昨日のあちこちのテレビでは所謂、国策捜査の議論が盛んに行われていました。
そのうち、テレ朝の「サンデー・プロゼクト」とフジテレビの「サキヨミLIVE」を見た印象と私の感想を纏めて見ました。
・元検事の郷原信郎さん:今回の捜査の理由は判るが、果たして犯罪事件として立件できるかどうかは今後の捜査の進展を見なければ判らないと、今回の捜査に問題があると遠回しに指摘していた。
[サンデープロゼクトの印象]
・田中真紀子さんの主張
今回の捜査は国策捜査だ。(*注1参照)
・自民党の平沢勝栄、民主党の細野豪志、公明党の高木陽介、共産党の小池晃の各氏の討論
田原総一郎さんは田中真紀子さんの主張のように、何とか今回の捜査が国策捜査であるともって行きたかった様ですが、その場の流れは、
・政治家は皆身ぎれいであること
・今までは政治資金は出口の方ばかり力を入れてきたが、これからは入り口の方の透明化に力を入れるべき
と言う全くもっともな方向に流れて行きました。
民主党若手の発言と民主党の実際の背離
その中で気付いたのは、田原さんが民主党のマニフェストに「企業からの献金を受け取らない」とあるのに、小沢さんが多額の献金を受けているのは何故かの質問に、民主党の細野さんが民主党としても自戒すべき点が多く反省の言葉を述べ、上記のような提案をしていました。
何時も言う事ですが、目立つのは民主党の若手がテレビではまともなことを言うが、民主党全体としては、政局中心の動きに方向に向かうことです。
悪役を買っている鳩山さん
それにつけても何時も思うのは、贔屓目で見て言うと鳩山さんのそんな役割です。
今回も漆間巌官房副長官の「(西松建設事件は)自民党の方にまで波及する可能性はないと思う」捜査介入とも受け取られかねない発言を捉えて、国会の場で追求すると息巻いて自分の点数を下げていました。(以下*注2参照)
社民党はかっこ良い共産党を真似したら?
それとまた書くのですが、共産党の小池晃の自民・民主の不透明な集金方法の批判は筋が通っていて、また共産党の株を上げたことです。
私は社民党もどうあがいても政権を取れない共産党に習って、民主党にくっついて(多分)票を落とすよりも、独立政党として(現実に即した、浮き世離れしない)、もっと筋の通ったことを言って、国民政党となって貰えれば良いと思うのですが。
もっと政策論争をしろ
この討議の中で私が一番頷いたのは、コメンテーターの財部誠一さんが、今のような日本の重大時期に、政治と金やら国策捜査などを論議するより政策論争にするべきだと言う発言です。
彼の発言は田原さんから「今頃ややこしいことを言うな」と直ぐ止められましたが、財部さんの言う様な日本の置かれている事態と、それから政権交代が或いはあるかも知れない、国民の選択が迫られている今こそ政策論争をマスコミでも大いにすべきだと思うのですが。
[岩手での小沢さんの力]
「サンデーフロゼクト」の他に印象深かったものでは、フジテレビの「サキヨミLIVE」の調査報告は見応えがありました。
西松建設でのインタビュー拒否され、それならと言うので小沢さんの地盤の岩手県での建設業者のインタビューでそれも拒否される、やっと見つけた旧建設業者の話は興味深々な者でした。
小沢グループのあからさまな金集め、それに拒否すれば入札に入れて貰えない、小沢さんが帰郷のときは新幹線の盛岡駅へ建設組合から出迎えの動員がかかる、と言う話は真偽は判りませんが小沢さんの岩手県での力が如何大きいかと言うありそうな話でした。
[マスコミは何故国策捜査と騒ぐのか]
それにしても、平沢勝栄さんが今日もテレ朝で言っていましたが、検察は証拠が無ければ逮捕などしないと言うのは当然です。
民主党も田原さんも、今朝のテレ朝のコメンテーターも「小沢さんの秘書の逮捕で問題になったので、今頃になって自民党にも手を着けてバランスを取ろうとしているのは、国策捜査の証拠だ」と言っています。
常識で考えても、
・西松建設の外国からの違法な金の持ち込みを調べている内に、その使い道として政党への多額の献金問題が発覚
・その中で西松側の言い訳の一つとして、小沢さんの秘書からの多額の献金要求があってこと、そしてそれを目立たないようにするために、前秘書と相談してダミー会社を作ることにしたこと、
・今回逮捕のされた秘書がその流れを引き継いだこと。
・献金の内の700万円の件が今回時効になるために、選挙直前と言う微妙な時期は本来避けたいところを、平沢さんの言う様に、上記の証拠が揃っている小沢さんの秘書逮捕に踏み切ったこと。
・自民党関係に就いては、まだ確たる証拠がないので、関係者の参考人聴取や逮捕などが遅れていること。
などなど私のような普通のおっさんでも判ることを、遥かに情報収集能力がある筈の、民主党も田原さんを含むマスコミも何故黙って国策捜査などばかり言うのでしょう。
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*注1:田中真紀子さんの主張
お父さんの田中角栄さんのロッキード事件を取り上げて、当時のおかしい検察の動きと今回の小沢さんの秘書の逮捕と良く似ていると主張していた。
ロッキード事件は米国側からの情報から始まり、また同国の情報で終わったようなものですから、米国の圧力や同国からの情報のリークの影響が大きいので、国策調査と言われても仕方かないと思います。
然し、小沢さんのケースの場合は全て田中さんの推論に過ぎませんので、国策捜査か否かは今後の展開を見るほかないと思います。
*注2:悪役を買っている鳩山さん
それにつけても何時も思うのは、贔屓目で見て言うと鳩山さんのそんな役割です。
今回も漆間巌官房副長官の「(西松建設事件は)自民党の方にまで波及する可能性はないと思う」捜査介入とも受け取られかねない発言を捉えて、国会の場で追求すると息巻いていました。
読売によれば、漆間氏は「オフレコ懇談」の場で、この発言をした。記者団からさらに、「民主党だけ捜査するとなると、国策捜査だと言われかねないのではないか」と尋ねられると、「国民は、そう思いますかね。(自民党は)金額が違いますから。あの金額で、違法性の認識があったというのは難しいと思う」と語った。
そうで幾ら民主党がいくら国会で追求しても、この程度のことで終わりそうです。
その後の報道によれば、鳩山さんも民主党も反省するところがあるなど発言が変わってきている様ですが、鳩山さんが民主党の為に発言すればする程、鳩山さんが自分で作った民主党代表→首相の道は遠くなるばかりのようです。