普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

河村たかし・大村秀章両氏の大勝と地方分権他

2011-02-08 14:57:24 | 地方分権と再生

 名古屋市長選で河村さん、愛知県知事選で大村さんが民主党候補に大差をつけて大勝しました。
[民主党大敗の本当の原因]
 民主党候補が自民党候補からさへ負けたことを取り上げて、主として党内野党的存在の鳩山・小沢グループの人達が現執行部の責任を追求しています。
 然し一般の民主党や同政権への見方は、
・鳩山さんの普天間基地処理の大チョンボ現実無視、財源に就いて余りにも甘すぎる予測に基づくばら蒔き政策、小沢さんが幹事長の時に見せた党利優先の自民党苛めの政治姿勢、それと鳩山さんと小沢さんの「政治と金」に就いての道義的責任を取らないやり方、など鳩山・小沢時代から民主党を見放し始めた のが一番大きな原因です。 (なお小沢さんの問題は、或いは法廷闘争に勝つかも知れませんが、そして小沢さんが正義を貫いたと言うかも知れませんが、国民が一番に気にしているのは小沢さんを巡るおかしな金の流れです。) (*参照))
・管政権になっての失敗は尖閣諸島の対応の誤りと、菅さんの軽率な突然の消費税増税とTPP加盟の発言だけです。消費税増税に就いては自民党は公約にそのことを上げていいたことを考えると、民主党の敗因に上げるには余りにも小さ過ぎます。
 鳩山・小沢グループもこんなことが判っていて言っているのだと思いますが、もし菅さんの体制に総て責任があると本当に思って要るのなら、民主党の将来は無いと思います。

[河村さんの政治姿勢への批判と先送りの日本の政治]
 今回の河村さん大勝に対して読売新聞はトリプル投票 危うさ伴う愛知の劇場型政治
と言う社説で、
・名古屋市議会の出直し選挙は来月行われる。河村氏は、自らが代表を務める地域政党から多数の候補を擁立し、定数75の過半数を占めることを目指すという。
・市議会には本来、市長と一定の緊張関係を保ちつつ、建設的な議論を通じて、市政の一翼を担う責任がある。各候補はその自覚を持って選挙に臨むとともに、有権者も、候補の資質と政策を慎重に見極めてもらいたい。
と市議会が翼賛議会になることを危惧しています。 (橋下さんも同じ手法を取っています。)
 評論家としてテレビでの露出度の高い三宅久之さんは、「民主主義とは時間が掛かるものだ、それで間に合わぬからと言って無理をしてはいけない」と言っています。
 河村さんの市民税減税に就いては議論の別れる所ですが、彼は自身の報酬を半減、市の職員の給与を10%カット、外郭団体への発注は総て競争入札などの施策をしたそうです。
 最後の障壁は政務調査費を除く議員の報酬を半額にするために、今回の市議会解散でも圧勝し、「自らが代表を務める地域政党から多数の候補を擁立し、定数75の過半数を占める」ことを目指しているそうです。
 読売の批判は判りますが、読売は河村さんの手法以外の方法で、議員報酬半減という正しい政策を如何に進めるかについて書いていません。
 また三宅さんの民主主義も手間がかかるかと言うのも判りますが、日本の政治の歴史を見ても、凡庸な首相では政治が殆ど動かないことが判ります。
  日本独立の吉田、経済政策の池田、国鉄民営化の中曽根、消費税の橋本、規制緩和の小泉の各首相で、その良し悪しは別として日本が少しづつ変わってきました。
 然し日本の政治を大雑把に眺めますと、憲法改正、膨大な国債、消費税増税、安全保障、少子高齢化、衰退の続く農村問題など面倒で票にならぬことは総て先送り、そして その場凌ぎの政治が続いており、そして上記の問題の幾つかはそろそろ緊急に処理しなければならいことに成り掛かっています。
 河村さんの手法は読売の言うように危ういところもあるかも知れませんが、他に名案がない以上、日本の政治の先送り、そのば凌ぎの政治手法を破るために、ポピュリリズムなどの批判にめげず思い切ってやるしかないと思います。
 そして河村さんや橋下さんが先頭に立って頑張って貰い彼らや石原さんが言うように、地方からの日本の政治改革の先駆者になって欲しいと思います。

[地方分権が万能薬か]
 河村さんが取り組んでいる改革の当面の目標は市議会の改革ですが、河村さんがテレ朝の「スーパーモーニング」の玉川さんを始めあれだけの、マスコミや市民の支援を受けていても中々進みません。
  まして大半の地方自治体の改革は殆ど進んでいません。
 その理由は
・都道府県、市町村などの首長や同議会議員の活動が東京都、大阪府、宮崎県、名古屋市など全国的にしられた人や、阿久根市長など余程変わった人が首長にならない限り、全国は勿論、地域内でも殆ど知られてないため、不合理なことやおかしなことが起こってもそのまま処理されやすいこと。
・都道府県、市町村の議員を選ぶ判断基準が首長や国会議員のそれと違って、人物難のため、知り合いやお世話になっている人を選ぶなど低レベルのものに成りやすこと。
・地方自治体の首長も必ずしもそれに相応しい人柄、識見、リーダーシップを持っているに限らないこと。
・従って前例固守など保守的に政策や運営に成りやすいこと。
 橋下、東国原、河村さんなどが盛んに地方分権を主張し、民主党政権もそれをマニフェストにしていますが、例えば無条件の一括交付金を地方にばら蒔いて、どれだけの地方自治体かが有効活用するでしょうか。
 私はそれを有効に使って地域の発展に繋げるのは僅か、殆どの地域が現状維持、僅かながらも破産状態に地域も出てくるような気がします。 (橋下さんでさえ[地方分権が地方にとって必ずしもばら色のものではない」と言っています。)
 そして国会議員に、出身地域のために一円でも多く交付金を分捕ると言う仕事が増える、そしてその分配に手心を加えることで、自分の勢力を増そうすする小沢さんのようなボスきが現れそうな気がしますがどうでしょう。
 勿論地方分権には大きな利点もあると思いますが、中央官庁は総て悪、地方自治体は総て善と言わんばかりに地方分権を叫ぶ前に、分権に伴う問題点を考える必要があるし、河村さんと名古屋市議会のバトルの原因やその成り行きも参考にする必要があるような気がします。

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参照:藤井と小沢を訣別させた「自由党時代のカネ」 財務相辞任の「深層心理」 
       
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