田降ろしを画策するなど危機意識が欠如しているとしか思えない行動を公言するなど呆れるばかりだ。
 自民党員の危機意識の欠如が、国民が「頼り無い民主党でも一度政権を任せて見たら」と思わせている一つの原因となっていると思う。
 なお公務員制度改革については毎日新聞の岸井さんの公務員改革法と渡辺担当大臣、涙を流したその理由
を是非覗いて見て下さい。

・対公明党
 もし首相との意見が違うときは調整に全力を上げるのは勿論だが、その信念を通すためには関係がぎくしゃくするのを恐れないこと。
 首相の信念が強いことが判れば、公明党も今更民主党にくっつくことも出来ずに折れてくると思う。(もしその様な行為があれば公明党は完全に国民から見放されるだろう。)

・官僚
  年金問題で揺れる社保庁、道路関係の特別会計を利用した無駄遣い、防衛省事務次官の汚職など、監督の責任に当たる自民党内閣の責任を追求された。
 そのほか渡辺喜美さんの公務員制度改革の諸提案に対するゼロ回答なども福田さんの足を引っ張る原因となった。
 上記の岸井さんのブログによれば、これはある新聞社と官僚がタッグマッチで安倍を倒したといふうに伝わっているものなのだが、なぜ官僚が安倍を倒しにいったかといえば、渡辺大臣が公務員制度改革に躍起になったからだと言われている。
と書かれている。

・閣僚
 公務員制度改革は福田内閣の基本政策であるのに、総務大臣の増田寛也さんを除く殆ど全ての閣僚は、首相である福田さんの指示より官僚の立場に立って官僚の主張するゼロ回答を支持した
 
何とまあとんでもない話と思いませんか。

・マスコミ特にテレビ
 現在は自民党総裁選の報道で政権交代論者の私から見れば、「民主党が埋没しかかっている」と言いながら、そのマスコミが余りにも自民党寄りの報道をしていると思うが、これがいざ衆院選になると、その報道内容が一転することを考える必要がある。
 正直な朝日新聞系のマスコミ特にテレビ朝日は反自民の旗印を明らかにしているが、それに引きずられた他のマスコミ特にテレビの選挙中の報道の内容は容易に想像出来る。
 安倍さん、福田さんの突然に辞任、年金、後記高齢者医療制度に対する国民の不満、数々の官僚の無駄遣いなどなどを繰り返し繰り返し報道。
  それは明らかに衆院選の問題点だが、明らかに自民党政権は批判に繋がるものだ。
 然し、今日の状態を作った、小沢さんの異常な国会対応や、投票の参考となる各党の政策の説明や各党の政策批判などは殆ど報道しないのは眼に見えている。
 一方、選挙になってどの政党に投票しようかと始め考え出した浮動層と言われる人達が、そのようなテレビを見てどの党にすると決める
 そのテレビの内容は明らかに政権与党にとって不利な情報ばかりだ。
 それで投票結果は世論調査など数字より大きく振れて来る。(それをテレビ・ポリティクスと言うそうだ。)
 
[自民党新総裁への提案]
・最強の内閣を組織すること
 麻生さんは仮に自分が総裁になっても今の候補者から登用することも考えると言っているそうだが、誰が総裁になっても是非今の候補者を含む、信念を持った最強のメンバーを登用すること。
 まして今度の総裁戦の論功行賞など思わせるような人事は避けること。
・民主党の政策を真似して、厚生労働省など問題の省には副大臣などのほかに特別多くの議員を配置すること。

・自分の信念を貫くこと
 今度の総裁選は推薦派閥のしがらみが少ないので、福田さんなどよりかなりやりやすいと思うが、選挙戦に勝ったとして、今までの例から考えると必ず出てくる族議員などの主張より政権与党として決めた方針の遂行を優先すること。
 閣僚の登用の条件として官僚の保身のための主張より、党の政策を優先することを本人に明らかにして置くこと。
 それでも個々の案件で反対する大臣に対して話し合うか、それでも言うことをきかない大臣は更迭すること。
 そのことで党内から総裁降ろしの動きが出てくるかもしれないリスクを思い切ってとること。

対官僚
・公務員制度改革で官僚の定年までの地位保全を図るとともに、一般企業の様に提案制度を採用して活性化や問題意識の向上を図ること。
 一例として官僚から天下り機関の例えば10%減の提案をさせ、もしゼロ回答の場合は事務次官の更迭をすることで首相の決意の固いことを皆に知らせること。
 勿論政府の施策に対して対案も出さずにゼロ回答する場合も同じだ。

対野党
・特に解散前までの方針として、野党対策としてはその政策や主張の良いものは積極的に採用する一方、理不尽な攻撃に対しては、今までのように言い訳ばかりせずに反撃し自分たちの主張の正しいこと、野党の主張の不備な点を突いて攻撃すること。

解散時期とマスコミ
・解散時期としては総裁選で盛り上がった内に早期解散しようする動きが自民党にあるそうだが、前述のように゛選挙中は殆どのテレビが事実上、野党側に加担する形にの報道に成りやすいので、自民党としては民主党ばかり見ないで、補正予算の成立、テレビの影響も充分に考えて、解散時期を決めるべきだと思う。

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本当に小沢さんで大丈夫なのか民主党

2008-09-13 11:03:22 | 民主党

 読売新聞社が10日から11日にかけて、総裁選に関する世論調査を発表した。
・麻生さん小沢さんのどちらが首相に相応しいかの質問に麻生さんを選んだ人が59%、小沢さん28%となった。
・自民党の支持率は43・4%で、8月1~2日の福田内閣改造時の緊急世論調査の35・1%から8・3ポイント増え、民主党は26・3%で1・7ポイント増えた。
・次期衆院選の比例選で投票しようと思う政党は自民39%、民主33%ととなっており、総裁選効果がそのまま有権者の投票行動に結びつくわけではなさそうだと解説している。

 その少し前行ったNHKの世論調査では
・国会議員のなかから次期首相として支持する人は麻生さん29.2%、小沢さん7.8%
・政党の支持率は自民党33.8%、民主党18.4%
・望ましい政権のあり方は自民党単独または中心の政権32%(6月28%)、民主党単独または中心の政権29%(6月33%)と数字は違っているが傾向はほぼ同じだ。

[国民は民主党の実態を良く見ている]
 国民は自民党と民主党のことを良く見ていると思う。
 この二つの世論調査から国民は、
・民主党は自民党より頼り無い(自民支持43.4%、民主支持26.3%)けど、今まで長く続いた自民党政治のぼろが出てきているので、一度政権交代をさせて見たらどうだろうか。(比例選で投票しようと思う政党は僅差の自民39%、民主33%)
・それにしては小沢さんが総理になって大丈夫だろうか。(麻生さん選んだ人59%、小沢さん28%と大差、NHKも麻生さん29.2%、小沢さん7.8%と大差)と考えているとしか読めないが、民主党の人達はこの数字をどのように解釈しているのだろうか。

[民主党は小沢さんで本当に良いのか]
 国民は人気の悪い小沢さんの国会運営や、また「対案を出すのなら与党が受け入れられないような対案を出せ」と指示したと言う報道などから、彼に対する信頼感を無くしているのだ。
 NHKの解説者も「小沢さんについては厳密に「次の次の総理にふさわしいか」を聞いてみたいですね。それがどういう数字になるのか、興味深いところです。」言ってる。
 つまり麻生さん、小沢さんのどちらの方を選ぶかでなくて、総裁選後の自民党から出る(次の)総理、選挙で民主党が勝ったときの(またその次の)総理として小沢さんが本当にふさわしいか厳密に訊いたらまた違った数字になるかも知れないと言っているのだ。
 私は小沢さんの資質は優れていると思うが、一番問題なのは過去の経歴や記者会見などの対応から見て、攻撃には強いが、防御に廻ると極端に弱いと言うか直ぐに切れる様な気がして、そこを野党やマスコミにつけ込まれる可能性が多いような気がする。

[政権奪回実現したあとの野党の攻撃に耐える政策を]
不人気な参議院の運営と人気取りの政策
 また政党支持率で言えば、今のような自民党政治がぼろが次々出てきても、民主党の支持が自民党より少ないのは、政府、与党を困らせて解散に追い込もうとする、小沢さんに引きずられた、多数をたのんでの民主党の参議院運営と、小沢さん主導の政策、海上給油問題で言えば対案を出せと言えば、反対が対案だと言ったり、渋々出した対案が全く実行不能なものであったりなど国民の信用を落とすような事ばかりしてきた結果だと思う。

政権奪回のチャンスは党勢衰退のピンチ
 今は千載一遇の政権奪回のチャンスだ。
 然し、その機会がきたのは理由は、前述のように「相手の自民党政治の失点」で得たもので、民主党自体の評価が上がったものではないことを謙虚に受け止めて、真に国民の付託に耐える政党になり、政策を見直し、そして政権奪回の後真に相応しい総理を誰が良いか検討すべきだと思う。
 私が何時も言う事だが、政権奪回のチャンスは、以後の衰退のリスクと隣り合わせだと言う危機感を持つ必要があると思う。
 何故なら戦後半世紀の政治の歴史を見ても、一時的に政権を奪回したり、連立で首相の座を射止めた政党は、いずれも衰退したり消えているからだ。
 その好例が村山首相を出した社会党/社民党がいま絶滅危惧種状態になりかけていること、一方の自民党がしぶとく政権の座についているのを見ればよく分かることだ。

政権政党としての公約の見直し
 民主党の今までのマニフェストは万年野党の時代そのままの予算の裏付けのない「ばら蒔き」としか思えないような政策が並んでいる。
 小沢さんが代表に決定した以上、なんと言っても仕方がないことだ。
 然し民主党としては、小沢さんの政局一点張りの意向を無視してでも、政権与党になるのを前提とし、ベテラン揃いの野党となった自民党からの攻撃に耐え得るような政策を作り、与党やマスコミから批判の多い財源問題を明らかにし、政策実行とそのための財源確保のずれの問題を明らかにし、次の衆院戦に臨むべきだ。
 少なくともばら「蒔き政策」で政権を取った後、慌て廻って政策を変更したり、それが実行出来ないのは今までの自民党政権が悪いのだ、言い訳をしないで済むような政策を期待したいものだ。

民主党員の多くが判っている党の問題点
 私は色々と判ったようなことを書いてきたが、素人の私から言われずとも、鳩山さん始め民主党の多くの人達はこんなこと百も承知で、今まで不人気なやり方を続けてきたのだ。
 然し、万一政権を取ったらこんな事では済まなくなることも良く承知の筈だ。
 永続的な政権交代を願う私は、民主党の心ある人達の奮起を願うのみだ。
 

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汚染米問題と現場を知らぬ官庁

2008-09-12 17:49:11 | 経済・財政

 三笠フーズが黴び毒や残留農薬で汚染された「事故米」を、本来の用途である工業用ではなく食用に転売していた問題は今や全国的な拡がりを見せて大きな問題となっている。
 監督官庁の農水省の事務次官は過去5年間百回に近い検査を行ったのに発見出来なかった問題は認めたが、それが農水省の責任であるとは認めなかった。
 農水省はこれに対して汚染米の輸入元への返還など色々な対策を講じている。
 然し私は基本的な問題に戻って考えて見たい。
・法律や規則とその運用は基本的には性善説に基づいているが、企業の倫理観の薄れた現状と食い違っている→規制強化の必要性→強化の為の人員が要る、つまり規制緩和に逆行する
・官庁はとかく机の上の仕事で済ませて現場の実情に疎い→現場に出る要員が殆どいない
・その一方、官庁の職員の合理化→縮小が叫ばれている
など基本的な解決のためには(一見?)矛盾する問題が解決しなければならいない。

[性善説に基づいた法律や規則とその運用]
 現実には食糧関係に限っても事故米関係で「三笠フーズ」や「浅井」や「ノノガキ穀販」のほか、牛肉、とり肉、うなぎ、使い回し、賞味期限改竄など数々の数々の会社が摘発されている。
 この事実は現在のような広い範囲の企業の倫理感が薄れた日本では、ある程度の規制や監督の強化が必要であり、その為の人員や費用が必要不可欠である事を示している。
 私がシンガポールに長期出張したとき、現地の人に同国の街が綺麗な事を褒めると、彼はいや日本は街の美化のためにわざわざ警官を配置して、ゴミを捨てたり唾を吐いたりした人に罰金を課さなくても綺麗だとお世辞を言った。
 詰まり民度が落ち、倫理観が貧しくなるほどその対処費用は増大するのだ。

[現場の実情に疎い政府職員]
 農水省の事務次官が農水省の責任であるとは認めなかったのは、手続き上では瑕疵が無かったと言いたいのだろうが、農水省のほかに監督官庁が居ない現状では、それでもこれだけの大きな問題を生じさせたことにたいして、国民に農水省の責任を認める必要がある。
 一つの問題は三笠フーズの発行した伝票のチェックだけでなく、相手先の伝票をチェックしてその裏付けをとるべきだった。同じお役所でも財務省が税金のチェックのとき同じやり方をやっているのだから。
 農水省の実際の検査は前もって通知しているので、都合の悪い伝票操作は幾らでも出来る。
 もう一つは政府が売り出した事故米の実際の動きを、何カ所かの対象企業をビックアップして、抜き打ちで最終的の製品になるまで追跡して、政府払い出し米の流れを知るべきだ。
 机の上の仕事で済ませる現場を知らないお役所では、悪徳業者に取ってはやり放題のことが出来ると思う。

仲介業者の数
 それで一つ問題になるのは事故米問題で言えば仲介業者の数だ。
 仲介業者が増える程責任の所在が判らなくなり、政府の追跡の手間が増えてくる。
 事故米問題については、規則で仲介業者の禁止か、その数を限定して介在する業者の責任を明確にし、かつ事故米のトレースの手間を省くべきだ。
 第一に何社もの仲介業者が、取引の都度マージンを取れるほど、政府は事故米を安く売っていることを意味している。当然、政府は国の財政改善のために販売価格を上げるべきだ。

天下り機関の問題
 これは事故米に限らぬ全般の話になるが、政府の政策の実行の実情をしるためにも、天下りの機関が介在は、問題がぼやけてくる。
 何しろ追跡調査や実情調査に、本省の職員にとっては元上司がいては追求が不徹底になりやすかからだ。
 例えば天下りの特殊法人が赤字を出して政府の補助を得ているのに、その下請けのこれも天下りの会社が大儲けしているなど、本省には判らず告発やマスコミや野党議員からの情報で始めてその事実を知ることになる。
 政府機関が現場の実情をしるためにも、天下りの特殊法人の数はでるだけ減らしたほうが良いと思う。

[官庁職員の合理化]
事務機械の威力
 前にも何度か書いたが昭和30~40年代の事務機械の進歩で、事務の合理化が飛躍的に進んだ。
 パソコンによる事務能率の向上に就いては若い方達もお判りのことと思うが、文章の複写に就いて言えば、コピー機械導入までは、筆写か文字を一字づつ拾う和文タイプ、ガリ版切り、謄写版刷りだった。
 これで同じ文書を一枚複写するのに、一時間かかっていたのがコピー機では僅か1秒もかからなくなった。詰まり複写に要する事務の処理が3,600
倍以上早くなったのだ。
 一般企業では事務の機械化で余った要員を企業の膨張により他の部署に回すか、退職による自然減に頼ったがそれでもかなりの余裕を残していた。
 それがバブル崩壊時の多くのホワイトカラーのレイオフのに繋がった。
 (同じ時期の生産部門の合理化が殆どなかったのは、それまでに合理化が既に進んでいたからだ。)

事務機械導入前のままの職員数
 しかしこの間の政府職員の合理化の話は全く出なかった。
 一般企業のいた私から見れば、政府職員は日本の国力の増大に伴う要員増は考えても、事務機械の導入と企業の用いた合理化手法で少なく見積もっても2~3割は削減出来ていたし、今でも出来る筈だ。
 私はその様な余剰人員をもっと現場(都道府県や市町村の役所、一般企業)に回して、本省がそのその実情を掴み、そして悪徳業者への管理を強化すれば、日本の政治はもっと良くなると思う。

現場の実情を知る本省の職員の養成とその効果
 汚染米に以外にも、医療費削減にともなう医療崩壊、福祉予算の増大の限度設定→介護要員の大量の退職、地方交付税の削減→地方の疲弊、大店法実施→シャッター通りの増加などなど、改革に伴う現場の負の部分ももっと早く情報を集め対策を講じることが出来た筈だ。
 事実はこれらに就いては政府は関係団体に報告書を提出させたり、国民からクレームや、関係者からの告発でやっと実情を知ってきたが、紙の上の報告と政府職員が身をもって見聞した報告の正確さとその重みが完全に異なるだろう。
 そして幹部に登り詰めたときキャリアーの対応は、先の事務次官とは全く異なった血の通ったものになると思う。

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総裁選挙の立候補者の共同記者会見

2008-09-11 11:18:35 | 福田内閣

 昨日、NHKで自民党総裁選挙の立候補者の共同記者会見の模様を放送した。
 その概要を報告し私の感想を纏めてみた。(括弧内は私の意見)

[全員が一致した政策]
・新テロ対策特別措置法の延長
・09年度から基礎年金の国庫負担を引き上げる政府方針

[意見が別れた政策]
・基礎年金の国庫負担を引き上げのための財源確保

 麻生さん:景気が回復する前に上げると景気を著しく冷やす可能性がある、特別会計の余剰金の利用ど当面を凌ぐ
 与謝野さん:安定財源は消費税しかない。歳出削減後の増税
 石原さん、小池さん:当面の税率引き上げに否定的
(5人とも何時かは消費税増税は必要では意見が一致している)

・捩じれ国会が続く場合の大連立構想
 麻生さん:小選挙区制度では極めて難しい
 与謝野さん:衆院選後も衆参のねじれは残る。自民党の大事な宿題だ
 石破さん:民意の無視で、全く理解できない。政策の根本が違う政党が組んで何になるのかと真っ向から反対
 小池さん:次の総選挙の勝ち方、負け方から政治のダイナミズムがさまざまな形で起きてくるだろう。政策方向が一致する政党が力を合わせるのも選択肢の一つかももしれない
 石原さん:政治的テクニックとして十分考えられる。次の首相は大連立も次のカードを切っていかなければ、ねじれは解消しない
(私は大政翼賛会を思わせるような大連立は反対、後のNHKで話されていた部分的な政策協議は賛成

・衆議院解散時期
 与謝野さん:補正予算案の成立後の衆院解散が望ましいとの考えを示した。
 他の四人は次の総理が決めることだと言って明らかにしなかった。
(他の4人の内何人かは先ず補正予算を通すべきだと言っていたがそれには賛成。
 何故なら、選挙中はマスコミは年金、後期高齢者医療制度で怒る老人、出鱈目な社保庁、特定財源を使った健康用具、安倍さん、福田さんの突然の辞任、(その原因となった小沢さんの審議拒否などは殆ど放送しない)
などを繰り返し放送はしても、自民、民主の政策の違いなど殆ど放送しないので、国会での論戦を盛り上げて、マスコミの注目を引き、自民党の主張を国民に知って貰うのが一番だ。)

[その他の印象に残った発言]
・小池さん:「原油価格高騰など資源問題で、今の経済の構造が大きく変化しつつある。新エネルギー技術に優れている日本は、これをツールにして経済成長を図るべきだ。」
 「一方、中国では経済発展に伴い富裕層が増え、より高級な農産物の需要が増えている、日本も今まで護りや保護の農業政策を改めて、これからは農産物の輸出など、攻めの政策に変わるべきだ。」と一人前向きな主張をしていた。

・与謝野さん:小沢さんとの比較を問われて、私の方が上と思っていた囲碁では少し怪しくなったが(笑い)、政策面のでは私の方が上だ。
 候補者のセールスポイントについて、石破さんが熱弁をふるった後、次に与謝野さんの番になって、「(彼と違って)羞恥心があるのと謙虚なのが私のセールスポイントだ」(大爆笑)。
 私もそうだが、与謝野さんが真面目一方と思っていただけに、彼の冗談が大受けしたのだろう。
 彼の思わぬ一面を見てマスコミの彼に対する評価が上がったのは間違いないだろう。

[私の意見]
 共同記者会見の様子と同日夜、同じ5人が集まったNHKの放送と併せて考えてみた。
・5人の候補者の敵は小沢さんだ
 麻生さんもNHKで言っていたが、5人の間で、経済政策、消費税増税問題で大きく意見が別れているように見えるが、増税の前の歳出削減、政府が決めた総合経済政策の実施、何時かは消費税増税をしなければならぬことなど、意見の一致することの方が多い。
 総裁選で勝つための相手を蹴落とすような泥試合を止める事、少なくとも相手を中傷しないこと、候補者の最終の相手は小沢さんと言う事を忘れないで、党内論争での発言を民主党から利用されないように注意すべきだ。

・選挙後の候補者の協力
 誰が総裁になっても、5人とも優れた人だし、前に書いた様にその意見の隔たりは、そう大きくないので、新内閣では麻生さんと与謝野さんの協力は勿論、全員参加して民主党の当たること。
 特に私の印象に残った小池さんの主張は、その他の5人が厳しい環境を反映して、後ろ向きとも取れる(そして暗い)発言が続くなかで唯一の前向きで明るいものだった。
 彼女の意見は、量的な面からどれだけ、経済の成長に効果があるか疑問の点もあるが、暗い話題が続く中で国民に希望を与えるような、明るい話題を出す彼女にセンスは優れていると思う。
 新内閣発足後の衆院戦でも彼女のセンスは活用すべきだと思う。

・麻生さんのぶっきら棒な発言
 共同記者会見で一番気になったのは麻生さんの木で鼻を括ったようなぶっきらぼうな発言だ。
 一例を上げれば、他の候補者より優れている点を訊かれて、他の人達は自分のセールスポイントを色々並べているのに唯一言、「強み?経験かな」。
 今までの記者会見の彼の発言ぶりから考えると、問題質問を良くする旧知の記者の質問への対応の仕方と良く似ている。
 言うまでもない事だが、記者の質問に返答することで、自分を国民に知って貰う意味もあるので、記者でなくて国民を相手に話すような話し方をすべきだった。
 なおもっと悪く考えれば、いずれにしても総裁選に勝つという驕りからのぶっきらぼうの発言と、党内からの反感を買うこともあるかもしれない。
 夜のNHKの番組では丁寧な物言いをしていたのに、記者会見で虫の居所が悪かったのかも知れないが、何故あのようなぶっきらぼうな発言をしたのだろう。
 私は麻生さんの選挙区民だが、少なくとも今回の記者会見の評価は5人の候補者の中では最低だと思う。
 麻生さんの支持者は彼の失言癖をいつも心配しているそうだし、今回の彼の物言いかたに就いても彼に直言して直して貰うべきだ。
 今朝のフジテレビで民主党員へのアンケートで、一番戦い難い相手と戦い安い相手には何れ麻生さんがトップになっていたが、戦いやすい相手の理由として彼の失言癖を上げていた。
 麻生さんは何もマスコミにおもねる必要は無いが、政治家の失言を取り上げて誇張し執拗に報道するマスコミ、そして選挙中のテレビの放送がその結果に及ぼす影響の大きいことを考えて、マスコミにもっと丁寧に対応すべきだと思う。

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平凡でも一生懸命な先生・貧乏はよいことだ

2008-09-10 17:52:08 | 日々雑感

 NHKの番組で武内陶子さんの司会でNHKの番組に出演する人にインタビューする「スタジオパークからこんにちは]と言う番組みがある。
 若いゲスト出演者の時に殆ど見ないが、ベテランの人達の言動には参考になることが多いのでなるべく見るようにしている。
 特に昨日の96歳でなお現役の映画監督、脚本家として活躍している新藤兼人さん
の日常生活とその話には大変印象に残った。

[新藤さんの日常生活]
 新藤さんは、監督デビュー作品の「愛妻物語」で主演した乙羽信子と結婚したが、乙羽さんの死後も共に住んでいた、アパートに一人暮らしを続けている。
 5時に起床後直ぐに乙羽さんの仏前に立つ、6時からNHKの英語講座を勉強、朝食はお手伝いさんが準備していた、若者顔負けの私なら2回分以上の食事量を時間を掛けながらゆっくりと取る。
 それから脚本書き、夕食後は広島カープスをテレビで応援、就寝。

 私は正直言って、もし家内が先立ったとして(その時になって見なければ判らないが)死後十数年も続けてかがさず、家内の仏前に立つかと言われれば自信がないような気がする。
 新藤さんはその作品は全て家族とは、友人とは、隣人とは、教師とはなど人間を描くことを中心だと言っていたが、乙羽さんへの愛情、人間関係を大切にする彼の人柄なのだろう。
 私の英語も若いときは20年近く通勤電車で英語の小説を読んだが、今は週1回の英語輪読会に出かけるだけで、家ではブログをエントリーするとき稀にネット上の英字新聞を読むだけだ。
 食事の量も山登りの経験から、食べただけしかエネルギーは出ないと思っているが、年をとるほど小食になり、当然のように何をやるにも根気が続かないのを嘆いている。

[貧乏はよいことだ]
  新藤さんは「貧乏は良い事だ」と思いがけないことを言った。
 新藤さんのお父さんが破産、14歳のときに一家は離散したそうだが、今考えるとその辛い経験が彼にとって財産になっていると思っての発言だったのだろう。

 私の父も今で言う正規従業員と非正規従業員の間の立場で親子7人の暮らしを支えていたので、私の友達のなかでは最低クラスの生活を送っていた。
 今でも覚えているが、弁当のおかずは醤油をかけたかつおの削り節に、コンブの佃煮が定番だった。
 それでも毎日朝から晩まで身を粉にして働いている母の背中を見て、子供でも出来る手伝いは喜んでした。
 私は当時小学生だった姉から、母親がわりに世話して貰った記憶が残り今でも彼女に頭が上がらない。
 近所や学校の友達も素直な子が多かったのは、私の家ほど貧乏ではなくても、洗濯機も、ガスも炊飯器も電子レンジもなくて、全て手作業で働いていた母親をみていたからだろう。
 ほかに娯楽が無いので、私は目に触れた本を片っ端から読みあさったことが、私の想像力や判断力などを養成したと思っている。。
 そのほかにも、我慢すること、今のように遊ぶものな少ない→自分で遊ぶ方法考える→自分で考える力や習慣、兄弟姉妹の思いやりなど多くのことを学んだし、私のようなのんびり屋でなく、負けん気の強い子供にはハングリー精神も自然に生れたのではないだろうか。

 [あり余り過ぎて日本が痩せて来る]

 そうかと言って現在のような豊かの暮らしを批判する気もないし、いまさら貧乏な暮らしに戻る訳に行かないのは当然だが、少なくとも貧乏暮らし(それと子沢山)の良い点も何とか取り入れる工夫はないのだろうか。
 参照:貧乏人の子沢山有用論
 

[平凡でも一生懸命な先生]
 新藤さんの最新作の「石内尋常高等小学校 花は散れども」は彼が郷里の小学校で教えを受けた先生のことを描いたものだそうだ。
 新藤さんは言う「その先生は今考えると平凡な先生で、何時も言う言葉も「嘘を言うな」と言う平凡な言葉だった。」
 「然し際立っているのは何事も一生懸命にやる先生で、今の私に大きな影響を与えてくれたし、「嘘を言うな」の平凡な言葉が何かにつけて生きている」
 良く考えるとその新藤さんへの先生の影響力が大きかったと言う事は、彼は言わなかったが、新藤さんが特に感受性が優れていたことは勿論、それを受け取る方の他の生徒たちが皆素直だったことことが、平凡な先生でも一生懸命にやる姿や平凡な言葉から大きな影響を受けたのだと思う。

 一部とは思うが、家庭の躾けの行き届いてない生徒、甘やかされた生徒、テレビ、携帯、インターネットなどで多くの情報を持ったこましゃくれた生徒は、新藤さんの先生のような「ただ一生懸命が取り柄の平凡な先生」を受け入れるだろうか。
 そうした生徒を育てた、親は子供のときどのようにして育ち教育を受けたのだろうか。
 教師たちは、世の中の経済成長で避けられない核家族化、女性の社会進出などの社会の変化に即応した教育をして来たのだろうか。
 そして先生自身がどのように育てられどのように教育された来たのだろうか。
 戦後の民主主義に加えて、日本古来の美風の軽視または無視、急速の拡がった社会・共産主義の思想を取り入れた、権利の重視とそれに伴う義務・責任の軽視、悪平等、他人の迷惑も考えない限度無視の個性の尊重など、社会の変化に超然として、戦後以来変わらない教育を続けてきたのではないだろうか。
 現在、多くの先生は子供の為に一生懸命にやっていると思うが、一部の先生の中には今でも文科省、教育委員会、校長は管理者、教師は労働者と位置づけて、一生懸命なのは生徒より自分自身のため、酷いのは平和のためにと言って、自分の思想を子供たちに植えつけるような過去の遺物のような教師がまだいるのではないか。

[働くことは楽しい]
 新藤さんは96歳の今でも脚本を書くのを楽しみにし、「生き甲斐」にしており、それが彼の体を支えていると言う。
 然し私の住む団地の高齢者のごく一部は週に1度か2度カラオケ、俳句、踊りなどののグループで楽しんでいるが、それが「生き甲斐」とまで思っているのだろうか。
 そのような人達は未だ良い方で、多くの老人たちは、せいぜい女性は家事、男は庭いじりで過ごし、後はテレビを観ながら時間を過ごす人が多いようだ。
 新藤さんはインタビュー中に人の批判や理屈など言わなかったが、生き甲斐について言えば、「自分のしている事が人の為になること」自分で感じて始めて「生き甲斐」を感じるのだと思う。
 そして人の為になることをすることでその事自身の楽しさ以外に、また違った楽しさを感じるのだろう。

生き甲斐ある老後の暮らしのために
 然しその様な老後の楽しみや「生き甲斐」を持つには私の経験から言えば若い時からの準備がいると思う。
 新藤さんの場合は映画監督や脚本家としての長い蓄積が今でも生きている。
 私の場合は英語と海外技術支援の経験を活かして、退職後80歳までボランティア活動をして来た。
 それ以後は(先頭に立つのは苦手なので)英語のクラブでは助言役(と自分で思っている)、クラシックギターは伴奏専門、川柳は上部団体に提出する句会の句の清書などほんの気持ちだけだが会の運営にお役に立っている(と自分で思っている)。
 これは私の「生き甲斐」と言うより、老人になって何かと人様に迷惑を掛けながらも生き長らえていることの「自己弁護」だ。
 今ころになって気付いたのだが、これらの小さな社会奉仕が出来ているのは、(性格のいい加減さそのままに、暇つぶしでやって来たため進歩は殆ど無いが)英語、ギター、川柳の約15~50年の経験が活かされているのだ。

 私たちは定年後2~30年は生きて行かねばならない。
 それを楽しくしかも出来るだけ「生き甲斐」を持って過ごすには、その場になって慌てないように、現役のときから取り組むか、少なくとも心の準備だけはしておいた方が良いと思う。

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民主党の公約を読む

2008-09-09 17:01:05 | 民主党

 昨日、民主党から次の様な政権構想が発表されたが、その個々の項目については次のように考えている。(*注記)
[賛成・条件付き賛成]
・「消えた年金記録」の被害救済、年金制度一元化
・温室効果ガス排出量の半減に向けた省エネルギー徹底

・国の補助金はすべて廃止し地方に自主財源として一括交付
 都道府県の経済力に応じて如何に適切、公平に分配するか、知事たちがその使い方を誤って破産状態になったとき、その知事を選んだ住民の責任で済まされるかなどの問題を解決する必要がある。

・特殊法人などの原則廃止や役人の天下りの全面的禁止
 今までの「一人が昇格すると他の同期人がはみ出る」慣行の見直しなど、真面目に働いていた職員の定年までの生活を保証する公務員制度改革が前提となる

・国会審議は国民の代表である国会議員だけで行う、与党議員100人以上を政府の中に入れる
 後者については私も「懸案の問題を多く抱えている升添さんにもっと人員を配置する」ようにと提案したことがあるが、マスコミも民主党のこの政策にも賛成の意見が多いようだ。
 その理由は大臣のほか一人や二人の副大臣がそれぞれの部屋に閉じ込められては、肝心の情報も上がらず、下からの書類をサインするだけで何も出来ないからだ。
 然し一つの省に7~10人の議員が居ては事務の停滞や職員の士気の低下に繋がりかねないので、どの部署に配置するか、配置された議員と職員の職務区分をどうするかなどの問題があるが、やってみる価値は大きいと思う。

・強固で対等な日米関係を築く、国連の平和活動に積極参加
 衆院選では必ず自民党側から追求されるのは間違いない、差し迫ったアフガニスタンの海上給油について政権政党になったらどう処理をどうするか、そのまま頬被りして何もしないか、または今までのような実行不可能な対案でなくて、具体的な対案を示す必要がある。

[財源の裏付けがなく「ばら蒔き」と言われているもの]
・年金基礎(最低保障)部分の全額税方式
 この件に年金制度の現状からすればやむを得ないことで、自民党も似た様な提案をしており、「ばら蒔き」で片づけられる問題ではないが、その財源は明らかにすべきだ。

・子供1人当たり月額2万6000円の「子ども手当」支給
・農業の戸別所得補償制度創設(後記)
・高速道路無料化、ガソリンの暫定税率廃止と増税分の国民への還元
 民主党はこれは「ばら蒔き」ではないと主張するのは当然だが、それに必要な財源をどうするか、その財源確保できる時期と公約実施時期のずれをどうするかを明らかにすべきだ。

[反対]
・農業の戸別所得補償制度創設

 これは農業の停滞に繋がっている今までの農業の支援策の焼き直しだ。
 同じ農村を援助するなら、もっと農業に明るい希望を持たせ、若者がUターンできるような、前向きの方向で援助策を考え、それを補完するものとして、その政策に就いて行けない老人達の弱者の救済を図るべきだ。

[問題含み・説明不足な政策]
・年金基礎(最低保障)部分の全額税方式
 提案そのものは判るが、前述のように財源の裏付けがはっきりしない。

・後期高齢者医療制度廃止
 これについての少子高齢化の進展を見据えた同制度に代わる具体的な対案を出すべきだ。
 政権を取ったら今までのように、同制度反対が対案だなどと言っておれない筈だ。

・医療制度一元化
 党としての具体案はあるのだろうが内容の報道がされていないのでコメントは省略。

・「働く貧困層」解消、中小企業の財政的支援による最低賃金の引き上げ
  最低賃金の引上げ→企業のコストの上昇→競争力の低下→日本経済の沈滞→政府の収入の低下の問題についてどのように処理するかについて具体的に明らかにすべきだ。

[民主党の構想で抜けているもの]
・貧弱な経済政策
 日本経済を如何に回復、成長させるかは上記の政策から殆ど見えてこない。
 どの専門家に聞いても、民主党の政策で日本経済が回復するとか伸びて行くと言う人は恐らく一人も居ないと思う。
 自民党の総裁選で論争の中心は如何に日本経済を回復させ、そして政策実施のための財源を如何に確保するかだ。
 衆議院の選挙戦で、政府攻撃、ばら蒔き政策中心の民主党の主張と、経済、財源確保の問題を主張する自民党のそれとは格が違い過ぎる。
 選挙だから政府攻撃一本槍でも通るかもしれないし、予想される選挙中のマスコミの報道姿勢から考えてると、或いは民主党の選挙向けの公約?の方が効果があるかもしれないが、それが選挙結果にどうでるか判らない。
 一番の問題は政権を取った暁に、この公約で財政面や経済面からの野党の自民党の攻撃に耐え得るか否か一度考え直すべきだと思う。

・国会議員の定数削減
 今までのマニフェストから「国会議員の定数削減」が抜けているのは何故だろうか。
 この公約は間違いなく国民の喝采を受けるのに、そして政権奪還→その実現のチャンスが大きくなっているのに何故だろう。

[最近の与論調査が示すこと]
 最近の読売新聞
の世論調査では、最も期待する首相として、麻生さんが30・6%に比して小沢さんは僅か9・6%、政党支持率は自民は29・7%(前月比0・8ポイント減)、民主は16・9%(同1・8ポイント減)だった。
 自民党寄りと良く言われる読売の調査の数字は、割り引いて考えて見ても無視できない数字だと思う。
 なおNHKでは自民党の支持率は前月31.4%,今月は33.8%、民主党は前月21.1%、今月18.4%だった。

 現在、千載一遇のしかも圧倒的に有利な立場にある民主党に対する世論の支持がこれだけで終わっているのは何故だろうか。
 今の公約で良いのか、小沢さんで良いのか、恐らく民主党の多くの人がこの理由を知っていて、意識的に眼を瞑っているとしか思えない。
 然しこの問題を真摯に考えねば、政権奪回のチャンスはフイになるか、折角政権を奪回しても短命に終わってしまうかもしれない。
 その為には今回の公約の見直し(特に財源と経済問題)と、果たして小沢さんの首相で持つのかもう一度考え直す必要があると思う。

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*注記:民主党の[政権構想の概要]
・「消えた年金記録」の被害救済、年金制度一元化と基礎(最低保障)部分の全額税方式、後期高齢者医療制度廃止、医療制度一元化
・子供1人当たり月額2万6000円の「子ども手当」支給
・「働く貧困層」解消、中小企業の財政的支援による最低賃金の引き上げ
・農業の戸別所得補償制度創設
・高速道路無料化、ガソリンの暫定税率廃止と増税分の国民への還元
・特殊法人などの原則廃止や役人の天下りの全面的禁止
・国の補助金はすべて廃止し地方に自主財源として一括交付
・国会審議は国民の代表である国会議員だけで行う、与党議員100人以上を政府の中に入れる
・温室効果ガス排出量の半減に向けた省エネルギー徹底
・強固で対等な日米関係を築く、国連の平和活動に積極参加


公明党のこれから

2008-09-08 15:10:55 | 政策、社会情勢

 私は今まで公明党については、創価学会・池田大作さんと言う党にとっては絶対的な存在の影響下にある同党にいくら言っても仕方がないと思って殆ど触れて来なかった。
 然し、福田新内閣発足から福田さんの突然の辞任、それから今後の政局に公明党が大きな影響を及ぼすかも知れないことを思って、日本の政治全体の眼から公明党について書いてみた。

[福田さんの電撃辞任と公明党]
 昨日のテレ朝の「サンデー・プロゼクト」で田原総一朗さんと公明党の代表の太田昭宏さんとの対談があった。
 その一番のポイントは福田総理の電撃辞任に対する公明党の影響だ。
 つまり公明党は自党の衰退の危機感と、その原因は自民党と行動を共にしたことにもあるとして党が自民党と一線を画し始めたのだ
 それが福田新内閣の発足後、国会の開会時期や会期、「定額減税」、「新テロ特措法」の再延長問題や解散の時期などで公明党の主張を「ゴリ押し」を産み、そしてそのことが、福田さんの突然の辞任の原因ではないかと言われている。

 田原さんのこの件の質問に対して、太田さんは断固として否定した。
 そして福田さんの辞任の時の「自公政権が順調にいけばいい。しかし、私の先を見通す、この目の中には決して順調ではない可能性がある。不測の事態に陥ってはいけないとも考えた」との発言は「自公政権が不測の事態に陥ってはいけない」と言ったので自民、公明の間に不測の事態になると言ってのではないと強調、たまたま同席していた元自民党参議院幹事長の片山虎之助さんもその意見に同調した。
 然し私が聴いた福田さんの辞任の挨拶はその全体の流れからも、明らかに「自民、公明の間に不測の事態が起こる」としか捉えられなかったし、各マスコミのそのようなとらえ方をしているようだ。
   詰まり公明党と言う絶対的存在の影響下にある政党が日本の政局に大きな影響を与え始めたのだ

[公明党が民主党と組む可能性]
 さらに田原さんがもし自民党が負ければ、公明党は民主党と行動を共にするかの質問に、太田さんは一瞬絶句したあで、「私たちは自公一体で衆院選の勝利を目指しているので、そんなことを考えたこともないこともない」と答えた。
 さらに田原さんが「それでも自民が負けたらどうするか」との質問に対して、はっきりした返事をしないままだった。

 考えて見れば、いや考えなくても始めから判っていることだが、公明党は自民党よりも民主党により近い考え方を持っているようだ。
・海上給油再可決への慎重姿勢(公明党は再可決でなくて、民主党と話し合えと言うが、小沢さんの今までのやり方からほぼ絶対に話し合いは出来ないので、事実上の反対)
・マスコミから総批判されている定額減税(民主党のマニフェストにもある)
・特にネット上では批判の的の外国人参政権付与

 なお公明党の実績で有名で今後の問題になりそうなものは「裁判員制度」がある。
 これは一般の民間人に対して犯人に死刑宣告することに対する大きなストレスを感じさせることで、結果的には公明党の主張である死刑廃止の実質的な実現を図ろうとするもので表向きの目的の国民の裁判参加と実際の目的とが違っているのだ。
 今でも共産、社民がこの制度の見直しを主張しているが、これが周知期間を経て、いざ国民の参加が眼の前になって、後期高齢者医療制度と同じように大問題になる可能性を秘めているおかしな制度だ。

 いずれにしても否応なく、捩じれ国会のもと自民、公明の間がおかしく成り始めているので、これからの公明党の動きが政局に大きな影響を与えそうな気配だ。

 そして目が離せないのは元公明党委員長の矢野絢也さんが、創価学会を提訴していることに関連して、民主党が野党が多数を占めている参議院に彼を参考人として呼ぶか否かだ。
 今までの小沢さんの政権奪取のためには手段を選ばないやり方から考えて、公明党の嫌がる矢野さんを参考人として招致することは明らかに公明党を敵に回す決意の現れであり、逆に矢野さんを呼ばないことは衆院選以後の公明党との連携を図ろうとしているかも知れないことを意味する。

[自民党と民主党へ]
 本来なら公明党のことは公明党に提案すべきところだが、最初に書いたように絶対的存在に支配されている公明党に何を言っても仕方がないので、自民党と民主党にお願いしたい。
 日本の政治の正常化と日本の国政を誤らせぬために、両党が如何に公明党と上手く付き合って行くか良く考えて貰いたいものだ。

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NHKの日本のこれから

2008-09-07 15:47:01 | 情報、マスコミ

 昨夜のNHKでシリーズものの「日本の、これから「とことん話そう 税金」」と言う一般の人とゲストの財務大臣・伊吹文明,慶応義塾大学教授・竹中平蔵,経済アナリスト・森永卓郎,慶応義塾大学准教授・土居丈朗の4氏による討論番組があった。
 テーマとして高齢者に対する福祉費の高齢者と若者の負担、財源として無駄による歳出削減か増税か、所得税増税の賛否、移住するとしたら高福祉高負担のスェーデン、個人責任重視の米国のいずれを選ぶかなどが討議された。
 その中で気付いたことを書いてみた。

「ゲスト出演者」
 NHKはこの種の番組には必ずゲスト出演者には必ず金子勝さん
遥洋子さんなど反政府的発言をする人を入れているが、今度の森永さん万人が知っているように政府批判の立場に立っている。
 然し今までの反政府の立場のゲストと違うのはその発言だ。
 Wikipedia
では彼の発言の例として
・「北朝鮮が攻めてきたら竹やりで対抗すればよいから、自衛隊は要らない」
・「戦争になったら自分はアメリカに逃げる」
竹島問題について  「韓国にあげればいい、東京都内だって外国の投資ファンドに買われている。」等と発言、同席者から「竹島は武力による占領状態で日本の主権を無視しているが、投資ファンドは日本の主権を認め法律を守り、税金も払っている」と顰蹙を買った。
憲法改正について反対し「仮にとんでもない奴が攻めて来たら、もう黙って殺されちゃえばいいんだと思うんです」「世界の歴史の中で、昔は日本という国があって、戦争をしなくって制度を守るんだって言い続けて、ああそんな良い民族が居たんだなぁと思えばいいんじゃないですか」
と挙げている。
 公平、堅実を旨とするNHKが何故彼のような人をゲストに呼んだのだろうか。
 今回の増税問題でも、主張の異なる伊吹さん、竹中さん、土居さんのいずれも歳出削減をしてもいずれ今の経済情勢では増税は避けられないと意見は一致しているのに、森永さんだけは「埋蔵金」を使えば良いと発言した。
 他のゲストから埋蔵金を使ってもそれは一時的なもので、いつかにそれが無くった時はどうするかと言われて黙り込んでしまった。
 彼らの一人は森永さんを報道バラエティーのコメンテーターとからかっていた。

 私と同じように、政治、経済問題の専門家ではない一般の参加者は物事の一面だけを取り上げて発言するため、その発言に対する批判がでて議論が白熱するのは良いが、問題の重点が拡散しがちになるのを纏めるのが専門家のゲスト出演者だと思うのだが、今回は彼の登用で何時も以上に取り留めない議論で終わってしまった。
 ことによるとそれがNHKの意図であるかも知れないが。

「質問の要点の説明のないまま設問」
・歳出削減か増税か
 この問題で当然議論の対象となると予想される、政府機関の無駄を省くことについては、世界的な国会議員の定数の比較、公務員数の比較の数字を示すべきだった。
 後者に付いては人口1000人当たりの公務員数
では英独仏では33人から38人、米国は22人、スェーデンは26人に比して日本は世界最低クラスの17.1人で、国会議員定数は削減出来ても、公務員定数削減にも限界があることを知らせて置くべきだった。

・所得税増税
 どのような所得税増税論の政治家でも、所得税増税の際は低所得者層を考慮して食糧品など生活必需物資については現状の5%を据え置き、それ以外について増税すると言うのが通例だ。
 例えば一律10%アップなど言っては世論の反発を食うなどは常識だ。
 議論で熱くなっている会場では伊吹さんなどのゲストもそのことをコメントするのに気付かなかったために、会場では所得税増税など「弱いものイジメ」などの議論に集中して、次第に問題の核心から外れることになった。
 それで設問には「生活必需物資以外の消費税増税」について触れて置くべきだったと思う。

・高福祉高負担のスェーデン、個人責任重視の米国のいずれを選ぶか
  ここでも、米国の場合、医療行為について健康保健会社が介入して来るので、過剰な医療行為にはチェックが入るが、(日本の社会では受け入れない)低所得者は難しく費用のかかる医療は受けられないことを事を説明して置くべきだった。
 なおスェーデンを選んだ人達に対して、竹中さんがその中に増税反対論者が多く含まれていると指摘したが、それと1000人当たりの公務員数がスェーデンは26人、日本17.1人の数字は福祉問題の難しいことを示している。

[NHKへ]
 前にも書いたが、NHKの今までのこの種の番組の進め方から見て、意見を纏めると言うよりも、問題点を浮き彫りにしようとしているようだ。
 このような方針だから昨夜も一般の人達から政府が悪いと発言が続いたように、この種の報道を見た一部の人達からではNHKは反政府的だと言う批評も出ているようだ。
 私個人はこの種の番組は非常に示唆的なもので評価している。
・それだけに、ゲストにはもう少し公平な立場の人を選ぶこと(それと一般出演者には特定思想を持った人も出来るだけ避けること)
・今までゲストから設問の仕方が良くないといつも指摘されていることを改善すること。
・短時間でこのような難しい問題を纏められないのは当然としても、担当スタッフの間で議論を重ね、取り上げる予定の問題について出てきそうな意見に相応しいデータを準備して、議論が拡散してとりとめのないまま終わることのないもっと有意義なものにして貰いたいものだ。

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自民党総裁選関係者の一言集

2008-09-06 11:42:58 | 福田内閣

麻生太郎さん
 「今日本が瀕死の状態になっているのに、体質改善など言っても間に合わない、如何に生き長らえされるのかが緊急の問題だ。」
 米国の衰退に伴う日本、EU,中国の経済不況、原油価格高騰で示された資源枯渇と、有り余る投機筋や世界の年金基金の資金の動き、日本では中国の台頭→競争力の低下→従業員の給与削減→格差の発生、経済に暗い影を投げかける少子高齢化など問題山積で、しかもこれらの情勢が好転するのに何年もかかる。
 それに赤字国債を発行して、日本の財政事情を悪くする悪循環を何時断ち切れるか判らない。
 党内にはこの方針に反発が多いそうだ。
 麻生さんはこれに対して消費税値上げを考えているそうだが、報道では公約には「この問題を検討する」としているそうだ。
   麻生さんは消費税を何時
どの位上げるかを具体的に明らかにして、その悪循環を断ち切ることを示さねば、党内も国民にも納得させられないだろう。、

与謝野馨さん
 自分で政治の職人だと言った人がどうして総裁選に立つのかとの質問に「私は職人だがそれでも思想を持っている
 私も彼の日頃の言動から見ても、政治家に似合わず正直で立派な人だし、彼なりの信念を持っていると思うし、党内の支持も多いようだ。
 彼は日頃から消費税の値上げしてでも財政規律の維持を強く唱え続けてきた。

 私は今回の総裁選では実質的に麻生さん、与謝野さんの間で戦われると思うが、どちらが勝っても、二人で連携し、そして石破さん、小池さんも登用して、日本は勿論、自民党としての非常事態に当たって貰いたいし、恐らくその線で進むと思う。

石破茂さん
 「テロとの戦いや、日米同盟、中国とどのように共存共栄を図っていくかなど外交・安全保障政策で民主党との違いを示したい
 「私は総裁選で如何に小沢民主党と戦って行くかを示したい。」
 石破さんはその他、経済問題について色々言われているが、それらの主張の中で出来る事は全てやるべきだ、それより地方の疲弊の問題を解決を訴えたと立派な言っている。
 それと彼が言う様に総裁選の戦いの相手は候補者同志でなくて民主党だと思う。
 私はマスコミに晒される総裁選の絶好の機会を捉えて、民主党を攻撃すべきだと思う。
 同じ理由で総裁選では互いの政策批判は良いが、個人攻撃は絶対に避ける事、前回のようなデマを流して個人を傷つけるような衆院選での民主党への利敵行為は絶対に避けること。

小池百合子さん
 選挙戦のライバルはと訊かれて、「私たちのライバルは小沢さんよ
 「切り崩しなどにあったりして、天気は日々変わりつつある
 私は石破さんのところで書いたように、小池さんの「ライバルは小沢さん」の発言に賛成だ。
 つけ加えれば、彼女も新内閣に参加して、衆院選で恐らく民主党支持に廻る朝日系のテレビと、それに引っ張られる他のテレビ対策に彼女の経験とセンスを活かして貰いたいものだ。(彼女が総裁選で負けると決めつけているようで御免なさい
  参照:福田さん辞任のマスコミ報道
 [与党に不利な選挙中の報道]
 切り崩しについては、彼女の支持に廻ったのが判ると、新体制のもとでは冷や飯を食わされる党員は思っているのだろうが、麻生さん、与謝野さんともそんなケチな性格ではないと思う。
 小池さんが総裁選に参戦することが良いと思う人は彼女の推薦人になった方が党のためになると思う。
 ただ小池さんは、増税ではなく経済成長による税収増で財政再建を図る「上げ潮派」とされる。ただ、最近は、景気減速に伴う税収減が鮮明になり、「上げ潮」のシナリオは説得力に乏しい。このため、小池氏は小泉内閣の構造改革路線を維持すべきだとの主張を前面に押し出してくる模様だ。 読売新聞
より)と言われているが、小泉路線の落として暗い影に疑問を持つ党員も多く、彼女の勝利の可能性は低いようだ。

石原伸晃さん
 「ぜひ総裁選でしゃべる機会を得られるように不退転の覚悟で取り組みたい
棚橋泰文さん
 「若い世代の代表として、皆さんのお力をいただきたい
山本一太さん
 国会議員の定数半減を公約
 三人とも推薦人20人を確保するめどは立っていないそうだ。
 素人の私は政治的な裏取引は嫌いだが、ばらばらでやって推薦人を集められないならば、小異を捨てて大同団結し、若手一人に絞る位の政治的配慮があっても良いと思うのだが。

民主党鳩山幹事長
 「メディアの関心がほとんど自民党総裁選に行き、メディアジャックが明確に始まっている。どうすれば民主党の姿を際立たせていけるか、知恵を貸してほしい
 「福田康夫首相は麻生太郎氏を自民党幹事長に任命する際、次は首相を頼むと密約したと疑わざるを得ない。密約の話を打ち消そうとして、候補者が入り乱れ、国民の関心をそちらに向けようとしているのではないか
 私はこのような小さい事ばかり言わねばならない鳩山さんを可哀相と思っている。
 産経の記者の阿比留瑠比さん
の話では鳩山さんの発言は記者仲間では殆ど聞き流し状態だそうだ。
 鳩山さん自身も良く知っていると思うが、民主党の今やるべき事は、政権奪還のために、そしてそれが実現したとき慌てないように自民党より優れた、財源の裏付けのある、そして実行の可能性のあるマニフェストを作ることと、評判の悪い小沢さんが首相になって本当にやって行けるのかを考え直すことだと思う。

 政権交代論者の私としては、民主党のためにも日本のためにも、この際民主党が本当に政権担当能力があることを示して貰いたいと思う。

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参照:
 
自民党の総裁選率候補者へ
 
話し合い路線から戦う自民党へ
 
その場凌ぎの政治から脱却しよう 


自民党の総裁選率候補者へ

2008-09-05 14:45:07 | 福田内閣

[中曽根さんの意見]
 4日の毎日放送のNEWS23で久しぶりに中曾根 康弘さんが今の政局に就いて話していた。(私の意見)
・今の政治家:世襲が多く苦労が足りない、ひ弱で脆い(賛成)
・麻生さん:明るくて物をはっきり言う人、自分の信念を持つ一方漫画好きと言う一面を持っているのも良い、これに何かあれば直言してくれる怖い後ろ楯の政治家または学者がいれば鬼に金棒だ。(賛成)
・小沢さん:政治家として大成した人だ、話せば判る人、政権を取れば大連立の線が生れるかもしれない。(中曽根さんは連立の推進論者だそうだ。私は部分連立ならとにかく大連立は反対。話せば判る小沢さんが大連立の話の時以外、福田さんの「話し合い路線」に対して、依怙地なまでに一切の話合いを拒否したことには触れなかった。)
・内閣が出来たら直ぐに解散するのが筋だが、現状を考えると新内閣の政策が浸透させる為には国会で論戦を交わす方が良い、そのためには1年位は必要かも知れない。(賛成)

[立候補者の経済政策]
 今回の総裁選には麻生さんを含めて4人の人達が立候補するそうだ。
 その4人の人達とそれを推す人達に言いたい事がある。
 その一つは民主党のマニフェストでは実質的に殆ど触れれていない経済政策だ。
 自民党は政権与党らしく経済政策を争点の中心にしているのは良い事だ。
 報道されるその争点の違いは
・麻生太郎さん:赤字国債発行も辞さない積極財政派、「財政再建よりも優先すべきは景気対策」、「プライマリーバランスを2011年度に黒字化する政府目標の先送りも選択肢の一つ」、消費税10%アップも必要と公言
・与謝野馨さん:財政規律重視、消費税10%アップも必要と公言
・(中川秀直さんの推す)小池百合子さん?
 中川さんは、経済成長を重視する「上げ潮派」、構造改革の推進と歳出削減を唱え、赤字国債の発行にも反対。
・石原伸晃さん:中川さんと同じ路線

[経済政策論争について]
 経済政策についての今までの政治家や学者の主張の傾向は、自分に主張に不利なことは意識して避けることだ。
 その一つは今の経済の状況が急変し、その処理が極端に難しくなっていることだ。
・麻生さんは赤字国債を発行してでも、経済を振興させると言うが、以下のような問題点がある。
 a.小泉さん以来の緊縮財政でも先進国で唯一日本だけが、債務残高が異常に大きくしかも増大し続け、それが今の政府が経済発展のために投資をしたくても出来なくさせている。
b.少々の投資をしても、今の状況ではその効果は知れていること
c.箱もの(道路を含む)が飽和状態になり始めているのに併せて縮小しなければならない土木建築業界の合理化を政府の公共投資が遅らせていること

・中川さんの言う小泉路線を継承と、経済成長重視の問題点
a.今は小泉政策の影の部分の問題、医療制度、社会格差の発生→世情の不安定など、小泉路線の影の部分の綻びについての対策に政府が追われており、今は小泉路線の継承でなく見直しの時期と国民が皆が思っている
b.経済成長と言ってもその具体策は今の厳しい状況では実効性のある対策は殆ど
ない、例えば石油、食糧、飼料の価格高騰による富の流出、高い原料を買って安い製品を売る輸出政策の行き詰まり、その対策としての国内消費の増加と言っても少子高齢化の進展、非正規社員の増加→国内の平均収入の減少→消費の減少など。

 詰まり、今の厳しい経済環境の中では、どのような経済政策にも大きな問題が含んでいるのだ。
 それで自分たちの主張の問題点を隠して相手の主張の欠点を指摘するなど不毛かつ無益な論争は、衆院選になれば野党の攻撃の的なるだけだ。
 もし経済問題を論争するのなら、全く新しい観点から前向きの具体的なしかも野党の攻撃に耐えるような提案をするべきだ。

[総裁選に関する私の意見]
各候補者の意見の共通点
 経済問題を除けば、各候補者やそれを推す派閥の主張にも共通点が多いと思う。
 海上給油、公務員改革、官庁や国会の合理化(特に国会の定数の削減は是非提案して貰いたい)、年金、医療制度の見直し、それに対する消費税増税を含む財源の確保などなど。
 ただそれにどのような優先順位をつけるかが論争の争点になるだろう。
 強いて各候補者の考えの違いを言えば、対米国、中国、韓国などへの対応について異論の別れる所だと思うが、そのようなことを公の場で論争するなど馬鹿なことをする人はいないと思う。
 前回かその前の総裁選と言う政治の場で「靖国神社の参拝をしない」と言う宗教に関する公約にした人がいたが、今度の総裁選でそんな公約をする人が出ないと信じている。

総裁選から国会審議までの戦略
 それで総裁選は是非前向きな新しい提案を出して論議して貰いたいものだ。
 それが一部の人が言うように総裁選を盛り上げ、マスコミの注目を集めることになるだろう。
 そして民主党がその総裁選の議論に対応して、今までの人気取りのマニフェストを見直してより現実的なものに直してくれるとすれば、日本に取っても良い事だ。

 然し中曽根さんが指摘したように、自民党内で言われている、「総裁選で盛り上げ、新内閣で支持率を挙げた所で一気に解散」などは考えずに、国会の論戦で自民党の政策を国民に良く知って貰った上で、総選挙に突入すべきだ。

マスコミ、特に選挙中のテレビの影響力
 何故なら、前にも書いたが、小泉、安倍選挙でのマスコミ、特にテレビの果たした役割を見れば判るように、選挙では自民党は野党だけなく、既に反自民の姿勢を明らかにしている朝日新聞とその系列のテレビとそれ引きずられた他のテレビ、場合によれば民主党始め野党のキャンペーンより遥かに大きな影響力を持つテレビを相手にして戦わなくてはならないからだ。
 そしてテレビは各党の政策の良否など討論番組を除いては伝えてくれないのだ。
  参照:福田さん辞任のマスコミ報道
[与党に不利な選挙中の報道]

国会での議論を通じての自民党の政策浸透
 国会論戦を通じて自民党の政策を浸透させるためには、新総裁は自分の意見をはっきり言う事、自民党としては「戦う自民党」に変身して今までの防御一本槍から野党、特に民主党やそのマニフェストの攻撃に転じることだ。
 そうすれば国会の審議が面白くなり、マスコミも飛びついてくれ、自民・民主の政策を自然と放送してくれることになるだろう。
 唯一の私の提案の問題点は、国会論議を通じて折角組閣で上がった内閣や自民党の支持率が落ちる可能性があることだ。
 その時は自民党の政策が国民に受け入れないここと、選んだ新総裁が国民に受け入れられなかっことを反省すべきだ。
 それだけに総裁選と、自民党の政策決定には一層の緊張感を持って当たって貰いたいものだ。
 党内外の一部の人達の言う様にお祭騒ぎどころではないと思うのだが。

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参照: 
  
その場凌ぎの政治から脱却しよう
   話し合い路線から戦う自民党へ


裁判員制度反対

2008-09-04 11:25:08 | 政策、社会情勢

[「相棒」が取り上げた裁判員制度]
 先日、テレビ朝日系の地方局で「相棒」シリーズの「複眼の法廷」の再放送を見た。
 水谷豊さん扮する杉下右京と寺脇康文さん扮する亀山薫が、始めて施行された裁判員制度で裁判員の警護に関わる間、発生した裁判員の不審死、審議中の殺人事件の真犯人を発見するという話だ。
 その話の中では素人眼で見ても、裁判官と裁判員の会議の中で右京が口を出し、最後には担当の裁判長が警察のトップとやり合うなどおかしな点もあったが、全体としては示唆に富んだ作品に仕上がっていた。

 これに関してエントリーする前に念のため、相棒・裁判員制度で検索してみると、533,000 件もヒットしたのには驚いた。
 詰まり国民は如何に裁判員制度に大きな関心を持っているかを示すものだ。
 その中で本職の弁護士さんが専門的な立場で書かれた弁護士のため息: 相棒「複眼の法廷」を見て
内容の詳細な説明と批評をされているのでご興味のある方は一覧することをお勧めする。
 そして私もその中の一部を引用させて頂くことにした。(青字
・警察官の殺人事件が起こる。犯人は最初は否定していたが、遂に自白。その供述により殺人に使われた拳銃が供述した場所が発見されたのが決め手となった。
 素人でも判るような犯罪の事実が明らかな事件として、最初の裁判員制度の実施でその殺人事件が取り上げられた。
・公判で裁判員の一人が不審死をしたため、裁判員は怖がって全員裁判員を辞退し、全員入れ換えになり、右京と亀山が警護に当たる。
・例え一人でも死刑にすべきだというA裁判員にたいしてB裁判官は
「裁判は被害者遺族の復讐の場ではない。」とたしなめる
 被告人の報復が怖い」という裁判員、警備がついているという裁判官に「裁判が終わっても護ってくれるのか」と詰め寄る裁判員
・評議の内容が裁判員から漏れる。
  ホテルに缶詰にされた裁判員たちは(洩れた内容を報道する)テレビを見ながら、「厳しい量刑を求めるマスコミ報道に、このまま(マニュアル通りの)懲役18年にしたら袋だたきにあいそう。」と心配する裁判員ら。亀山は「皆さんが裁判員だったことは秘密にされるはずですから。」と諭すが、「そんなこと言ったって、法廷で顔を見られているしね。」と心配する裁判員。
・量刑の評議になって「死刑、死刑」と繰り返すA裁判員にあなたは簡単に死刑という言葉を口にします。しかし、あなたは被告人に死刑を言い渡す裁判官の苦さを知らない。裁判官はその苦さを一生背負い生きていかなければなりません。それが裁判官の責任だからです。その覚悟があって死刑と言っていいたいのですか。と言うB裁判官。
・亀山が「後のことを考えて死刑を下す裁判員がいなくなるんじゃないですかね。」と言うと、B裁判官が「それなら裁判員などすべきではない。」「人を裁くなら覚悟すべきです。事件関係者からどれほど恨まれようと、たとえ悪夢にうなされようとも。裁判官はそんな夜との闘いです。」と答える。
・A裁判員は不審死を遂げた前の裁判員の元部下と判り外され、残りの人達で裁判が続けられてる。
・右京と亀山の活躍でこの事件の犯人は別にいることが判り、被告は完全に無実となって、この裁判は完全に振り出しに戻る。
・右京とB裁判官の会話
 B裁判官「今まではプロの裁判官が長時間かけて膨大な資料を読み解き、判決を下していても冤罪がでることがある」「それをこれからは素人が短期間でやろうとしている。
右京:「現実に死刑被告人の再審無罪は何度かありますね。」
B裁判官「それが何十年も刑務所に入れた後に、いや、刑を執行した後に分かったら、あなたは責任が取れますか。」
右京:「一方、一般の方の感情を無視してきたからこそ、裁判員制度が導入されることになったのだと思いますが。」

裁判員制度についての著者の意見:
 国民のあいだから、「刑事裁判に国民を参加させるべきだ」という声が挙がったために、裁判員制度が議論され、採用されたのではないのである。 (詳細は注記の「裁判員制度制定の経緯」参照)

[私の意見]
 私は「「刑事裁判に国民を参加させるべきだ」との国民の意見から裁判員制度が採用されたのではない」と言う著者の意見に全く賛成だ。
 然し私の意見は注記にあるような内閣直属の審議会である司法制度改革審議会に同問題を掛ける前の経緯に基本的な問題があると思っている。
 私は裁判員制度と後期高齢者医療制度

 
裁判員制度の目的は、国民の司法参加により市民が持つ日常感覚や常識といったものを裁判に反映するとともに、司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上を図ることが目的とされている。(Wikipediaより)
 しかし、その制度を推進した人達の目的は明らかの違う。
 死刑制度に反対する公明党の同制度の提唱
を、与党を組む自民党が受け入れ、有名な安田好弘弁護士などを中心とする死刑廃止論を唱える弁護士会が協力してあれよあれよと言う間に決まったものだ。
 (先の「相棒」シリーズを紹介した弁護士さんは導入に反対の立場のようだ。)
 その彼ら目的はその制度の
・対象事件は、死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に関する事件
・裁判員は量刑(被告人に下すべき宣告刑を決定する作業)にも参加する
を見れば明らかだと書いた。

 司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上を図るために、何故良く誤判として問題になる、そして素人でもある程度の常識でも判断出来る民事でなくて、刑事事件にしなければならないのか。
 しかも死刑又は無期の懲役・禁錮に相当する事件でなくてはならないのか。
 そして「相棒」で指摘されたように、何故ズブの素人に耐えられぬほどの非常に大きな深刻なストレスを受けさせねばならないのか。
 詰まり裁判員が犯罪者にたいして死刑を課する事に伴うストレスを感じさせることで、結果的には死刑の減少、撲滅を図りたいのが同制度の本音だ。

 これでいくら最高裁判所が同制度の周知に躍起になってもなかなか国民に浸透しないのは当然だ。
 「呑まされた屁理屈のどを通らない」のだ。
 いくら良いことを言われても、それが本当に納得できないときは、消化されないままになっているのが今の実情だ。

[後期高齢者制度の二の舞をするな]
 前にも書いた様に、「相棒」・「裁判員制度」で検索してみると、533,000 件もヒットしたのは如何に意識の高い国民の同制度に対する関心の高いか、そとに出ないのはまだそれはネット内に止まっていることを示している。
 そして、実施直前になってその制度の問題点に気づいた国民の反発が出てきそうな気配だ。
 政府や政治家は後期高齢者医療制度のように、施行後に慌てて根本的な手直しをしなくても良い様に今の内から手直しをすべきと思うが、今はそれ所ではないだろう。
 そしてまた後期高齢者医療制度の二の舞を踏むのだろう。
 これが日本の政治の現実として諦めるしかないのだろうか。

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*注記:裁判員制度制定の経緯
内閣直属の審議会である司法制度改革審議会という組織の中で、「司法への国民参加」というテーマのもと、何ら現行の刑事裁判の問題点とその対策を議論することなく、陪審制を導入すればわが国の刑事裁判はよくなるはずだという強い思い込みのある陪審制導入論者と、英米の陪審制には誤判が多いから危険だと主張する反対論者との妥協の産物として生まれたのが裁判員制度である。


福田さん辞任のマスコミ報道

2008-09-03 11:36:20 | 福田内閣

[一方的な福田さん自民党批判報道]
 福田さんの突然に辞任についてのマスコミ報道は福田さんと自民党への批判ばかりだ。
 喧嘩に負けて、家に帰った子供が親に相手のことについて泣き言を言う様な、一国の首相に批判が集まるのは当然だ。
 然し公平を旨とすると自身も言い、そして日本の世論形成に大きな力を持つマスコミがそれだけで済ませて良いのだろうか。

 「喧嘩両成敗」と言う言葉がある。
 喧嘩には負けたほうにも勝った方にも、双方に何らかの問題点があるものだ。
 福田さんの「話し合い路線」を飽くまでも突っぱねた小沢さんには全く非は無いのだろうか。
 世論調査では小沢さんのやり方に批判が集まり、党内からも多くの批判が出ているのに、昨日のテレビの論議には民主党の問題点は全くと言って良い程出なかった
 喧嘩の最中に福田さんの足を後ろから引っ張った、味方であるはずの公明党に何の落ち度も無いのだろうか。

 私は昨日のブログで自民党は今までの「話し合い路線」から転換して、「戦う自民党」になって欲しい事、そして自民、民主の論争もないまま、いきなり選挙戦に突入し、最近の小泉、安倍さんの選挙の時のようにマスコミのキャンペーンに乗る愚だけは避けるべきだ。と書いたが昨日のマスコミの福田さん批判ばかりの報道を見て、マスコミ特にテレビの選挙中の報道に就いてより具体的に書いてみようと思った。

[与党に不利な選挙中の報道]
 ・今までの選挙中の報道

  小泉さんの郵政選挙のときは彼の方針に反対する自民党議員の追放に加えて刺客派遣と言う奇手に乗せられて、選挙中と言うのにマスコミ特にテレビは民主党を抵抗勢力と盛んに攻撃していた小泉さんや刺客の後を追い回した。
 テレビは「純ちゃん」と呼びながら熱狂的に手を振る小母さんたちを写した。
 結果は小泉さんの大勝に終わったが、これにマスコミが手を貸したのは間違いのない事実だ。(*注1)

 小泉さんの後を受けた安倍さんは衆議院の議席3分の2を占めた勢いで、強引に多くの法案を成立させた。
 しかし安倍さんは多数の議席に安住したとは思わないが防御の姿勢を忘れていた。
 政治と金の問題で、問題閣僚を庇ったことだ。
 それと安倍さんにとって不幸だったのは、慰安婦模擬裁判の報道の関与の件で、朝日新聞を敵に回したことだ。(*注2)

 小泉さんの戦略に乗せられて意図的またはそれと知らずに選挙中に自民党中心の報道をして、圧倒的に勝利を納めさせたテレビはその自らの影響の大きさを知った。(今朝のテレビ朝日でも鳥越さんがこのことを反省していた。)
 それで参院戦のときは(テレ朝の場合は多分)意図的または小泉選挙の反省もなく、選挙中と言うのに赤城さんの絆創膏問題を「政治の金」に搦めて執拗に報道した
 これがボディブローのように選挙結果に効いてきたのは間違いないと思う。
 それに対して安倍さんは如何に多くの法案を成立させたかと誇示していたが、テレビはそれを彼の独裁的手法と思わせるような報道をした。
 結果は安倍さんの記録的な大敗に終わった。(*注3)

・次期衆院選中の報道
 これから次回の衆院選の最中に、テレビがどのような選挙関係の報道をするか、ほぼ容易に想像できる。
・新内閣の閣僚の中で、もし「政治と金」の問題が出れば必ず取り上げる。
・任期半ばで職を辞した安倍さん、福田さんの辞任会見の画面を何度も何度も放映。
・選挙の争点として、年金、後期高齢者医療制度、官僚の天下り、アフガンの海上給油、物価上昇などの状況やそれに対する庶民の意見などなどを繰り返し繰り返し。
・それに対する野党の政府に対する攻撃の詳細な報道、一方では政府が取った対策は多分触れないか簡単に触れるだけ。
・そして政権を取る可能性の高い民主党のその問題への次のような対応は殆ど放映されないだろう。
 アフガン給油の場合:反対が対案と言う→実行不可能な具体案提出
 後期高齢者医療制度:反対が対案と言う→その以後の具体的に提案はなし
 これこそ民主党が政権を担うにたりる責任政党であるか否かの格好の判断材料となるのだが。

 それ以上に問題なのはテレビでは自民党は勿論、次期政権を取るかも知れない民主党の公約・マニフェストの問題点は余程意識の高い人しか見ない討論番組で議論されても一般のニュースでは殆ど出ず、放送効果の大きい上記のようなセンセーショナルな報道が中心になるのは間違いない。

・ニュース・ソースをテレビに頼る人の増加
 私の息子は新聞を取っていない。その情報源は勤務先の新聞かテレビだ。
 私の家内の情報源は主にテレビ、然し感心にテレビのニュースは必ず見ている。
 日本全体で見ても私の家族と同じにニュース・ソースはテレビだけに頼っている人が多くいると思う。
 選挙をするのは国民の義務だから、新聞は勿論のことテレビでもニュースを余り見ない人達や「浮動票」と呼ばれる人達も選挙直前や選挙中にはテレビを見るだろう。
 そして彼らが上記の様なテレビを見たらどのように反応するかは、小泉・安倍選挙の結果を見れば自民党が不利の立場になるのは明らかだ。
 もっとはっきり言えば、テレビのお蔭で次回の選挙では自民党が大敗する可能性もないとは言えない
 テレビの報道で大きく政局が振れるのは浮動票だ、最終的には国民の責任だ非難しても仕方がない。
 テレビに対して政治家が、日本人が政党や政治家を公平に判断して貰うために、選挙中は公平な放送をしろと言うわけにはいかない。
 そのいずれも現実として認めるしかない。
 テレビなどでは自民党は組閣後直ぐに解散して、選挙中の議論を通じて国民の真意を問えと言う意見が多いが、上記のような偏った報道をしがちなテレビの実情と、多くの人達が判断材料としてテレビの報道に頼る実情を無視した言い方だ。

[自民党のこれから]
 以上のことを考えると、対策は自民党は昨日も書いたように「話し合い路線」から「戦う自民党」に大きく方向変換するしかない。
 選挙の顔を立てていくら支持率を稼いで、いきなり選挙戦に突入してもテレビが大きく立ちはだかる
 今やテレビは「浮動票」と言われる人達を動かす大きな力をもっているのだから。

 私は話し合い路線を通すために、思ったことを言えないより、思ったことをずばずば言う(失言は困るが)人を国民は期待していると思う。
 選挙になったら小泉さんの様な奇策が無い限り、与党の意見はテレビの報道から消えてしまう実情を良く知って党の方向を誤らせないことだ。

 新内閣は組閣後の国会で今までの防御一本槍から攻撃に転ずるべきだ
 民主党の誰が見ても不完全なマニフェストの問題点を追求すべきだ。
 その議論を通して内閣の本当の支持率を挙げて選挙選に突入すべきだ。
 そのために重要な討議に必要な会期は充分に確保すべきだ。
 その間の討論で内閣の支持率が落ちる様なら新総裁を選んだ自民党が悪いと諦めるしかないと思う。

 そして最後にもう一つ、強大な力を持つマスコミのために、如何にあがいても負けることもあるかも知れない事、その場合の対策もしっかり考えて置く事だ

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*注1:民主党敗因について
 小泉さんたちの攻撃に対して岡田さんは明後日を向いたような政策羅列の演説をしていたのを見て、地もとの民主党候補に、小泉さんの反対者を追放するような独裁者的手法を攻撃しろ、そうすれば小泉さんが熱弁を振るうほど、聴衆は彼とヒットラーの姿をダブラせるだろうと投書したが勿論無視された。

*注2:慰安婦模擬裁判の報道の関与の報道は、明らかに朝日側は非があったのだが、この件を裁判に持ち込むと言って、コメントを拒否したまま頬被りし、遂に裁判に持ちむこともせいずにうやむやにしてしまった。

*注3:安倍さんの敗因について
 安倍さんはお友達内閣の裸の王様状態で、小泉改革の影の部分である、地方の疲弊を見落とし、そこを小沢さんに上手く突かれたのも敗戦の一因だ。
 私は何度も安倍内閣に小泉路線の継承でなくて、見直しか脱却にすべきこと、小泉さんの冷酷さを見習って問題閣僚を切る事、裸の王様にならないように党内の連携を取り、地方からの情報収集・解析機関の設置を投書したのだが。


話し合い路線から戦う自民党へ

2008-09-02 10:19:57 | 福田内閣

 福田さんが辞任した。
 それも29日に、物価高や景気低迷などの先行き不安の解消を目指す総合経済対策、「安心実現のための緊急総合対策」を発表した直後だ。
 これは安倍さんが国会で所信表明演説を行った直後の辞任と重なって、世論の批判を浴びる一因となっている。
 私事だが、私も31日に政府の総合対策について私の考えを書いたばかりで、このように事態になるとは思いもよらなかった。
 当然のように、各社の社説は福田さんの批判をしており、そのいずれもなるほどと思うことばかりだが、今更「過去のことを言っても仕方がない、それよりその先のことを考えよう」と言うのが私の基本的な考え方だ。

 それで福田さん辞任に関して各社のこの先に対する提言を挙げて見る。、
 読売オープンな総裁選を、自公連携の再構築
 朝日早期解散による政権の正統性回復
 毎日早期解散・総選挙(と社説の殆どを福田批判に費やし僅か一行だけ触れている)
 日経次期首相は早期解散を、小沢氏は政策を語れ
 産経小沢代表は国を語れ(自民の今後については全く触れず)
と何だか各社の特色を表したような社説が並んでいる。

[福田さん辞意表明に対する各党の動きと今後の政局]
・民主党
:福田さん辞任で政権奪回に向けて勢いづく、唯一の懸念は次に誰が自民党総裁になるかだが、いずれにしても民主党優位の可能性は揺るがないだろう。
 それと余談だが、自民・公明の間がぎくしゃくしている今、民主が公明党元幹事長の矢野さんの証人喚問をするか(公明との対決)否か(公明取り込み)に注目すべきだ。
・公明党:福田さん辞任で完全に悪役に廻り、党の衰退の道は続くだろう。
 然し海上給油の再可決反対、悪評の高い定額税率などのばら蒔き政策、国会解散時期の主張は今更引っ込められない。
 これに関する自民党への攻勢を強めるか弱めるかが党の今後を決める一つの要因になるだろう。
・共産党、社民党:その言う事は決まっているし、民主党の今後の方針にもよるが、政局の大勢には殆ど影響はないので省略

・これからの政局
 次回の衆議院選はその結果により今後の政局に大きな影響を与えて来るだろう。
 自民・公明圧勝:可能性は少ないが、仮に圧勝したとしても小泉選挙のように自民、公明を併せても前回のような3分の2の議席数を得る可能性は殆どゼロだろう。
 然し民主党の小沢さんの立場が弱くなり、「直近の民意」などと言うごり押しもできなくなるので、国会正常化に繋がるかも知れない。
 そしてもし小沢さんがそれでも態度を変えないときは、同党の離反者が増え国会の運営がある程度スムーズになるかも知れない。
 自民・公明僅差で勝利:可能性はかなり高いが、民主党の態度が変わらない限り、今のねじれ国会の状況が更に悪化する可能性が高い。
 野党が勝利:可能性はかなり高く、民主党が政権に着く事になり、国会運営は正常化してくる。
 
[自民党の今後のあり方]
・オープンな総裁選
 読売の言うオープンな総裁選を行うことは賛成だ。
 いくら自民党でも今更しないと思うが、福田さん選出のときの様に各派閥が談合したり黒幕の影が出てきたら、いくら新内閣が出来ても支持率の低下の要因になるのは間違いない。
 総裁選は出来るだけ大袈裟にやりマスコミの注目を引くこと。
 それを見ている民主党も政策はうやむで無投票で小沢さんがきまるなどでは済まなくなり、日経や産経の言う様に小沢さんも国民の注目を引くような政策を発表せざるを得なくなる。
 これは日本に取っても良い事だ。
 総裁選のときは、前回の麻生さんに対するデマや、オバマ・クリントンのように候補者同志の中傷合戦は止め完全な政策論争をすること。
 こんなことをすれば、誰が代表になっても小沢民主党との戦いに悪影響は眼に見えている。
 そして誰が総裁になっても、挙党一致の内閣とそれを支える自民党組織を作り心を一つにして民主党の戦いにのぞむこと。
 福田さんを選んだ後でなんとか自分の思う通りにしようとする道路族などのやり方(それが福田さん支持率の下落の一因だ)は今のような自民党の危機的な状態では通用しないことを知るべきだ。
 問題は自民党の幹部連中が今にもなって何をやっても何を言っても政権が転がり混んできた自民にとっての古き良き時代が変わったことを知るか否かだ

・戦う自民党へ
 今までの福田さんは倒閣一本槍の小沢民主党に対して、話し合い路線を取ってきた。
 それで福田さんも言いたい事は言えず、ひたすら低姿勢を続けてきた。
 国民はそのために福田さんが何を考えているのか、彼が国や国民をどのように導こうとしてくれるのか判らなかったのが、彼への支持率の低下の最大原因だと思う。
 それで次の総裁→首相は自分の意見をはっきり言える人を選ぶべきだ。
 そして小泉さんのように野党の攻撃に対して堂々反撃すべきだ。
 幸か不幸か民主党のマニフェストは欠陥だらけで攻撃の余地はいくらもある。
 国会は今までの野党攻撃と政府の防御が一転して活気に溢れた国会となり、それをマスコミが見逃す筈はない。
 今までの煮え切らぬ福田さんにストレスがたまった自民支持また民主反対の立場の国民の戦う新内閣の評価が上がり次期首相の支持率の上昇は間違いないと思う。

・筋の通った政策の立案
 その為には、しっかりした信念と論理が一貫したすっきりした政策を持つべきだ。
 例えば党内外での反対の多い定額減税政策など直ぐやめることだ。
 その政策をそののまま続け、野党からその問題を追求されて、自分の心にもない言い訳をして世論の支持を落とすなど止めるべきだ。
 それで公明党が文句言うなら、同党の関係を見直すまでの決意が必要だと思う。
 公明党の反対で海上給油の再可決が出来なければ民主、公明が悪いとして諦めることだ。
 いずれにしても衆院選後は与党が3分の2の席を占められない可能性は非常に高いのだから、これも早いか遅いかの問題だ。
  その為には矢野さんの参考人招致を恐れる公明党、今の勢いそのままで選挙に持ち込みたい民主党の言う様に、新内閣成立後いきなり解散でなくて、国会で激しい論戦を交わして、国民がそのいずれかが支持出来るが判った上で解散に持ち込むべきだ。
   自民、民主の論争もないまま、いきなり選挙戦に突入し、最近の小泉、安倍さんの選挙の時のようにマスコミの意図的なキャンペーンに乗る愚だけは避けるべきだ。

 前に書いた様に自民が圧勝すれば良し、かりに衆院選で敗けて下野しても政権を取った後の民主党のやり方と自民党の公約を比較しながら、民主政府を攻撃できる。
 私は国の立場から言って仮に民主が政権を取った後、民主の公約に対する野党に廻った自民党の攻撃で多くのことを学ぶのは日本のためにも良い事だと思う。
 自民党は衆院戦の必勝を期するのは勿論だか、かりに敗戦→下野しても直ぐに政権を奪回できるような体制と政策を考える必要があると思う。

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