土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

二尊院は、お釈迦さんと阿弥陀さんのダブル本尊のお寺です。

2011年09月20日 | 京都の古寺巡り


(2011.09.18訪問)

久しぶり嵐電で嵐山にやってまいりました。今回は嵯峨野巡りをと意気込んでま
いりましたが天気はヤッパリ不安定、ムシムシの小倉山麓です。にも拘らず皆さ
んお好きですネ、嵐山駅とメイン道路は満員御礼ですワ。
初訪問の二尊院は、名の通り、ご本尊がダブルのお寺。五本線の格を誇るお寺で
すが、静かな境内は上品さに充ち満ち、イイ雰囲気でとても気持ちの落ち着くお
寺です。しかし紅葉の時期はヒックリ返るのでは。

[ 二尊院 ] にそんいん
●山号 小倉山(おぐらさん)
●寺号 二尊院(にそんいん) 正称 二尊教院華台寺(にそんきょういんけだいじ)
●宗派 天台宗
●勅願 嵯峨天皇
●開山 慈覚大師円仁
●創建 承和年間(834~847年)
●中興 湛空上人
●本尊 釈迦如来立像(重文) 阿弥陀如来立像(重文)の二尊。

二尊院縁起
平安初期円仁さんの開創と云われていますが、その後荒廃、法然さんのお弟子湛
空さんが再興。またも応仁の乱で全山焼失、永正18年(1521年)本堂と唐門が再
建、本堂勅額はそのとき後奈良天皇から下賜されたものと云います。その後徐々
に復興、御所の仏事を司り、勅使参詣があり、旧摂関家との交流で格式五線のお
寺として今在ります。

▼総門。京伏見城の薬医門を慶長18年(1613年)角倉了以が移築したもの。さす
が城門、堂々とした八脚門で参道紅葉の馬場が一直線に見渡せます。



▼紅葉の馬場(参道)。両側はほとんどがもみじ、紅葉時期はさぞやの感じです。



▼高貴な石積土塀の五線。



▼勅使門(唐門)。



▼本堂。永正18年(1521年)再建。御所紫宸殿を模して造営されたそうです。



▼本堂扁額。後奈良天皇宸筆揮毫の勅額。二尊院と書かれています。



▼本堂内陣。



▼本尊
ご本尊二尊は横並びでほぼ左右対称の像形、上衣、天衣、裙のデザイン差と印相
差以外ほとんど変わりません。元は漆箔か金泥による仕上げと思われますが、今
は漆黒の姿で蓮花上に佇んでいます。
二尊は、それぞれ現世へと送り出す釈迦如来の本願、発遣(ほっけん)の釈迦、極楽
浄土迎えいれる阿弥陀如来本願、来迎(らいごう)の弥陀と呼ばれているそうです。
鎌倉時代作らしく、仏師名は判りませんが、送迎二体のご本尊は珍しいのでは。
内陣の撮影はOK!



右、釈迦如来立像(重文)。像高78.8cm。玉眼。鎌倉時代。
左、阿弥陀如来立像(重文)。像高78.8cm。玉眼。鎌倉時代。

▼法然上人足曳きの御影(模作)。



▼本堂。



▼九頭竜弁財天堂。



▼鐘楼。



▼八社ノ宮。



次は愛宕念仏寺にツヅクのです。あの羅漢さんのお寺です。