<南シナ海の南沙(英語名・スプラトリー)諸島にあるアユンギン(中国名・仁愛)礁をめぐり、中国とフィリピンの艦船がにらみ合いを始め、緊迫の度を増している。(中略)南沙諸島は中国やフィリピン、ベトナム、台湾など6カ国・地域が領有権を主張している。中比は昨年4月、スカボロー礁(中国名・黄岩島)で今回同様のにらみ合いの末、中国の監視船が居座り、実効支配を強めている。フィリピン軍は1999年、アユンギン礁近くで座礁した軍艦に軍部隊を駐留させ、実行支配を続けてきた。これに対し、南シナ海全体に主権があると主張する中国側は、5月上旬から軍艦や監視船を派遣して圧力を強化。(中略)フィリピン国家安全保障会議のガルシア議長は「中国と最後まで戦う」と一歩も引かない構えを見せる。>
(東京新聞2013年6月1日付 南沙諸島領有で紛争激化 中比艦船にらみ合い)
<中国とフィリピンやベトナムなどが領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島海域で2010年~12年。中国によるフィリピン漁船や探査船への妨害などのトラブルが24件発生していたことが24日、共同通信が入手したフィリピン政府の資料で分かった。1995年~2009年の7件から激増しており、中国の海洋進出の拡大ぶりがあらためて鮮明になった。(中略)中国は95年にフィリピンのEEZ(排他的経済水域)内のミスチーフ(中国名・美済)礁に進出、その後基地にした。昨年は南シナ海にある南沙とは別海域のスカボロー礁(同・黄岩島)を両国の艦船によるにらみ合いの末、実行支配。>
(東京新聞2013年7月25日付 中国とのトラブル激増 南沙諸島海域 海洋進出鮮明に)
<中国共産党の理論誌などによると、南沙諸島には各国が実効支配する島と岩礁が53ヵ所あるという。進出が遅れた中国軍は現在9箇所に駐留し、支配地域を徐々に拡大。ベトナムは29ヵ所、フィリピン9ヵ所、マレーシア5ヵ所のほか、インドネシア、ブルネイも駐留部隊を置くが、中国軍が制海力を強めつつある。(中略)中国の王毅外相は今月6日までベトナム、タイなどASEAN4カ国を歴訪。「各国と真剣に協議し、行動規範のプロセスを前進させる」と述べ、話し合いによる解決を目指すことを強調した。(中略)中国政府は、ASEANに対し平和的協議を求める一方、昨年7月には南沙と西沙(英語名パラセル)諸島、中沙諸島を行政管轄する「海南省三沙市」を設置し、支配の既成事実化も進めている。>
(東京新聞2013年8月11日付 中国、南シナ海支配強化 南沙諸島53ヵ所で争奪/ASEANとは協議継続)
<中国が南シナ海に進出してきたのは、米軍がスービック、クラーク両基地から撤退した後。「力の空白」をつくったことが中国を利する結果となった。米比軍事協力の強化の動きはこの「空白」を埋めようとするものといえる。(中略)比憲法では外国軍の駐留を禁じており、米軍の活動にもさまざまな制約をかけている。新協定は巡回や比軍基地の使用を拡大し、南シナ海で米軍の存在感を高めて中国をけん制するのが狙いだ。アジア太平洋地域で影響力を高めたい米国の利益とも一致するが国内からも憲法違反との批判が出る可能性がある。>
(東京新聞2013年8月17日付 米比 軍事協力を強化/南シナ海 中国を牽制/巡視船配備 活動拡大へ協定作り着手)
<中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の貿易促進を目的とした「中国-ASEAN博覧会」が3日、ベトナムと国境を接する中国広西チワン族自治区の南寧市で開幕した。(中略)3日の開幕式では、中国の李克強首相があいさつで10年にわたるASEANとの経済協力の成果を強調し、南シナ海問題については「中国とASEANの協力の大局に影響させるべきではない」と訴えた。(中略)だが、領有権をめぐり中国と対立するフィリピンのアキノ大統領は8月28日に出席を表明したが、翌29日に出席を取りやめると発表した。フィリピン政府関係者によると、中国側から、南シナ海問題で国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所への申し立てをしたフィリピンに、申し立てを取り下げれば出席を受け入れる、と伝えてきたという。フィリピン側はこの条件に強く反発し、訪問取りやめを決めたとみられる。>
(東京新聞2013年9月4日付 中国・ASEAN博が開幕 影落とす南シナ海問題/フィリピン大統領直前欠席)
<フィリピン国防省は3日、中国と領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)で、中国が構造物の建設に着手し始めた可能性があると発表した。(中略)海軍が撮影した航空写真から、スカボロー礁に縦60㌢程度のコンクリートブロック約30個が置かれ、付近に中国艦船3隻も確認された。>
(東京新聞2013年9月4日付 領有権争うスカボロー礁 中国、構造物を建造か フィリピン国防省が発表)
■南シナ海で中国が領有権を主張する海域
<中国の海洋の警備・取り締まりを実施する「海警局」が大型巡視船など装備の増強を進めている。(中略)海警局が所属する国家海洋局によると、一月中にいずれも4000㌧級の巡視船が南海分局(広東省)と東海分局(浙江省)でそれぞれ就航。1月中旬に開かれた「全国海洋工作会議」では、今年20隻の巡視船を建造する方針を決定した。(中略)一方、中国海洋報によると海警局とは別に、交通運輸省所属の巡視船がフィリピンやベトナムと領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)、西沙(パラセル)、中沙の3諸島を管轄する「海南省3沙市」に配備されることになった。(中略)中国は昨年7月、海洋の警備・取り締まりをめぐって、関係部局を統合する形で海警局を発足させた。各省の縦割りによる弊害を取り払うため、一元態勢の構築にも力を入れている。>
(東京新聞2014年2月7日付 中国 年内に巡視船20隻建造へ/海洋監視力強める)
■中国の石油掘削設備
<ベトナムの沿岸警備曲は7日、中国の大型監視船が南シナ海で、ベトナムの警備艇を攻撃し乗員が負傷、警備艇にも被害があったことを明らかにした。(中略)中国の海事局が3日、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近で海底資源の掘削作業を始めるとベトナムに伝えた後、両国は非難の応酬を続けている。中国側は国有の大手石油企業が掘削に当たり、海警局の監視船が掘削船を護衛し、ベトナムは武装した警備艇など約30隻を現場海域に派遣。中国の監視船は体当たりしたり、高圧放水銃を発射したという。ベトナムの沿岸警備局によれば、衝突は3日と4日にも起きたが、7日の衝突が最大規模とみられる。(ベトナムの沿岸警備当局者は7日、「忍耐には限りがある。中国側がこうした行動を取り続けるなら、自衛的手段を取らざるを得なくなる」と警告。(中略)オバマ米大統領が先月末にアジア各国を訪問し、南シナ海の領有権争いに一定の歯止めがかかると期待されていた。しかし、南シナ海では中国とベトナムが早くもにらみ合いを始めたほか、フィリピン沿岸警備隊は6日、違法操業の中国漁船の船員11人を拘束するなど緊張が高まっている。>(東京新聞2014年5月8日付 中国・ベトナム船衝突 南シナ海石油掘削争い 乗員に負傷者)
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