土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

三尾栂尾高山寺は、明恵上人の聖地です。

2011年09月14日 | 京都の古寺巡り


(2011.09.10訪問)

神護寺から高山寺に向かいフラフラ歩いていてフッとデュークエイセスの
~女一人~が口からでました。

♪京都 栂尾 高山寺 恋に疲れた 女が一人
      ♪大島紬に 綴れの帯が 影を落とした 石畳
          ♪京都 栂尾 高山寺 恋に疲れた 女が一人

♪キョート ♪トガノオ ♪コーザンジ ♪コイーニツカレ…もういいか。

哀しい女性どこかな、たくましい昔の娘さんが大勢団体でワーワーやってました。
この暑いのに。それにしてもこの日の京都は34℃を越えたそうですよ。

▼明恵上人樹上坐禅像部分(国宝)
明恵さんも京の蒸し暑さに閉口してこの場所を選んだんでしょうネ、きっと。



[ 高山寺 ] こうざんじ
●山号 栂尾山(とがのおさん)
●寺号 高山寺(こうざんじ)
●宗派 真言宗系単立
●開創 光仁天皇
●創建 宝亀5年(774年)
●再興 明恵上人
●創立 建永元年(1206年)
●本尊 釈迦如来像

高山寺縁起
寺伝によれば、宝亀五年光仁天皇勅願により開創され、当初、神願寺都賀尾坊と
称したが、建永元年(1206年)後鳥羽上皇の院宣により、明恵上人が華厳宗復興の
道場として再興、寺名を高山寺と改めたと伝えています。

▼表参道。
最近は駐車場に近い裏参道からの入山者が多いと聞きましたので、ボクはこちら
から入山します。



▼表参道高山寺寺標。



▼表参道を進むとかって大門の伝承地に立つ石灯籠。



▼表参道金堂道。この先境内の最も奥まった高所に金堂が見えます。



▼金堂。
本尊 釈迦如来像。
桁行三間、梁間三間入母屋造、銅板葺き。江戸寛永期、仁和寺の古御堂を移築し
たそうです。可愛いこじんまりとしたお堂です。



▼明恵上人廟。
明恵上人の墓所、覆堂の中に五輪塔が収められているそうです。



▼開山堂。
本尊 明恵上人像(重文)。 江戸期の再建。



▼石水院(国宝)山門。
桁行三間、梁間三間入母屋造、向背付き銅板葺き。
鎌倉初期の寝殿風住宅建築。高山寺は中世以降戦乱火災で焼失、現在の中心的堂
宇は別の地から現在地に移築されたもので、明恵上人時代の唯一の遺構と伝わる
そうです。
残念! お庭に下りることが出来ませんので堂宇の全景は判りません。



▼石水院、廂の間の善財童子。
高山寺の著名シチュエーション。明恵上人がことの外愛した小さな善財童子が置
かれています。



▼明恵上人樹上坐禅像軸が床の間に。(模作)
高山寺後山に二股に分かれた松があり、明恵さんは常々そこで坐禅入観したそう
で、弟子の恵日坊成忍さん筆と伝わるそうです。



▼石水院南縁。



▼石水院西庭。



▼高山寺裏参道。
駐車場横にある参道口。最近はこちらからの参拝者が多いそうです。



高山寺には鳥獣戯画や明恵上人樹上坐禅像など著名な国宝や重文が一万点以上指
定されていますが、建物を除く国宝の大半は、東博、京博に寄託、高山寺で見ら
れるのは模作です。
境内は平成6年(1994年)「古都京都の文化財」として世界遺産に登録。

神護寺スグ近くの西明寺にも立ち寄りましたが、今回はパスです。