ユーラシア旅行社の情報誌「EYRASIA」3月号は、特集として動物との絆をテーマとして、世界のいくつかの出来事を伝えています。
その内容は、「ヨーロッパに春を告げるコウノトリ」、次いで、「イーペルの猫祭り(ベルギー)」、「ダルメンアンはクロアチア生まれ」、「ラクダたち」と続き最後に「中国の親善大使パンダ」となっています。
このうち、小生は、4月にオランダ・ベルギーを訪れることともあり、イーペルの猫祭りが気になっていました。
イーペルは、ブルージュの南西70キロメートルに位置する町ですが、この町で3年に一度開かれる猫祭りは、世界中から猫に扮した人々が集まるお祭りだそうです。
なぜ、このようなお祭りが開かれているかといえば、毛織物をねずみにかじられないように猫に番させて守られせていたという歴史と、中世の魔女狩りに魔女の僕である猫を災いの象徴として鐘楼から投げ落としたという暗黒の歴史が一つに絡み合い「猫祭り」になった、と説明しています。
また、イーペルは、第一次世界大戦時に世界で初めて大規模毒ガス攻撃を受けた町で、爆撃で多くの戦死者も出した欧州の激戦地であったそうです。
そのような過去も踏まえて、猫祭りには、世界への平和のメッセージを発信しようという思いが込められている、としています。
そういう考え方の猫祭りですが、具体的はどんなことが行われるのかといえば、「世界の国々と猫の物語をモチーフにしたパレードや外国人グループによる猫の行列」で、最大の目玉は「猫投げ」だそうです。町のシンボルである繊維会館の高さ70㍍の鐘楼から道化師が猫を投げ落とし、それを下でキャッチするというものですから、驚きです!
「その昔、黒猫を投げ落として厄払いをしていた歴史を表している」といいますが、残酷ですね。
でも、ご安心を!本物ではなく「ぬいぐるみ」を投げ落とすそうですから。そして、
ぬいぐるみをキャッチすると幸せになれるとしています。昔は猫は災いの象徴だったのでしょうが、現代では幸福の象徴に生まれ変わったのでしょうね!
そして、祭りの締めくくりは、中世の魔女狩りの裁判の再現劇だそうです。
中世の装束をまとった裁判官、聖職者、死刑執行人、群衆が登場し、広場で魔女が炎に焼かれる、というのですから、まさに、目を覆いたくなるシーンですが、「負の歴史に向き合い、今の平和をあらためて見直すことができる」と説明しています。
猫と魔女を通して、過去の歴史を反省し、世界中に平和の大切さを発信する祭りなんだ!と感じました。
世界中から猫に扮した人々が15,000人も集まる、というのですから「是非、見たい!」のですが、小生が申し込んだ4月出発のツアーでは、このお祭りを見学できないそうです。
4月に咲いているチューリップやラーケン王宮植物園など花のオランダ・ベルギーを見たい!という強い願望があり、5月開催の猫祭りは断念せざるをえないのです。
今日は「イーペルの猫祭り」についてお伝えしました。
写真は、イタリアのマテーラです。