土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

本山専修寺、親鸞思想は伊勢でも健在。

2019年03月12日 | 三重の古寺巡り





(2019.03.09訪問)


大和路号は名神草津から新名神に入り、亀山JCTから東名阪道を経由して伊勢街道を走っています。津市内は全く初めて、今日訪ねる
お寺は津の名刹、高田山専修寺と日本三観音の一つと云われている津観音寺。久々の絶好天に大和路号はご機嫌よろしく約130キロの
道のりを例によりチンタラ走行かわりなく走行中。





▼山門(重文)。専修寺の総門。5間3戸重層12脚楼門、桁裄5間、梁間2間、高さ15.5m、入母屋造、本瓦葺。
 元禄6年(1693年)建築にとりかかり宝永元年(1704年)建立。上層階には釈迦三尊像を安置。

 





[ 専修寺 ]
●山号 高田山(たかださん)
●寺号 専修寺(せんじゅじ)
●宗派 浄土真宗高田派 (じょうどしんしゅうたかだは)
●開創 寛正6年 (1465年)
●開基 真慧上人 (しんねしょうにん)
●本尊 一光三尊の阿弥陀仏、証拠の弥陀 (あみだにょらい)
▲三重県津市一身田町2819 TEL 059-232-4171
▲拝観 境内自由 
▲JR紀勢本線「一身田駅」から徒歩5分
 近鉄名古屋線「高田本山」駅から徒歩20分
 伊勢自動車道津ICから約15分
 伊勢自動車道芸濃ICから約15分





▼山号が書かれた扁額。







専修寺縁起 (専修寺HPから抄出)
親鸞聖人は、関東各地を教化中に栃木県真岡市高田の地に一宇を建立、専修念仏の根本道場とせられました。本尊には長野の善光寺
からお迎えした一光三尊仏を安置し、門弟リーダーの真仏上人が管理。ここを中心とした教団は、関東各地の門徒の中で最も有力な
教団となり、京都へ帰られた聖人からは、しばしば自筆の手紙や自分で書き写された書物などが送られてきました。その後、高田教
団は次第に発展し、専修寺は「本寺」と呼ばれて全国に崇敬を集めるようになりました。それを一段と飛躍させたのが第十世真慧上
人で、東海、北陸方面に教化を弘めると共に、朝廷の尊崇を得て、専修寺は皇室の御祈願所ともなりました。一身田の専修寺はその
真慧上人が伊勢国内の中心寺院として建てられたのでしたが、関東の本寺が兵火によって炎上したりしたため、歴代上人がこちらに
居住されるようになって、ここが本山として定着しました。





▼山門中央の1間柱間からの境内、向こうに見えるのは御影堂。







▼手水舎。







▼地中から這い上がる龍の水口。







▼山門潜ってスグ右に茶所。







▼鐘楼。これ以上の頑丈さはないほど頑丈な鐘楼です。4隅の柱はその間に八角形の柱が2本ずつ入れられている。奈良東大寺の大
 鐘楼に似ているような。桁行一間、梁間一間、入母屋造、本瓦葺、正徳3年 (1713年) 建立。







▼御影堂(国宝)。宗祖親鸞聖人木像を中央須弥壇上に安置し、歴代上人の画像を両脇壇にお祀りしています。
 桁裄9間、梁間9間、単層入母屋造、本瓦葺、向拝三間付、外縁は間吹通し。







▼御影堂の前面は障子戸。







▼御影堂内部は外陣、中陣、内陣と明快な区切りです。







▼中陣から内陣の様子。          













▼内陣欄間の扁額は親鸞さんの大師号。







▼須弥壇最奥に宗祖親鸞さんをお祀りしています。 













▼御影堂を斜めから撮ってみました。







▼この通り広い境内です。







▼御影堂ともう一つの大堂如来堂を繋ぐ通天橋。







▼如来堂(国宝)。証拠の如来と呼ばれる阿弥陀如来立像が本尊。教義上この堂が専修寺の本堂です。
 桁裄7間、梁間7間、単層入母屋造、本瓦葺、向拝三間付、一重裳階付。
 寺院建造物は難しいもんで、この建物はどう見ても単層に見えませんよネ。しかし単層なんです。  







 





▼如来堂内陣の様子。







▼最奥須弥壇上に黄金のお厨子が置かれています。







            ▼本尊阿弥陀如来立像。







▼欄間彫刻の豪華絢爛さに圧倒されます。







▼天井下の華麗な色彩。いずれも近年の金箔や彩色と思われますがここまでやるとはスゴイの一言。







▼欄間彫刻。







▼如来堂を斜めから撮ってみました。







▼如来堂の左に建つ大師堂。方3間宝形造、桟瓦葺。







▼大師堂内部は見事にシンプル。







            ▼本尊は聖徳太子幼年像。







▼進納所、大玄関(重文)。院號、法名を頂く場所。高田本山へ参詣される方々が御懇志を納めるところです。







▼御対面所。5室3列の座敷からなる建物。大正初年まで法主が座を設けて門信徒に対面していた。







▼食堂。







▼太鼓門。境内東側の門、内部に大きな太鼓が吊り下げられている門で、一身田町の人々に時を告げています。













▼唐門。如来堂正面にある総欅造の四脚門、切妻造、檜皮葺。唐破風の装飾で空間を埋め尽くした豪華な門。







▼ご朱印です。



豪華な唐門から専修寺オイトマ

浄土真宗の並々ならぬ実力を伊勢でも見せつけられた思いです。このお寺の主要伽藍の御影堂と如来堂は、平成29年(2017年)三重
県初の国宝建造物の指定を受け、その他11件の重要文化財の指定を受ける浄土真宗の本山なんです。真宗のいいところは宗派関係な
く伽藍拝観でそこダメ、ここダメの制約が比較的少なく、心置きなくどうぞの精神が嬉しいところです。少々残念だったのは、名庭
雲幽園と安楽庵が団体優先で予約制とのことで見れなかったこと。この庭園は一生見れないと云うことか。

次は専修寺から伊勢街道を南下、観音さんで著名なお寺を訪ねます。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
地中から這い上がる龍 (越後美人)
2019-03-12 10:47:36
これは迫力ありますね!
誰が考えたのでしょう~
実際に見たら、一瞬ドキッとしてしまいそうです。

お堂の彫り物等装飾が素晴らしいですね✨
唐門、太鼓門など備えて堂々とした立派な様子に感心しました(^_-)-☆
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Unknown (hidepon)
2019-03-13 17:52:36
越後美人さん、こんにちは。
伊勢に真宗高田派ありとは聞いていたんですが、
これほどの大寺とは予想しませんでした。訪ねてみなければ判らないもんですネ。
法然さんから親鸞さんへの強い絆を見た思いです。

龍の水口も妙にリアル、鱗も一枚々貼ってるようで細かい造作、
地中から這い出るというアイディアがイイじゃないですか。

いつもコメントありがとうございます。
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