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(2015.02.11訪問)
なぜか迷車大和路号は山陽道を走っています。今日は祝日にも関わらず赤穂市までお使いにいきました。
当然素直には帰りません。なんとしても訪ねたかった小野市にある浄土寺を今、目指しています。
ちょっと時間が遅いのですが、あの仏に会いに浄土寺へまっしぐら。
▼浄土堂 (阿弥陀堂)。このお堂の中にビックリする国宝が祀られているんです。
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[ 浄土寺 ]
●山号 極楽山 (ごくらくざん)
●寺号 浄土寺 (じょうどじ)
●開基 俊乗房重源上人 (しゅんじょうぼうちょうげんしょうにん)
●開創 建久三年 (1192年)
●宗派 高野山真言宗
●本尊 薬師如来坐像(本堂)
阿弥陀三尊立像 (浄土堂)
▲拝観料 境内自由 浄土堂入山料 500円 朱印 300円
▲拝観時間 4月~9月 9:00~17:00 (12:00~13:00は入堂不可)
10月~3月 9:00~16:00 (12:00~13:00は入堂不可)
▲兵庫県小野市浄谷町2094 Tel.0794-62-2651(塔頭宝持院)
▲神戸電鉄「新開地駅」から粟生線「小野駅」下車 タクシー約10分
浄土寺縁起
平氏による南都焼き討ちで、壊滅的打撃を受けた東大寺復興の大勧進職になった重源さんが、活動拠点とし
て各地に設けた七別所のうち元々は東大寺領地であった播磨別所にあたり、この地が浄土寺であり、浄土堂
は重源上人創建時の姿が今に残る遺構。だそうです。
▼いやでも目に入りる参道入口。
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▼参道。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/03/bc1a9196df370494c6f238d1683a1b9a.jpg)
▼白壁越しに浄土堂の屋根が見えてきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/be/bf3d5ce1b7cab904cce59f5aa92fd06a.jpg)
▼分かれ道を右に行くと、参道石段です。
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▼上り切ると国宝がググッと迫ってきます。
浄土堂「阿弥陀堂」(国宝)。桁裄三間、梁間三間、宝形造、本瓦葺、背面蔀戸、化粧屋根裏。
東大寺南大門と並んで国内二例しかない大仏様 (天竺様) と云う建築様式。
ソリがほとんどない直線的でシンプルな屋根ですね。
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▼重源さんと快慶さん渾身の阿弥陀三尊像 (国宝)。
中央 阿弥陀如来立像 (国宝)。像高530cm、寄せ木造、仏師快慶。建久六年 (1195年) 造像。
右 勢至菩薩立像 (国宝)。像高370cm、寄せ木造、仏師快慶。建久六年 (1195年) 造像。
左 観音菩薩立像 (国宝)。像高370cm、寄せ木造、仏師快慶。建久六年 (1195年) 造像。
配置が独特で観音、勢至菩薩が左右逆、阿弥陀さんの手印がこれまた逆、写真では判りませんが指の爪が
長いこと、これだけの大きさにも関わらず、雲座に乗る三尊の軽快な感じ、中国密教の影響らしいですが
快慶さんヤルもんです。
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写真は浄土寺パンフからの複写。
●なんと云ってもピカイチの阿弥陀三尊
●円形須弥壇中央に立つ三尊の大きさに先ずビックリ
●そして経時八百二十年とはとても思えない美しさ
●何よりもお堂と仏像の一体感演出、天井を張らない屋根裏の朱と金色の三尊に憎いくらいのカラー演出
●円形須弥壇なので360度三尊を拝せること、後ろ姿をじっくり観察できる事は中々ありませんヨ
●※最大の見所は背面の蔀戸を通して差し込む西日を後ろから受ける阿弥陀来迎の眩しい刻を拝せる
これら一連のコーディネート演出をした重源さん、まさに超人プロデューサー、その作品をボクたちは今
見る事が出来るんです。
※期間限定ショウです。七月から八月のお天気のよい日の午後四時頃だそうです。
その時にまた来てくださいとお寺のお母さんに云われました。
▼浄土堂南側に立つ宝篋印塔。
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▼浄土堂正面の宝篋印塔と水向石、石棺の蓋を刳り抜いた水盤 (写真左下)。
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▼鐘楼。重層高欄付、袴腰、檜皮葺、寛永九年 (1632年) 建立。
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▼不動堂。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/d0/bc7eef2cc951c23604b135f9072effb2.jpg)
▼本堂「薬師堂」(重文)。本尊 薬師如来。浄土堂と池を挟んで対面して建っています。
当初はこのお堂も、浄土堂と同じく大仏様式だったらしいのですが、外形はよく似ていますが、再建時に
その純粋性を無くしたと云います。
桁裄五間、梁間五間、宝形造、本瓦葺。建久八年 (1197年) 創建後焼失、永年十四年 (1517年) 再建。
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▼開山堂。本尊 重源上人像。
単層、桁裄三間、梁間三間、宝形造、本瓦葺。寛永九年 (1632年) 再建。
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▼開山堂扁額。
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▼経堂。
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▼文殊堂。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/bb/ab85b1eccb18a1c2a8fb061caa251161.jpg)
▼鎮守八幡神社鳥居から拝殿。
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▼八幡神社拝殿。桁裄七間、梁間三間、寄棟造、本瓦葺、割拝殿形式。延応元年 (1239年) 建立。
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▼本殿。嘉禎元年 (1235年) 建立。三間社流造、檜皮葺、室町中期再建。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/ba/5542ed6e393c65efbea144d8ece0a593.jpg)
▼一株の蝋梅が遠慮がちに咲いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/ae/b9a22f92ebb58c2b95d379cd772c3459.jpg)
▼御朱印です。浄土堂縁に置いて。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/b3/81fb7fc60cd205bc5a224ce7e0fe60de.jpg)
阿弥陀三尊像を拝するだけで、これだけ感動を残すお寺巡りも久々です。天才同士がコラボした浄土空間の
演出は、今まで写真でしか見たことがありませんでした。初めて堂内に立って「筆舌につくせない」とはこ
の空間のことを云うのでしょう。
心残りは阿弥陀来迎の眩しい刻に合えなかったこと、シーズンオフじゃぁしゃーないですね。
あと半年待ってもう一度。
↓ ポチッと押していただければたいへん嬉しいのですが。
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>※最大の見所は背面の蔀戸を通して差し込む西日を後ろから受ける阿弥陀来迎の眩しい刻を拝せる
さすがによくご存知で。(失礼)
一番訪れたいお寺です。すばらしいお写真と解説、ありがとうございました。
いつもありがとうございます。
一番の感激場面は逃しましたが、ボクも訪ねたかったお寺です。
夕日が無くても快慶さん作に拝せただけでも充分ですが、
夏場には是非もう一度と思っています。