普通のおっさんの溜め息

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大飯原発の評価に対する意見聴取会のトラブル

2012-01-19 11:03:26 | 電力、原発

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 最初からのボタンのかけ違いが起こしたトラブル

保安院、大飯原発ストレステスト評価を「妥当
 経済産業省原子力安全・保安院は18日、関西電力の大飯原子力発電所3、4号機について、想定以上の津波や地震に対しても余裕があるとした同社の「ストレステストの1次評価を「妥当」とする審査書の素案をまとめた。
 保安院は同日、専門家の意見聴取会にこの素案を報告したが、当初、反原発を掲げる市民団体のメンバーらが会場に押しかけて混乱。3時間30分遅れで会議が始まったが、出席予定の8人の委員のうち、2人は一般の傍聴が認められなかったことに抗議して参加を拒否、1人は開始が遅れたため出席できず、もう1人も途中退席したため、最後まで残ったのは4人だった。
 枝野経産相は混乱を招いた市民団体の行動に対して臨時の記者会見を2度開き、「到底容認することはできない」と批判した。

 私もこの放送をNHKとテレ朝で見ていました。
・傍聴人が会場に入るか入らないかで守衛と大揉め
・当初は傍聴人の不規則発言があるとのことで、別室でテレビで見るようにしていたのに傍聴人が反発してまた大揉め
・委員の内二名はこの意見聴取会は公開の筈だとして退出
・枝野さんの前記の発言
 後で調べてみますと退席した一人は井野博満東京大名誉教授でした。
 本来なら技術的な難しい問題を審議する会議ですから、静かな雰囲気のなかで行われるのは当然で、傍聴人の(今回の原発事故が直接原因で亡くなった人は一人もいないのに)「私たちの生命に関わっているので」言わせろと言うのは無視しても、東大の教授ともあろう人が傍聴人は別室で見聞きしていても、公開の原則に反するとのは発言は首を捻りました。
彼が言いたかったのは傍聴人にも発言させろと言うことでしょうが、会場の入り口での混乱を見れば会場がどうなるかは判っている筈ですが。
 NHKのアナウンサーも古館さんもこの報道でほ政府の不手際を批判していましたが、私は枝野さんのやり方や発言は間違ってないと思います。
 他の報道によると、国際原子力機関(IAEA)は今月23~31日に来日し、大飯原発3、4号機の結果を例に、日本のストレステストの手法の妥当性を評価する。
 大飯原発が立地する福井県の石塚博英・安全環境部長は保安院の判断について「現時点でコメントできない」とした上で、「福島の原発事故で得られた知見を反映した新たな安全基準を国が示すことが不可欠だ。ストレステストだけでは原発の再稼働の判断材料とすることはできない」と語った。
そうです。
 私は今回の枝野さんの処置は間違いないと思いますが、今朝のツイッターを見ると、反原発派の人達は騒ぎ立てることで、メディアを動かしより世論を反原発に持って行こうとする意味で、今回のトラブルは成功と見て更に動員を掛けていました。
 私は枝野さんを含む政府の最初からの大きなボタンのかけちがいが、原発の順次縮小、そのための耐用年数以後20年の延長、原発とその技術の輸出と言う、正しい方向に進むのに大きな障害となっていると思います。
・福島第一の事故はどの原発でも起こるのか
その一つは今回の福島第一の事故はどの原発でも起こるかと言う問題です。
 結論ははっきりしています。
 同じ震災の状況でも、女川、同じ東電傘下の福島第二は無事停止しました。
 詰まり想定外の同様の大きな震災にあっても事故の起こる確率は33%しかないこと、詰まり事故は防ごうと思えば出来ることです。
 だから何故福島第一だけに事故が起こったかを検証するのを優先すべきでした。
 はっきりしているのは事故の直接原因となった緊急電源装置が第一ではタービン建屋にあるのに第二では防水性の高い原子炉建屋にあること、第一は第二に比べて技術の確立していなかったオンボロ設備であることなどなど。
そして福島県がいうように、「福島の原発事故で得られた知見を反映した新たな安全基準を国が示す」べきです。
 事実は政府の事故検証委員会は、このことは後回しにして未だに事故後の処理の問題の追求をしています。
 その事故後の混乱の報告は原発の事故の一事が万事で、どの原発でも起こらなければなければならない反原発派にとっては好材料です。
 そして報道は原発事故の被害の大きさのその範囲の広さばかり。
 もう一つの問題は大容量、高圧の大型石油化学の保全技術・管理に当たった私の経験からすれば、今回の事故の責任は99%は東電にあると思います。
 なぜなら現場の人達は政府の決めた法律や指導以外のことでも、プラントの安全運転と保全に力を入れているからです。
 何故なら政府の法律や指導は最大公約数であり、それ以上重要な問題はいくつもあり(例えば前記の緊急電源装置の設置場所など)、それを上手く処置しなければ、大きな事故が起こるかも判らないのです。
 つまり現場の担当者は法律や指導は護っても(中には東電のようにそれらが大きな意味はないとして隠蔽するときもあります)それが総てではないと思っているからです。
 それと言うのに民主党政権は(私の勘繰りですが)自民党政府が決めたことだとして安易に福島事故の責任の何割かが政府の責任としてしまいました。
 それが今回のトラブルとなりNHKやテレ朝の政府批判となっています。
 増してマスコミの原子力行政の批判が続くのは当然です。
 前にも書いた事がありますが、原発事故の99%は企業責任となれば、政府は何もしなくても原発事故がそれを持つ電力会社の破産となります。
 だから企業の全力を挙げての事故防止をしますし、それで引き合わなければ黙っていても他の安全な発電設備の模索をする筈です。
 ただ問題は事故の責任は99%企業側にあると立証をするためには、何故福島第一だけに事故が起こったのか、その事故の直接原因は何だったのかの調査を一刻も早く実施すべきだと思います。

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