裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

飛ぶ本

2009年10月28日 23時45分09秒 | レビュー
無人島に一冊を持っていくなら、サン=テグジュペリの「人間の土地」にしよう。
・・・と以前このブログに書いたのですが、こないだ新聞読んでたら、なんとなんと宮崎駿さんの座右の書もおんなしチョイスでした。
しかも彼も同様に堀口大學氏の訳について言及してて、この考え方のおんなしっぷりにうれしくなってます。
この本は、「星の王子様」を著した作家の、自分の冒険譚を素材にした哲学書みたいなものです。
ヒコーキ乗りらしく、人間界の暮らしっぷりを俯瞰でとらえ、神様の視点で人間の苦悩と精神世界を描いてます。
大傑作というよりは、さまざまなエッセンスをぶち込んで凝縮した、珠玉の知性。
みっしりと、本当に濃密に思想が詰まってて息苦しくなるくらいなんですが、そのおかげで、何度しがんでみても新しい味わい方ができるので、無人島に持っていくにうってつけ。
好みは絶対に割れる、異様な文学ですが、ヒマすぎるひとは読んでみてもいいかも。
ぼくは常にカバンの中に持ち歩き、アホすぎる人間たちに囲まれた電車内で、彼らから隔絶された文字の世界に閉じこもってます。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
コメント
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