普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

煮ても焼いても食えない中国との付き合い方

2009-04-25 15:27:22 | 国際社会

  中国政府がまたとんでもないことを言い出しているようです。
ソースコード開示、中国強行…知財流出の恐れ
 中国政府がデジタル家電などの中核情報をメーカーに強制開示させる制度を5月に発足させることが23日、明らかになった。
 日米欧は企業の知的財産が流出する恐れがあるとして制度導入の撤回を強く求めてきたが、中国側の「強行突破」で国際問題に発展する懸念が強まってきた。
 制度は、中国で生産・販売する外国製の情報技術(IT)製品について、製品を制御するソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示をメーカーに強制するものだ。拒否すれば、その製品の現地生産・販売や対中輸出ができなくなる。 (*注記)
 どの先進国も採用していない異例の制度で、非接触ICカードやデジタル複写機、金融機関向けのATMシステムなど、日本企業が得意な製品も幅広く開示対象になる可能性がある。
 中国側は、ソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスの侵入防止などを制度導入の目的に挙げる。しかし、ソースコードが分かればICカードやATMなどの暗号情報を解読するきっかけとなる。企業の損失につながるだけでなく、国家機密の漏洩につながる可能性もあるため日米欧の政府が強く反発。日本の経済界も昨秋、中国側に強い懸念を伝えた。

 これを見て改めて日本がこのような独裁国家に如何にして付き合うべきか私の乏しい経験から考えて見ました。
 私は現役時代二つの独裁政府を持つ国に長期出張した経験があります。
 一つはホメイニ革命以前のイランともう一つはシンガポールです。
 イランの場合は日本人キャンプと工場の往復で仕事関係以外の現地人の人達と付き合うこともありませんでしたので、当時のイランには「サバク」という秘密組織があって、誰とでもうっかり話せないくらいの知識しかありませんが、シンガポールの場合は民間人のアパートに住み、また現地発行の英字新聞(所謂、御用新聞ですが)も見ていたのでかなりのことが判って来ました。

一党独裁の国シンガポール
 シンガポールは社会主義政党の事実上の一党独裁の国ですがその国の中で気付いたことを少し上げて見ます。
シンガポール政府の特徴
・シンガポールは淡路島くらいの面積しかないので、中国以上に政府の人民の管理は色々な意味で徹底している
同国の政府は事実上は中国系の人達が握っている
徹底的な実利主義で社会主義政党なのに、市場主義経済を取り入れて発展している。
政府の思うことは何でもやれる
 反対党の締めつけ、強引な都市開発推進、経済の拡大政策、小学校4年で生徒をエリートコースとその他のコースの振り分けてしまう教育制度
などなど
・それにも関わらず彼らの政府が続いているのは、政府関係者のクリーンなイメージと、経済政策の成功

中国系の人達の特徴
 シンガポールの主流を占める中国系の人々が勤勉かつ優秀なことと、非常な実利主義なこと
 私がシンガポールにいたのは30年も前のことですが、もし中国が同国の政府のやり方を知って、共産主義のしがらみを抜け出したら、日本に取ってとんでもない脅威になると思って居ましたが、小平さんの決断で今のような経済大国になっています。

[中国のこれから]
・煮ても焼いても食えない中国のやり方

 今回の中国のひどいやり方も、政府の徹底的な実利主義から出たもので、今までの経済の中心だった米国が経済がガタガタになった後、一番頼れるのは中国しかないと言う日本始め欧米の輸出国の足元をみて、少しばかり強硬に出ても輸出国が受け入れざるをみないと読んだのだと思います。
 今度の問題だけでなく、北朝鮮の核開発問題やミサイル発射への対応も、日本からみれば北朝鮮が中国政府の意志に反していることをしたのだから、中国の北朝鮮の支援を止めさえすれば一気に解決すると思われるのにそれをしないのは、彼らの実利主義の観点からみれば明らかに別の意図があるような気がします。
 マスコミやネット上では表向きでは中国の意に沿わない北朝鮮への中途半端な態度を取る理由は、
・北朝鮮を利用→アジアのリーダーシップを握る
・北朝鮮の強硬姿勢に対する米国の弱腰→日本の米国への不信感の増大→日米同盟の弱体化→アジアのリーダーシップを握る
など色々言われていますが、勿論、彼らの本音は判りません。

・中国の現在の体制がいつまで続くか
 それとマスコミの一部では、市場主義経済の発展に伴い共産党政府の基盤が緩みいずれは瓦解に繋がるのではないかと言う観測もありますが、私はシンガポールで見てきた政府と中国系の人達の実利主義から見れば、国を揺るがすような大汚職でもない限り、瓦解に繋がる可能性より(下級幹部の汚職や賄賂要求はあっても高級幹部がシンガポールの独裁の成功の一つはそのクリーンなイメージにあると学習している限り、何年続くか判りませんが)、少なくとも十から数十年は永続の可能性の方が高いと思います。
 然しいずれにしても、少なくと安全サイドに見てもその可能性があること、そして今回の様な身勝手な彼ら一流な強引なやり方も今後も続くと思って対処することを考えた方が良いと思います。

・中国と日本の関係
 もう一つの事実は現に中国の市場が日本経済のかなりの分を支えていることです。

[煮ても焼いても食えない中国と付き合い方]
・日本も実利主義、詰まり日本の利益中心で付き合うこと
・反日教育をし、何をするか判らない中国べったりでなく、インド、中東、南米など反日感情の少ない地域との経済交流など多角的な政策の推進
・強引な中国と付き合うための外交力の強化のために、こと日本の利害に関することは、多少の考え方に違いがあっても、国民が一丸となってことに当たること

 特に外交力の強化に就いては中国だけでなく、一般論ですが紛争に武力(実際の行使とそれを背景にした圧力)を使えない日本としては、日本と外国との利害が反するときは、政府の外交へ与野党は勿論マスコミも一致して支援をして貰いたいものです。

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*注記:ソースコード:コンピューター用の言語で書かれたソフトウエアの設計図。企業の重要な知的財産で、ソースコードが流出すれば開発成果を他社に利用される懸念がある。マイクロソフトは基本ソフト「ウィンドウズ」のソースコードを機密情報として扱い、巨額の利益につなげた。 (読売新聞より)


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3 コメント

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Unknown (通りすがり-0)
2009-04-25 23:51:07
正しくおっしゃるとおりですね。大変勉強になります。

ところで、香港のアクション映画スター、ジャッキー・チェンが「中国人はコントロールされることが必要」という発言をして物議をかもしているみたいですが、全体主義文化、アジア文化の特徴を看破して、そんな発言をしているのなのかもしれない、とこの記事を読んで、ふと思いました。

生活がそこそこ成り立てば、よけいなことを一々気にせず、考えず、お上の言うとおり、流れに従って生きればいいですし。シンガポール位小さいと、上手に経営すればうまく機能して人々は幸せなんでしょうね。日本もそれに近いものがありますね。
シンガポールは、今ニート系の日本脱出を考える若い人の目的地でもあるようです。
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中国はパクリの天才! (アンチ・漢民族)
2009-04-26 21:00:54
同感です。
これまでも,Windowsのコピー品(たぶん,ライセンスキーの無能化とか リバースエンジニアリング)していますよね。
トヨタのプリウスのエンジンを北京工科大学でリバースエンジニアリングしたり,エンジンそのものを購入して中国製の車に搭載していたり,逆輸入製品には,すべて made in Chinaにされています。通常なら,desinged in Japan も追加とするのが良識なのですが。 
漢民族のアジア戦略には,強引し過ぎる。

また,日本政府も当てにならない米国頼み一辺倒では,何にも解決できない。
思えば,80年代の日米半導体摩擦では,日本の企業の研究所での検閲(研究ノートの内容開示と信頼性データ・ノウハウを要求された)とのことです。
10年前からジャパンバッシング→ジャパンパッシングが 現実化しましたね。

政府・与党達はこれまで国民に,何をやってきてくれたのかな。
Be Japan bought for US or China in future?
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基本的におっしゃる通りです。 (fuji)
2011-12-04 01:08:02
基本的におっしゃる通りだと思います。

なお、シンガポールに中国系が多いのは、独立当時のマレーシアの状況が絡んでいます。

マレー人としては、中国系が目障りでマレー半島から中国系を駆逐したかったのです。

従い、あんな狭い土地を与えるからそこで中国系は暮らせということになり、しぶしぶ中国系が集まってできた国です独立当時はまともな港さえありませんでした
t(リー クワンユーの日経新聞私の履歴書、他文献より(なお、私もシンガポールには住んだことがあります)

中国:

率直に言いまして、核ミサイルを8発以上も向けている国から、のうのうと援助を受け、ウイグル、チベットなどを不法侵入しているくせに、他人には馬鹿みたいなことを言う国なので、本来ならもう少しインドネシアなどの国を相手にしたほうがましだと思います。
彼らは、これから発展し、人口も多く、近隣諸国のようないんちきをしませんから。

中国は、悪魔の集団です。
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