(2017.02.18訪問)
高台寺から円山公園を抜け、知恩院前の神宮道を真っすぐ北へ、三条通りを越えて仁王門通りを右に折れるとまもなく南禅寺。
参道沿いはほとんどが湯豆腐のお店、今日は順正さんへ、遅い昼食に湯豆腐定食は少々心もとないが腹八分でまあ良いかと。
さて南禅寺、このお寺京禅刹「五山之上」を誇るだけに、伽藍構えも豪快なら加えて庭園美、方丈各間の京狩野派障壁画の華麗なこ
と、嘗てこれほどのカズを見たことはありません。とは云え、障壁画は全てレプリカ、デジタル画像により制作時より五十~百年経
過後の色合いを再現復元した新障壁画とお寺は謳っています。退色や剥落した実物を見るに越したことはないでしょうが、往時の華
やかな部屋の数々、なぜこんな華麗な一角がお寺に必要だったのかなど、禅刹の一面を見ることが出来るのも、あるいは一興かと。
▼勅使門。寛永十八年(1641年) 御所の「日の御門」移築したものです。現代は住持の晋山に限って開かれる門です。
[ 南禅寺 ]
●山号 瑞龍山(ずいりゅうざん)
●寺号 太平興国南禅禅寺 (たいへいこうこくなんぜんぜんじ) 通称 南禅寺
●宗派 臨済宗南禅寺派大本山 (りんざいしゅうなんぜんじは)
●開基 亀山法皇 (かめやまほうおう)
●開創 正応四年 (1291年)
●開山 仏心大明国師 (だいみんこくし)
●創建 南院国師 (なんいんこくし)
●中興 本光国師 (ほんこうこくし)
●本尊 釈迦如来坐像
▲入山料 600円 朱印 300円
▲拝観時間 9:00~17:00
▲京都市左京区南禅寺福地町 Tel.075-771-0365
▲ http://www.nanzen.net/
▲京都市地下鉄東西線「蹴上駅」下車「ねじりまんぽ」と呼ばれるトンネルを抜けて徒歩10分
市バス「東天王町」または「南禅寺・永観堂道」下車 徒歩10分
▼中門を潜り、三門への参道を行きます。
南禅寺縁起 (南禅寺 HPから抄出)
南禅寺は正応四年亀山法皇が無関普門禅師 (大明国師) を開山に迎えて開創。
亀山法皇は第九十代亀山天皇のこと。圓爾辧圓 (えんにべんねん) 禅師 (無関禅師の師、聖一国師) に受戒問法。正応二年、上皇は離
宮禅林寺殿で出家され法皇になられました。法皇は禅師の徳をたたえて深く帰依され、正応四年、離宮を禅寺とし開山に迎えられた
無関禅師は十二月に遷化。正応五年、法皇は第二世として規庵祖圓禅師(南院国師)を選任されました。禅寺といっても、離宮には伽
藍として機能するものは一つもありませんでした。その建立が規庵禅師に課せられたわけですが、入寺からおよそ十五年の歳月を費
やしその完成をみました。
▼三門(重文)。重厚と貫禄に溢れる十八脚二層の楼門。桁行五間三戸、梁行二間、周縁勾欄付、本瓦葺、高さ22m。寛永五年(1628
年)建立。石川五右衛門「絶景かな、絶景かな」は勿論ウソ! この門は五右衛門死後三十年の建立だそうで。
▼圧倒的重量感の三門を支えているんです。
▼三門から法堂への参道を見ると、オネーサン三人連れ……、
▼オネーサンお国はと思わず聞きそうになりました。
▼こちら堂々の法堂。南禅寺の本堂。本尊 釈迦如来坐像。明治二十八年焼失、四十二年再建の新しいお堂です。
▼揺れる紫煙が絶えることはありません。
▼法堂。
▼法堂須弥壇。
二段須弥壇上段に本尊釈迦如来坐像と右に文殊菩薩、左に象に普賢菩薩を祀っているのですが、幕で覆われておりお目にかかれま
せん。今は幕前に大明国師と思われる軸が掛けられています。床は敷き瓦。
▼須弥壇上に掲げられている扁額。
▼天井にはお馴染み幡龍図。向きは逆ですネ。
▼法堂。
▼大きな唐破風の本坊大玄関。通常は使用されないそうです。
▼本坊玄関。拝観はここからになります。
▼上がり框に威厳がさり気なく「五山之上」!
▼本坊「滝之間」お庭の滝がみえます? ここではお抹茶をいただけます。
▼本坊「竜虎之間」上位級会議でも行われるのかナ。
▼本坊廊下。突き当たり左、方丈に続いています。
▼廊下右に「寒山拾得之間」
▼寒山拾得像。寒山と拾得は共に唐代の僧で風狂に徹し、
ユーモラスな二人は人々に親しまれたと伝えます。
▼大方丈(国宝)。入母屋造、杮葺。慶長十六年(1611年) 御所の建物の下賜を受けて再建。
鳴滝の間、麝香の間、鶴の間、西の間をはじめ九間あり、狩野派絵師筆による障壁画(重文)で彩られています。現在は、デジタル
復元した障壁画を展示しています。
▼方丈前庭。「虎の児渡し」として有名ですネ。小堀遠州作庭と伝わる枯山水庭園。
方丈各間の障壁画絶賛観賞会。暗くてピンボケはご愛嬌と思って下さいませ。
▼大方丈柳之間。
▼大方丈麝香之間。
▼大方丈御昼之間。奥に本尊釈迦如来坐像が祀られています。
▼大方丈花鳥之間。
大方丈の背後に接続されているのが小方丈、ここにも素晴らしい障壁画とお庭があります。
▼小方丈鶴之間。
▼小方丈虎之間。
▼小方丈前庭、如心庭。
▼鳴滝庭。
▼六道庭。
▼庭を結ぶ渡り廊下。
▼茶室窮心亭。
▼珍しい竹組の南禅寺垣。
▼龍吟庭と涵龍池。
▼還源庭。
▼皆さん、跋陀婆羅菩薩ご存知でしたか。何処に掲げられていたか忘れたんですが、
どうも水を担当する菩薩さんらしいです。それにしてもコワイ顔で、とても菩薩には見えません。
▼白壁が美しい境内です。
▼今や南禅寺の一方の顔とも云える琵琶湖疎水の水道橋、水路閣。
レンガの妙がお寺にシックリとけ込んでいる不思議。違和感ないのも不思議。
アーチの奥は塔頭南禅院。
▼滝。サテ何処でしょう?
▼ご朱印です。
如何でしたでしょうか、お庭と障壁画。時にはこんなお寺拝観も有りかなと思った南禅寺でした。
南禅寺これにて オ シ マ イ
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