学校内のいじめの問題が報道され始めたのは、いつごろか知りませんが、私は昔と違って、いじめの数が異常に増えた事、特に集団によるいじめ、やり方の陰湿ことに気づきました。
その頃のテレビの所謂コメンテーター達は、我々も若い時にもやったものだと言っていたが、その異常性について言う人は殆どいませんでした。
<<戦前のいじめ>>
地域差もあったかも知れないが、私の経験では、戦前の小学校や高等小学校(今の中学校)では、可なりの数の朝鮮の生徒たちや世の中から不当に扱われていた人達の子供もさえいたが、特に問題になるいじめなど殆どなかったと思います。
あったとしてもちょっとしたいたずら程度のもので性質もからっとしたものでした。
<<"教えてgoo"で見たいじめ>>
この投稿をする前に"教えてgoo"で、「いじめ」で検索してみると、なんと8817件も数が検索され、いかにいじめに悩む人が多いのを示していると思いました。
その回答の中から、いじめの理由、その対策、学校での対応を調べて見ました 。いじめの理由の内私が気付いたのは、次のような事です。(数字は複数回答)
<< いじめの原因>>
1.家庭の教育環境の悪化 (4)
例:親が子のいじめに対して鈍感 (1)
子がいじめをして親に文句がきたとき謝ればすむと思っている (1)
2.自己中心的なな生徒 (15)
例:弱いものへ面白がっていじめる (5)
相手が気に食わない (5)
3.自己防衛 (7)
例:自分がいじめの標的になるのを避けるため、弱いものをいじめる (3)
自信がないのでグループを作り、自分より優れた人をいじめる (2)
4.いじめられる側に問題あり (4)
例:グループについてこない(1)
いじめしたほうが弱い立場になった (2)
5.恐喝などの犯罪的な目的 (2)
上の例から考えて見ますと、問題の根幹は、 前回の手紙に書きましたように
1.社会と家庭の教育環境が劣化
(1)世の中全体が優しく、子供に対して甘くなってきた。子供が叱られて物事の善悪を学ぶ機会が減った。
(2)他人に迷惑をかけない、思いやりなどの日本古来の良い伝統から失われ始めた。
(3)躾けなど本来家庭で行うべき仕事をおろそかにする家庭が増えてきた。
(4)個性の尊重と我が儘の区別がつかぬ、自由の限度が判らぬ父兄が増えてきた
(5)自分の権利を主張しても自分の責任や義務を忘れている父兄が増えてきた。
(6)女性の職場進出で家庭で子供を世話する時間が減ってきた。
(7)子供社会が同級生、同年代の間等、極端に小さくなった。
2.生徒の意識の変化
(1)何でも手に入り、自分の思う通りになるのを当然と思い、そうでないときに我慢出来ぬ生徒が増えてきた。
(2)自分の権利を主張しても自分の責任や義務を忘れている生徒が増えてきた。
(3)個性の尊重と我が儘の区別がつかぬ、自由の限度が判らぬ生徒が増えてきた
(4)人間としての本当の意味のプライド持つ人が減ってきた。
<<戦前のいじめの少なかった原因>>
特に今になって、私たちの少年時代の、いじめの少なかった一番大きな理由を考えて見ると次のような事あると思います。
1.弱いものいじめをするのは卑怯だと考えられていた。
特に集団で一人の生徒をいじめをするなど、人間の屑だと思われていた。
2.人から卑怯と思われたくないと言うプライドを小さいながらも皆持っていた。
3.他人へのを思いやり、他人に迷惑をかけないと言う躾けが徹底していた。
以上のことを考えてみますと、問題の根幹が深すぎて、今だに解決出来ないどころか、悪化しているような気がするのは当然のような気がします。
対策としては、地域、家、学校が協力して、特に小学校時代に、徹底した躾け教育を行い、特にに今までおろそかにされて来た、弱いものいじめは卑怯で人間として恥ずかしい事、他人への思いやりと他人への迷惑をかけないことを教え込むしかないと思います。
参照毎週日曜日,July 11,13,20 投稿、