芸北の一本桜の偵察行は地球の自転速度との戦いになってきました。土橋から車を走らせて雄鹿原の地久院の枝垂れ桜に着いた時には、西に傾いた夕陽は山の端を覆う雲の中に隠れてしまって、桜の花に陽が当たることはもう望み薄といった感じでした。陽光を浴びることが出来ない夕刻の桜の花は水墨画同然となってしまい、その写真は生気を失ってしまいます。樹齢420年ほどの古木の下で暫しこの日最後の光との格闘を行いました。〔4月7日(金)〕
↓ 正面から見た地久院の枝垂れ桜は、土橋と同様に5~6分咲きといったところで、天頂部分はよく咲いているものの、枝垂れ落ちる枝はまだ固い蕾のままでした。
↓ 15世紀の名刹跡に立つ古木は、今は小さな祠を覆うように高い枝を伸ばして華麗に咲きます。祠の前から見上げると、良い具合に花をつけて枝垂れてきていました。
↓ 4年前の冬に中央部の太い幹が折れてしまいましたが、その周りの枝はそれを癒すかのように潤沢に花弁を付けいるようでした。
↓ 日没直前に山の端の雲が開けて一条の陽光がスポットライト風に桜の樹を照らしました。祠の上に伸びた枝の花が生気を取り戻したかのように輝きました。
↓ 折れた太い幹の近い枝にも陽光が注ぎ、枝に付いた花弁が桜色の光を発しました!
↓ 陽が再び雲に隠れてしまうと、枝垂れ桜全体がシルエットとなって夕空の中に浮かびました。
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