徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

餌と銃弾

2010-01-19 14:35:47 | News
トピックス
14時11分更新
・陸山会事件 閣僚から批判なく
・小沢氏とテレ朝に銃弾?届く
yahoo Japan 1月19日14時11分)

テロリストに“餌”を与えつつ、嬉々としてテロリズムを報じる、文字通り恐怖のマッチポンプ。

<根拠なく自分の“優越”を信じている人間がいる。この人間の遠くに“異常”がある。それを「自分とは関係がない」と思う人間は、その“遠い異常”を、楽しんだり怖がったりする。それだけでいいのか? 問題は、それをする“あなた”の方にあるのではないのか--というのは、別に目新しい問いかけでもない。にもかかわらず、現状にスポイルされてしまった人間は、それに気づかない。>
<恐怖を克服しなくてなんの人間か。いかに世が混沌へ成り行こうと、それを直視する冷静を持たなくて、なんの人間か。“態度”はもうはっきりしている--私にとって、このことは変わらないのである。>
橋本治「天使のウインク」中央公論新社

貧乏をこじらせる/「シッコ」

2010-01-19 05:58:26 | Movie/Theater
シッコ
Sicko/2007/アメリカ
監督・脚本・製作・出演:マイケル・ムーア
<超大国なのに保険充実度は、なんと先進国中最下位のアメリカ!!先進国で唯一、“国民健康保険”が存在しないアメリカでは、国民の6人に1人が無保険。毎年1.8万人が、医療費を払えないために治療を受けられずに死んでいく。(中略)この問題のシステムにより人々は高い保険料を払っていても、一度、大病を患えば治療費が支払えずに病死か破産を迎えるしかないのだ。「こんな医療制度はビョーキ(Sicko)だ!!」マイケル・ムーアがほえる>(amazon

キャピタリズム~マネーは踊る」の予習に未見の「シッコ」。
健康のためなら死んでもいいというぐらいの健康ジャンキーだらけの浮き世の裏側には膨大な貧乏な病人たちが行き倒れている。ダイエットも同様、所詮健康とは金でしかなく、「シッコ」後のマイケル・ムーアがその病巣である「キャピタリズム」へ猛然と突っ込んでいくのは至極当然の行動だろう。
まあ、そうは思いつつフランスの事例とか、いくらなんでも煽るためとはいえ露骨にやりすぎな感じが相変わらずで、あんまし笑えないんだな。
そりゃもう日本の国民皆保険が中途半端なアメリカ風へ振れかけてることに尽きる。

それを考えるとタケちゃん(ビートたけし)が20数年前にテレビやラジオで言っていた<貧乏こじらせちゃって>というフレーズは、やはり、実に深いものがあったのだなと思う(何となく)。
capitalismというのはやっぱしvirusだ。

ちなみ現在も国民皆保険問題で“恐怖”に踊る保守層、民間保険会社とオバマの攻防が続いている。
恐怖に踊りたい人は踊る気もない他人まで踊らせようとしますから気をつけましょう。これは日本の話。