原発事故で慌てふためく菅さん以下・IAEAの報告・東電の責任・私の経験・政府が言わなくてもやらねばならぬこと・一刻も早く福島第一の事故の直接原因の究明を
福島原発事故独立検証委員会が27日、民間の立場から公表した東京電力福島第一原子力発電所事故に関する報告書に関して、どのテレビも菅首相の指揮の問題点や、政府の危機管理の不十分など政府の責任ばかり追求していました。
・首相官邸の初動対応について、15日に対策統合本部が設置されるまで、菅氏に対する原子力災害時のマニュアルや関連法制について事務的な説明が一度も行われなかった。
・菅氏が「全然俺のところに情報が来ないじゃないか」といら立ちを表明するたびに、関係省庁が大急ぎで説明資料を作成し、報告に上がろうとするが、説明を開始してまもなく、「事務的な長い説明はもういい」と追い出されるパターンの繰り返し。
・ 菅氏は官僚不信を強め、個人的な人脈を頼って携帯電話で外部有識者から情報を収集。官邸スタッフには菅氏とブレーンの携帯電話でのやりとりの内容が明かされず、スタッフの1人は「何の責任も権限もない人たちが、密室の中での決定に関与するのは問題だ」と証言。枝野官房長官も「常に(任命を)やめた方がいいですよと止めていた」と明かしたなどなど。 (読売新聞記事 から引用)
私は前々から今回の福島第一の99%の責任は東電にあると言う立場ですが、今回の菅さん以下の対応は拙いところがいくつもありましたが、テレビが報道するように、何もかも政府の責任ばかりの報道に菅さん以下の人達が少し可哀相になって来ました。
現に引用した読売の記事の最後に、報告書は、東電による原発からの撤退申し出を拒否したことや、東電本店に乗り込んで対策統合本部を設置したことを例に、菅氏の行動力や決断力について、評価もしている。そうです。 (この件について産経の阿比留瑠比さんはそのブログで菅さんの評価については疑問だとしています。)
[IAEAの指摘・一義的には東電の責任]
同じ報告を取り上げたSankei Biz には、東電に対しても、国際原子力機関(IAEA)の原則を引用して「第一義的な責任を負わなければいけない」として追及しており、過酷事故への備えがなく、冷却機能喪失に対応できなかったことを「『人災』の性格を色濃く帯びる。『人災』の本質は東京電力の過酷事故の備えの組織的怠慢にある」と言い切った。
東電が「国と一体となって整備してきた」と釈明し、政府事故調が「極めて不十分だった」とするにとどめた姿勢とは対照的だ。と私の以前からの立場に近い報道をしています。
残念ながら独立検証委員会は東電での調査を東電から拒否された腹いせとも取られる立場ですし、その主張の実証を示す報告が出せませんが私の経験から独立委員会の主張の正しさを説明して見たいと思います。
[IAEAの指摘]
・来日して調査して報告を纏めたIAEAの報告書の最後に次の様に纏めています。
"Nuclear designers and operators should appropriately evaluate and protect against the risks of all natural hazards, and should periodically update those assessments and assessment methodologies," it said.
詰まり原発の設計者とオペレーターはあらゆる自然災害の危険性について適切に評価 しそれを防ぐべきだ、そしてそれらの評価と評価方法は定期的に最新のものにすべきだと彼らは言っています。
女川が高地に立地を選び、外部電源を複数系統持った時、福島第二で非常用電源を防水性の高い原子炉建屋に置いたと言う情報が入ってきた時、東電は政府から何もいわれなくても、福島第一はどのように対応すべきかを考えるべきだったと思います。電力業界は製造業と違って競争でなく協力できる業界ですから、女川だけでなく全国の情報が入って来るし、原発事故の大きさ考えれば、万全を期することができるし、しなければならないのです。 それをしなかった東電の責任は大きいと思います。
[政府が言わなくてもやらねばならぬこと]
・最近私は某石油化学の大型コンプレックスの保全立ち上げの思い出を書かされたことがあります。
会社としては珍しく、米国のライセンスを買い、エンジニアリング会社による完全な米国式の工場群を建てました。
第一期工事の工場群がスタートしたとき、トラブル続出しました。
対策として配管と言う簡単な設備一つを取り上げても、運転の結果判明した、配管へ必要なバルブやフランジの切り込み、配管材の材質の変更、振動する配管の支持の強化、配管洗浄のための枝菅の設置、溶接工の資格基準の作成など数限りなくありました。原発のベント弁のが上手く作動しなかったのが惨事を招いたように、小さい事、現場でしか判らないことが大きな事故に繋がることを示して居ます。 売り込み強化のためなるバルブ一つを節約して経費を削減しようとするライセンサー、エンジニアリング会社と、工場の安定・安全運転を願う運転・保全の立場は全く違うのです。
そしてIAEAではありませんが、技術の進歩にともなう設備のアップデイトは危険物、とくに核などの超危険物を取り扱う工場では不可欠のものです。
そして私どもがやっている設備の改善は、いちいち政府の指示や基準がなくても、やらるぱならぬことはやらるねぱならないのです。
然し言うは安く行うのは難しで、一般企業では利益を出さねばなりません。
私の元いた会社では、より安定・安全な工場建設のために、保全の意見を受け入れ→建設費の増大に終わった責任を問われた将来は会社の幹部と期待されていた建設の責任者は不遇のままに終わりました。
東電の場合は?私は私の見聞した狭い世界からみても、技術の進歩に伴う設備の強化を怠った東電の幹部の責任は逃れられないと思うのですが。
[事故後検証より事故の直接原因の究明を]
そのためにも私が寝言のように言う、原発の維持か即時廃止かを決定するために、何故同じ災害に遇いながら、女川・福島第二が助かったか、福島第一の事故の直接の原因の究明を早くするべきだと思うのですが。
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