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徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

「フェア」であるということ/静岡ダービーでの処分について思うこと

2013-11-08 21:46:58 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
実に気分がどよーんとしている。
静岡ダービーでの出来事について清水ゴール裏の一部サポーターに対する処分について、である。
今季春の大不振では3月から6月にかけてゴール裏のサポーターを中心にフロントへの激烈な抗議と糾弾が続いたわけだが、先月の静岡ダービーでの「事件」に便乗してフロントが意趣返ししたような状況だ。

10月27日ジュビロ磐田戦に関するご報告(清水エスパルス公式)
試合時における横断幕の掲出について(清水エスパルス公式)

「迷惑行為」に及んだ一部サポーターグループには無期限の入場禁止処分、さらに無期限のサポーター活動(横断幕・フラッグ類の掲出や使用、当該グループに所属すると見られる衣服や装飾品を着用しての活動、その他弊クラブが当該グループとしての活動と判断する全ての応援活動)禁止処分』を科す、とある。
マナーやモラルに関する話題については、オレにとってはこれまでの磐田ゴール裏の所業を含めて「ゴトビ核爆弾に比べれば大したことはない」に尽きる。リーグを含めて、あの差別表現をナアナアで見逃しておいてマナーもモラルもあったものではない。
椅子(という名のヤマスタの老朽化したプラスチック板)破壊に関しては、「あれは椅子だ」と主張する以上はやらかした人間が弁済なり処分を受けるべきだろう。それは器物破損という罪なのだから仕方がない。
とにかく問題の当事者(個人)を認定し、しかるべき処分を下すだけならともかく規制が全体に及ぶのはナンセンスと言わざるを得ない。

しかし何よりも問題なのは、もはやトラブルをサポーター間で事を収めることなく、ダイレクトにクラブに対して無責任なクレームを入れ続ける一部のネットサポーターの問題だ。サポーター間のトラブルについてクラブはあくまでも第三者であるべきで、クラブはサポーターの管理者ではないのだ。しかし現場感のない連中は手っ取り早くフロントに処分させようとする。
彼らにとってサポートするということはその程度のことでしかない。
彼らはゴール裏を売った。その程度の価値しかないからだろう。腹立たしくて仕方がない。
降格寸前のストレスを解消して溜飲を下げたキミたち、もしくは同じ清水サポーターでありながら当該の一部サポーターを快く思わなかったために無邪気に規制を喜ぶキミたちは、一体サッカーから何を受け取って、何を学んだのか。

「フェア」を謳うフロントと社長には徹底抗議する。
ロコロコなど自分たちに都合がいいサポーターの熱狂は利用するくせに、都合が悪くなれば切り捨てるのではあまりにも都合がよすぎる。「フェア」であるということは、こういうこと(以下引用)である。

<いきなり大風呂敷を広げるようで恐縮であるが、人間にとって最大の悪は病いと負傷と死に違いない。そこで人間はそういう悪の恐怖から逃れそれらの危険を避けるために、たがいに寄り付き合い結ばれ合って、社会という共同体をつくった。そうしてそれぞれの力をひとつの権威に預け任せることを発明した。つまり人間は社会的な動物になったわけである。
 では、その人間たちの最大の関心事はなんであったか。意見はさまざまに分れるだろうが、私の考えでは、
「正義はきちんと行われているか」
 これにもっとも関心が集まっていたのではないかとおもわれる。そして正義の根本は平等にあった。(中略)実際綱吉という人物は奇妙である。その治世を二つに分ければ、前半期(天和-貞享)の彼は名君だったといってよかろう(中略)重要なのはこの時期の彼が掲げた政治原理で、それは、
「賞罰厳命」
 である。「刑罰の公平な割当て」が政治を刷新し、人心を活気づけたわけだ。(中略)忠臣蔵物語を、今も私たちが愛するのは、やはり不公平な世の中がつづいているからだろうか。>
(井上ひさし『イヌの仇討』文春文庫「日本の仇討」より)

今年の清水を取り巻く事柄について、いまだに公正な処分が行われていないから尚更腹が立つのだ。

“おまえ”しかいない/第27節 甲府戦

2013-10-03 04:40:17 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


先週土曜は甲府との富士山ダービー。普段は“営業ダービー”は興味のないスタンスなのだが今回ばかりは世界文化遺産記念である。東名の足柄サービスエリアからも富士山がよく見えた。
前節の首位マリノス戦で連勝も止まり、3月の悪夢に続いて俊輔にまたしてもやられてしまった感が強かったのだが、今節も内容が多少悪くてもゴールの雰囲気は失っていなかった。いくら甲府の平本に「(数多い決定機を決めていれば)普通に勝てた」とコメントされても、知ったこっちゃないのである。
新規(再)加入の元紀が抜群のシュート力で2ゴールを挙げ、ラドンチッチも前線の基点として機能していた。これから本格化する来季の契約更改とチーム構想で、まず元紀とラドンチッチの残留こそが継続強化の本丸であるのは当然だろう。これまで3年に渡るアフシン体制では一年たりとも「継続」的な強化は行なわれていなかったのだから、来季こそは、という願いは強い。

それにしたって鹿島戦以来の記録的最速失点である。マリノス戦の失点も開始早々(4分)だった。これは一体何なのか。選手コメントでは「集中力の欠如」とはいうけれども、わけがわからない。
今シーズンの清水もシーズン途中で、前記の元紀、ラドンチッチ、そしてタクのように続々とプレーヤーの入れ替えが行なわれたわけだが、この失点癖の要因には、やはり林の離脱があるのではないかと思うのだ。勿論懲罰的に林がスタメンを外されていた時期もあり、それも遠因となって彼は鳥栖へ期限付き移籍していったわけだが、これまで清水は高レベルのGK陣を誇ってきたチームである。他クラブならばスタメン級のGKを複数抱えて競わせ、さらに年代別代表の若手が控えているという磐石の体制だった。
現在は原寿、三浦に加え、来季からはU-19代表候補の高木和(清水ユース)が加入するとはいえ、正GKとしての櫛引に掛かる期待と重圧は凄まじい。日本平では直接タッチを割るようなミスキックには残酷なまでのため息が充満する。スタンドからGKに向けられるプレッシャーも強い。

この日の前半はキックオフ直後の失点を含めて、DFとの連携不足を伺わせるミスが頻発した。内容が低調というのはほとんどが前半のディフェンスに見られた不安定なゲームコントロールに象徴されている。
正直櫛引のプレイは危なっかしくて見ていられないときがある。
それでも甲府戦の後半のプレイは格段にアグレッシヴになり、キックは(それなりに)安定し、ビッグセーブも連発した。
しかしスタンドへ挨拶に来た櫛引の顔には笑顔はなかったと思う。
西部も海人もいない清水で、そして林との競争の中でフロントから期待を込めて正GKを指名された櫛引は、また20歳ながら本当の意味で<清水の砦>にならなければいけない(林だって、海人だって、そして西部だってGKとしてはまだ“若い”のだが)。
思えば西部、海人、林といったメンバーが同時期に重なり合いながら所属していたこと自体が奇跡だったのかもしれない。
オレは目の前に来た櫛引に向かって「もう、おまえしかいないんだ」と叫ばずにはいられなかった。
勿論高原、三浦、高木にも頑張って欲しいけれども。

リーグは最終盤、今週土曜日はアウエイで広島戦。

劇的を越えて/第25節 名古屋戦

2013-09-16 05:02:19 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


土曜日はアイスタで名古屋戦
3連休の初日ということで予想通り東名は横浜周辺で激混、だったら朝イチの便にしとけよとも思うのだが、結果1時間30分程度の遅れだったため永楽町で途中下車し時間通り到着できた。台風の影響もあるのだろうが結構な湿気があるものの、吹く風は涼しい。
何てったって15時キックオフである。一番好きな時間帯だ。
ホームの場合はゴール裏ではないから“並ぶ”必要はないとはいえそれでも東京からは早めに出掛けなければならないけれども、日帰りできて、ゲームを思い出しながら呑む時間もたっぷり(というほどはないけれども)時間があるというのがいい。しかしまだ9月も半ばということもあり、ピッチ内ではそんな呑気な状況ではなかったようだ。
強力なラドンチッチを抑え続けていた名古屋の新人DF牟田は両足が攣って途中交替してしまったし、そのラドンチッチもゲーム終了直後の挨拶が終わると(燃焼感と勝利の喜びもあっただろうけれども)センターサークルの近くでしばらく横になっていた。やはり24.55歳の清水と30.45歳の名古屋の平均年齢差(スタメン)の影響は時間を追うごとに明らかになっていた(まあ牟田とラドンチッチの年齢差は逆なんだが)。

この日のレフリーだった家本“研修”政明はプラスクオリティープロジェクトに忠実なレフリングで、名古屋サポーターにしてみればPKを流しやがってと思うだろうが、こちらにしてみれば名古屋のファウルは流しまくりアクチュアルプレーイングタイム(実際のプレー時間)を稼ぐ。
プレーヤーやスタンドの不満を全身で受けながらハーフタイムには警備員に守られた家本が、それでもゲーム終了後にはスタンドから野次も飛ばされずに消えていったのは、あまりにも劇的な勝利だったおかげだろう。

劇的な勝利は確かにその瞬間は至上の喜びでスタンドも盛り上がるのだけれども、シーズンを通して見れば実にあてにならない。過去2シーズンのアフシンのエスパルスというのは劇的な勝利が少なくなかった。しかし逆に言えばこれはチームの不安定の証明だった。
不安定にさせる要因はシーズン途中で一転、二転するチーム構成が大きかったと思うし、それは今シーズンも繰り返されたのだが、現時点で今年の夏の補強は成功だったと言える。バレーほどJでの実績はなかったとはいえ、それ以上にポストとしての技術の高いラドンチッチ、そして清水で実績を残していた元紀とタクの復帰が攻守に渡って自信と落ち着きを与えている影響は小さくない。
ただ、このゲームで唯一不満の残ったのは櫛引のアクティブに欠けたプレーだったのだが、これがこれまで西部、海人といった主力級を放出し続けてもJで最高レベルのGK陣を誇ってきた清水がいよいよ林を放出したツケだったと思うと皮肉なものである。

名古屋に先制点を獲られても、スタンドも決して悪い意味でヒートアップすることはなかった。近辺のAゾーンはメインの中でも特に野次の多いエリアだと思うのだが、自分たちのチームに対してネガティブな野次は少なかったと思う(しかし名古屋の阿部翔平はゲームを通して野次られ続けた)。
チームは以前のように失点して拙攻に陥るようなことはなかった。
そしてゴールを狙える雰囲気はスタンドにも伝わる。
途中交替で投入された村田が一度目の突破でシュートを失敗しても、二度目の突破で冷静に、そして最高のクロスを元紀に送った。焦れずにゴールを狙える形ができつつある。
時間帯こそ劇的だったが、ゴールは必然である。

次節は21日、ニッパツ三ツ沢球技場で首位横浜との対戦。前回、リーグでの横浜戦は最悪の3月に行なわれた。特別内容だったとは今でも思えないのだが、結果は“最悪の3月”の幕開けとなるものとなった。
首位で、ベテラン揃いの横浜があのときから大きく変わるということはないだろうが、今の清水がどこまでできるのかは興味深いし、楽しみだ。
しかし、残念ながらキックオフは15時ではない。

尻に火がつく瞬間/第23節 鹿島戦

2013-09-08 03:41:37 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


もう一週間以上経ってしまったが、28日の鹿島戦は久々に日本平、アイスタに参戦。
中断後の成績もいまいちぐだぐだ感の漂うチームだったが、この日は改めてラドンチッチ、タク、元紀の補強がかっちりハマった内容になった。ミッドウィークのナイトゲームということで観客こそ少なかったが、こういう状況だと不思議とドラマチックで、エモーショナルなゲーム(現場で観ないと損をするゲーム)をしてしまうのが清水だったりする。
とはいえキックオフから5分ほどまでに、続けざまに2失点してしまうのはどう考えたっていただけない。
ドラマチックでエモーショナルではあるけれども、手放しで面白いゲームとはいえないのは、ディフェンス面でのチームの落ち着きのなさ、ゲームマネジメントの拙さにある。あまりにも軽いプレーで鹿島の先制点のきっかけを作ってしまった吉田は、案の定前半のうちに交代を命じられた。

しかし失点はあまりにも早過ぎた。失点が早過ぎて良い点もある。
残り時間はまだたっぷりあるのだ(当たり前)。
ということでトシ投入前後からハーフタイムにかけてチームは徐々に攻勢を強めていく。
「前半のうちに1点入ればわからないな」
「追いついたら勝てるかもな」
とスタンドが思うような展開でチームは前半のうちに同点に追いつく。
後半、キャラのハンドというわけのわからないジャッジのせいでPKを取られてしまったけれども、トシがこれまでの不甲斐ない状況の鬱憤を晴らすような、そして元紀の再加入に触発されたような素晴らしい決勝ゴールを決めて何と4-3のスコアで鹿島を撃破した。
スコアは派手だけれども、記録的な序盤の2失点がなければ、そして意味不明のPKがなければ、彼らの尻に火がついたのかはわからない。

ゲームマネジメントの拙さは、その2日後の大分戦でも現れた。前半終了間際に立て続けに2得点したものの、後半終了までに3点目をゴールし楽勝ムードと見ていたところで、大分から続けざまに2失点。いくら終了後にプレーヤーが「失点してもまだ大丈夫だと思っていた」とコメントしようとも、これはあまりにも心臓によくない。
一応、久しぶりの連勝である。ラドン、タク、元紀のフィット感も格段に上がってきた。間違いなくチームの伸びしろはまだある。来季の契約状況も気になり始めるリーグ後半に突入しつつある中、これから3ヶ月は何とかチームの熟成にだけ集中して欲しいものである。今年はナビスコの決勝トーナメントないんだから…。



鹿島戦のゲーム前、喫煙所周辺で社長を見かけたので声をかけさせてもらった。
24日のエコパでの浦和戦の「事件」について…4月の埼スタでの軟禁事件も浦和とリーグにうやむやにされてしまった以上、これはやはりきっちりとリーグに回答を欲しい事案である。
事件についてはこれから改めて書く機会があると思う。

ハイリスクはいつまで続くのか/第19節 新潟戦

2013-08-04 06:11:44 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
土曜日。スカパーで19節新潟戦
元ジュビロ磐田監督、現アルビレックス新潟監督の柳下先生はゲーム後の会見でこうおっしゃる。

「内容的にはエスパルスの弱いところを突いていこうと。選手は狙いを持ってやっていたし、実際にチャンスも作っていた。それは良かったと思う。(中略)(Q:攻撃の中で、最も効果があった部分は。)直接、点にはつながっていないが、清水がどういう守備しているかというところ。次、対戦するチームは今日のゲームを見たら、参考になったのではないか」(J's GOAL 8月3日付

正直ずいぶん挑発的なコメントだなあと思う。対清水への暗い情熱を感じざるを得ない。
そんな情熱の矛先はやはりほとんど正しくて、新潟のボールは高い位置をキープする清水のサイドバックの裏へ、さらに新潟の激しいチェイスに混乱するバイタルエリアへのアタックが繰り返される。
しかし、思いっきり贔屓目に見て、PKのアンラッキーは勿論、失点はほとんどミス絡みだと思っている。勿論清水のミスを誘発させる、清水のアンラッキーを呼び寄せたのが新潟の厳しいプレイ(成岡曰く「新潟らしいイケイケ」らしい…え、新潟がイケイケ?)であったのは確かなんだが、このディフェンスの問題は、やはりこの一年、チームが抱え続けているセンターバック問題と切り離せないだろう。
今日も平岡とコンビを組んだのは浩太だった。その意図は理解できる。スペシャリストよりもユーティリティを優先するアフシンにとって、浩太はCBとしての仕事と同時に、広い視野で最終ラインからゲームを組み立てることができる「攻撃的」なCBとしての仕事を求められている。
しかしよく考えれば、それは岩下がやってきた仕事なのだ。2012年シーズンの序盤、彼はそれをほとんど完璧にこなし、理想を実現しつつあった。実際に結果も出ていた。CB問題はその岩下離脱に端を発しているのだから、彼の幻影にいつまでも振り回されているともいえる。勿論浩太に今更岩下のような強さと速さを求めるのはちと酷な話であるが(そして中途半端なスイーパー=便利屋としてキャラの負担ばかりが増える)。
攻撃的でありたいという理念は理想主義者の常として理解できる。そしてオレたちのプレーヤーはそれなりのポテンシャルを持っていると信じている。しかしその理想と求めるハードル(ユーティリティ)の高さはやはり、現状ではまだハイリスクの傾向が強いと言わざるを得ない。

ラドンチッチの加入即スタメンには驚いたが、それでも彼のプレイには光明が見えた。バレーと比較すればJの実績には劣るけれども、容易に倒れないフィジカルの強さ、シンプルで堅実なポストプレイはヨンセンを髣髴とさせるものがあった。確かに3失点は不甲斐ない結果とはいえ、ゲーム序盤の混乱を除けば、新潟の激しさに十分拮抗する内容を見せていたと思う。

浩太「ラインを高くする戦術だが、自分と平岡でもう少し下げた方がいいときもあった」(J's GOAL 8月3日付

あとはアフシンの信任(?)を得ている浩太が現場で判断することだ。
チームが方向性を誤っているとはまったく思わないが、やはり実際にハイリスクの芽を摘んでいくのはピッチ上のプレーヤーの判断しかない。
クラブは過去2年に続いて今年もシーズンを通して安定した体制作りをしない。ならばプレーヤーは積極的に、自分で状況を判断していくべきだと思うのだ。きっとアフシンの求めている「成長」とはそういうものだろう。
理想主義者でありながら、一方でビジネスマン然とした現実主義者のアフシンならば、コンセプトを多少逸脱しようとも結果さえ出せば個々の判断の責任は問わないんじゃないかと思うんだが。
まず、今それができるのは浩太(とタク)しかいないだろう。

次は今週末、アイスタで湘南戦。地獄の日程は続く(この変則的で偏った日程も若いチームが乗り切れない要因だよなあ…)。

Jリーグ中断期間にやるべきこと

2013-06-01 17:24:07 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
木曜日、静岡でコールリーダーのエツロウ君と呑んできた。
中断前最終戦の仙台戦にひとまず快勝といっていい内容で勝利したとはいえ、チーム周辺にはいまだに諸々の問題がくすぶっているのは確かだ。ゲーム前にはサポーター有志による「アンケート」が行なわれたこともあり、彼の意見を聞きたいと思って声をかけた。
オレはあの「やり方」は疑問に思っていて、彼はあの「やり方」を全面的に賛同しているわけではないけれども、「やったこと」に関しては理解を示している。現場で先頭に立つ人間としてはそれは当然だろう。
だからまず話を聞きたいと思ったわけである。話せる限りで率直な対話ができたと思う。

クラブとチームのために自分は何ができるのかを考えていればこそ、第三者の目から見れば馬鹿馬鹿しいことでもサポーターは真剣に行動する。サッカーがエンタテイメントではあるけれども、エンタテイメントを越えて真剣に行動することはサポーターの行動として一番大事なことで、だからこそ「たかがサッカー」で真剣に喧嘩できることは悪くないことだと思っている。
I Know It's Only Rock'n Roll
But I Like It
ということで。
リーグやフロントにとっては味方であると同時に厄介な存在なのかもしれないけれども、Jリーグ20年の歴史というのは「勝手に育ってしまった」サポーターの歴史でもある。

望むような結果は出ていないとはいえ、恐らく「一部サポーター」の不信はアフシンのビジネスマンとしての「優秀さ」を逆に証明しているのではないか。
オレ自身『ゴトビ革命』に濃厚に漂うビジネス書臭さが鼻についたのも事実で、サポーター界隈に流れるアフシンにまつわる諸々の「噂」もビジネス視点で読んでみれば合致のいくものばかりだと思う。クラブライセンス制度で緊縮財政が求められ、移籍ルールの国際スタンダード化が着々と進行している中で、アフシン・ゴトビが優秀なマネージャーで、ビジネスマンであればあるほど、彼が「革命」的に、時には冷徹に、無慈悲な決断を下していくのも合点がいく。
合点はいくのだが、やはりサッカークラブの成績は呑気に「ためしてガッテン」というわけにはいかない。サポーターにとってはプランと現実が乖離していけばいくほど不信だけが募るわけだ。
だから3月にはバス出入り口の封鎖が2回起こったし、5月はアンケートの形を借りた解任署名が行なわれた。
しかし、やはりフロントがその「革命」を支えていない限り、アフシンだけに結果責任を求めるのはあまりにも酷だと思うのだ。アフシン自身の契約状況はわからないけれども、オレは現状でクラブからアフシンに与えられている条件やミッションはかなり厳しいものだと思っている。本気でフロントがアフシンを支えようとしているのならば、やはり、それなりの補強なりヴィジョンを示す必要があるのではないか。

進むも地獄、退くも地獄なら進むしかないんじゃないか。エツロウ君と意見を交わして、やはり、アフシンと彼のチームには何が何でも成功してもらわなければエスパルスに関わる人たちが不幸になるんじゃないか、と思った。
真剣に考えれば考えるほど、多くの人たちは一筋縄ではいかない事情を理解し危機感を抱えながら行動している。
複雑な思いを抱えながら、それでも「あの人もエスパルスですから」というエツロウ君の言葉はとても重い。

せっかくの中断期間なんだから、某巨大掲示板やSNSだけではなくて直接面と向かって意見を交わすにはいいタイミングです。今度は勝利を祝う酒が呑めればいいと思う。


あの時の傷は癒えていないのか/第13節 仙台戦

2013-05-28 04:43:45 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
唐突に浮上してきた2ステージ制問題はひとまず置いておいて、2013年シーズンももう13節、仙台戦
いくら手が合う相手とはいえ、仙台は今季ACLにも出場した成熟度も高いチームである。しかもゲーム間隔は中2日の清水に対して仙台は1週間、これまでお得意様だったホームで清水は1勝しかしていない状況である。
しかし直近3連敗が、そしてホームでなかなか勝てなかったことが信じられないような内容だったと思う。勿論パーフェクトとまではいえないまでも球際の激しさも、パスの判断も、そしてそのアクションも、観る者にストレスを感じさせないほどの前進を見せていたのは間違いない。これを仙台のミス視点で見てしまうのは、清水のプレーヤーは勿論、仙台に対しても失礼というものである。

ACL組を除き、リーグはこのゲームで一ヶ月の中断期間に入る。
3月勝ちなし、4月負けなし、そして5月は…これが、よくわからない。この不安定さは若さ故と言ってしまえばそれまでなのだけれども、それにしても2勝5敗(ナビ予選含む)は負け過ぎである。
しかしアフシンが修正しない、新しい戦力を起用しないマネージャーなのかといえば、それならば3月の失敗を喰い止めた4月はなかっただろうと思うし、埼玉スタジアムでの歓喜もなかっただろう。
この3ヶ月は本当に、心臓に悪い、そして胃が痛くなるような序盤戦だった。

そして直近の成績を受けて、この日の仙台戦直前に突如行なわれた不可思議な「アンケート」が話題になった。
これは有志によるもので、アンオフィシャルである。
一見、マーケティングのような質問が並ぶ中、肝は明らかにアフシンへの評価だ。TwitterのTLにはアンケートについて良からぬ行動の目撃談もツイートされる。そしてこれは記名式だという。
要するにアンケートを装った解任署名活動ではないか。
正直、それはアンフェアだと思った。どんな理由にせよ(いや本当はその「理由」が一番の問題なんだが)、いくらアフシンが気に喰わないといっても、結果的に同じ場所で戦うサポーターを恣意的な意図に巻き込むような行為である。勿論有志=一部サポーターの熱さはリスペクトするけれども、アンフェアなのは駄目だ。これならばバス封鎖の方が、混じりっ気のない行動の熱さという意味で余程マシだと言わざるを得ない。

解任を求める行動自体はひとまず否定しない。サポーターも「社会」なのだから多様な意見はあるべきだろう。
しかし一番問題だと思ったのは、アンケートが今シーズンを「総決算のシーズン」と位置付けている点だ。
この2年間の経緯を見ても、チーム状況が総決算なわけがない。
総決算というのは、毎年続々と加入する有望新人の中に伸二がいて、タカがいて、アレックスがいて、岩下やエダや元紀がいる状況にあってこそ掲げられるキーワードで、その誰もがいない状況で何の総決算だと言うのだろう(まあ、ユングベリはその中にいないとは思うけれども)。
鳥栖戦後の報道でチーム関係者が「今年は実質一年目」というコメントを出していたが、悲しいけれどもこれが現実だ。「一年目」だからこそアフシンは「チャレンジ」したのだ。
そして、だからこそ、「チームを壊した」アフシンのチャレンジを彼らは憎むのだろう。
クラブの経営状況、リーグのライセンス、移籍システムの導入の中で毎年「ある程度」チームを切り崩しながら戦っていかなければならないことは納得ずくで、である。

思い出してしまうのは3年前の年末に起こった健太ショックだ。
あれでオレたちは酷く傷ついてしまった。
それまでのチームを文字通り壊しながら成長し続け、ほとんど完成しかけていたチームが2010年の秋から冬にかけて無残に崩壊していくのを黙って見ているしかなかったのだから(最後の天皇杯ファイナルでは黙って見ていなかった連中もいたけれども、あの気持ちは、まあ判る…)。
こういうことが起こるたびに、あのときの傷はまだ癒えていないんだなとつくづく思うのである。
チームは毎年のように激しく変化し続けている。
でも、それは決してアフシンだけのせいではないよ。オレはそう思う。

ということでゲームもないのに今週は急遽静岡に行くことにした。いい話ができればと思う。

やはり「実質1年目」/第12節 FC東京戦

2013-05-21 04:38:35 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


TwitNoNukesは神宮前で離脱して原宿駅から味スタへ向かう。第12節FC東京戦
これが実に辛いゲームになってしまった。
いつもだったら負けゲームでも現場で観ている限りはそれでもポジティブに感じられる場面は少なくないのだけれども、失点後の状況はまるでテレビで観た負けゲームのように胃がきりきりと痛むような内容だった。完敗というよりも今シーズン何回か観た自滅に近い。
林のミスは当然ミスとして批判されるべきだとは思う。しかし比較的中心部…というかサンバ隊直近にいたので両失点直後に林を責めるムードはまったくなかったし、最近話題の「野次」もほとんどというほどなかったと思う(これがアウスタだったら空恐ろしいと思ったが)。しかし林のミスよりもショックだったのは、失点後のチームのリアクションが余りにも拙さだ。ゲーム終了後には泣き言めいたツイートをしてしまったけれども、それは実感だった。
3月の騒動の最中、チーム関係者がスポーツ報知にコメントした「今年が実質1年目」を嫌でも実感した。

それでもコールリーダーはリバイブやVAMOSなどメロウなチャントを一切使わずいつものマーチやグリコを押し通した。途中で息切れしかけたとはいえ、それはそれで理解できる。終盤に向けて急激に萎えつつあったゴール裏にできることはそれしかないのだから。
周囲が萎えるような「お客さん」の野次が入り込む余地はゴール裏には本来ほとんどない。

勝ちなしの3月、負けなしの4月ときたら、GW2連敗後は勝ったり負けたり引き分けたりの5月かなとも思っていたのだが、その通りになってしまった。6月の中断期間まであと2ゲーム。ミッドウィークのナビスコ予選マリノス戦は完全な消化ゲームになってしまった。ベストメンバー規定があるとはいえ、チャレンジングなメンバー構成になる可能性は高い。
アウスタに駆けつけられる状況ではないのだけれども(週末の仙台戦だってヤバいのだが)、こんなときこそサポーターの後押しは大事だと思う。自分の居場所をポジティブになるのもネガティブなる(する)のも自分次第なのだから。
地元の衆に託します。

空回りする「勝とうという気持ち」/第9節新潟戦、第10節川崎F戦

2013-05-07 18:39:17 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
日本平で連戦というゴールデンウィークシリーズの第9節新潟戦第10節川崎F戦はスカパー!で参戦。
共に1-2というスコアで連敗を喫したが、カウンタータイプのチームに対してそれなりに抗していた新潟戦に対して、川崎戦はゴールシーン以外はほとんど観るべきところがなかった惨敗としか言いようがない。
吉田の先制ゴールを川崎の實藤に「事故のような」と腐されても何だか素直に受け止められるような内容である。何もやらせて貰えないあの感じは、1ヵ月前の広島戦を髣髴とさせるものだった。完敗と言いたい気分はわかるのだが、どうも出し切って負けたという印象はなく自滅に近い形でスコア以上の惨敗をしてしまったように思う。吉田は終了後にこうコメントている。

「チーム的にはみんなハードワークしていたし、勝とうという気持ちは表われてましたけど、結果が今はついてこなくて悔しい状況です。ただ、みんなで戦えたという気持ちはあります」

いかにも強気な吉田という感じのコメントではあるが、アフシンのハーフタイムコメントを受けた記者の質問に対しては問題点に関して率直に語る。

「みんなフワッという感じで入ってしまった部分もたぶんあると思いますし、その中でアプローチに行く部分で1歩遅れて、それがどんどんズレていって、崩されたという場面があった」(以上J's GOAL 5月6日付

「場面もあった」というか、「場面ばかりだった」というか。
ただ「フワッ」という表現はよく分かる。ボールホルダーに対するアプローチがことごとく軽く、アグレッシブさに欠けていたのはなぜなのか。確かに「ハードワーク」であったかもしれないが、それは空回りだったことは、まあ間違いがない。軽視していたとは決して思わないが川崎戦は憲剛、大久保不在の4月のナビスコ予選のようなイメージで戦ってしまったのではないか。日本最高クラスの絶対的なパサーを得た川崎は八宏の提唱する多彩なパスサッカーを表現できていた。広島戦のような惨敗、というのはそういうことでもある。

それでも4月の戦いの中からアフシンの信頼を得た竹内の起用、キャラの離脱に対する浩太のCB起用は今後の戦いの光明になったとは思う。特に今回は大成功とは言えない結果になってしまったものの、アフシンがCB(及びボランチ)に何を求めているのか、はっきりとわかったのではないか。
ホームで連敗した結果を受けて、「革命や理想どころではない」という気持ちはわからないでもない。でも、どんな時だってそれをベースにしていなければサポートなんてできないと思うのだ。勿論結果は絶対的な評価だけれども、サポーターにとって目先の勝ち負けだけが絶対的な価値ではないはずだ。
次は今週末、アウエイで甲府戦。

誰一人逃げることなく/第8節 浦和戦

2013-04-30 00:40:44 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


アフシン「我々にはJリーグでの経験が浅い選手が多い。これだけ脅威があり、素晴らしいスタジアムで試合することもあまりない。前半はそういった心理的な問題もあったのだろう。(中略)スタジアムの雰囲気に飲まれてしまったのかも知れない。だから、彼らを励まし、勇気を与え、自信を持たせて後半に送り出した。それが勝利の鍵となると思っていた」(エスパルス公式 4月27日付

土曜日は埼スタで浦和戦
ゴール裏上段は声を出す人も少なく、コールやチャントよりも野次の方が声が出ているような有様だったが、それでも声を上げなきゃ始まらない。しかし埼スタのビジターゴール裏の構造上の問題なのか、ここほどコールリーダーのリードやサンバ隊、ドラムが聞こえづらいゴール裏もない。火曜日のナビ大宮戦では少数ながらかなりハイテンションなサポートができていたと思っていただけにゲーム内容同様、粘り強く声を上げ続けるしかなかった。
それでも後半、そしてバレーの先制ゴール以降はゴール裏全体がスパークした。
打ち合いが楽しいのは確かだが、ウノゼロこそゴール裏の醍醐味だと思うんだな、やっぱり。

レポートでは「圧倒的に攻め込んだ」とも書かれるし、レッズのプレーヤーからは「あの一本」を連呼されているわけだが、それは本当だろうか。数字上は確かにそう言えなくもないだろう。シュート数は12対3だし、ポゼッションも清水は30%台でしかない。しかしゲームプランという意味では「圧倒的に攻め込まれ」ようが「あの一本」と揶揄されようが、清水にはまったく「ブレ」がなかったと言わざるを得ない。所謂「戦術バレー」であったり、単純に「引きこもり」と言われるような類の戦い方ではなかったのは確かだったと思う。レッズも我慢だったかもしれないが、エスパルスだってまだまだ本調子でない中で粘り強く戦っていた。
それでも、レッズの圧倒的なホームゲームで、あの3月の戦いを乗り越えて、「ここ」まで辿り着いたのだからオレたちは胸を張って帰ればいいのである。
3月30日にどん底まで落ちたチームが「逃げることなく」4月は結果的に負けなしで終わることができた。本当に、それだけでも胸熱である。
次節は今週末、5月3日にアイスタで新潟戦。

浩太「3月の苦しい時期に誰一人として逃げることなく、みんなで信じてやろうと誓った結果だと思う。(中略)この結果に甘えずにやっていきたし、5月も気を緩めることなくやっていきたい」(エスパルス公式 4月27日付




さてゲーム終了後にまた“事件”が起こった。
今回はコア衆が4時間以上に渡ってレッズサポーターに出口を封鎖され"軟禁状態"になってしまったという。勿論オレがまだゴール裏にいた時点でもレッズの若い衆が煽りに来ていて、不穏な雰囲気があったのは事実。ネット上にはいくつかの“原因”が挙げられているが、それは所詮は後付の屁理屈というもので、昨年のエコパでの一件などを考えれば要するに遺恨、私怨の類としか言えないものだろう。
煽り合いはサポーターの習い性である。それはそれで仕方がないもので止めることなどできないと思うのだが、一線を越えてしまったときにクラブや協会はどう対応するのか。
遺恨(私怨)の連鎖はヒルズボロへと繋がっている。それはあながち大げさなことではないと思うのだ。

このゲームは山田暢久の20周年記念ゲームだった。キックオフ前の選手紹介で彼の名前が告げられたとき、オレはブーイングよりも拍手をした。周囲の人たちも同調して拍手していた。
遺恨は遺恨として、そういうスタンスは大事にしたい。
ゲームの遺恨はゲームで、サポートの遺恨はサポートで返すしかないんだよ。

「3月」を越えて/ヤマザキナビスコカップ Aグループ 大宮戦

2013-04-27 01:52:28 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


火曜日はナビスコカップ予選、大宮戦
スタジアムへ向かう途中、通り過ぎていく大宮サポーターの雰囲気は悪くない。悪くないというか良い。良いというかかなり調子に乗っている(主観)。それに加えて、あんまり信憑性もないので気にすることはないのだが前日にJ's Goalの試合前投票で圧倒的大宮有利を見てしまって、結構ムカついていたのである。
それはともかく。
まあずっとゲームを観続けている人間としては3月の悲劇からは格段の成長を見せているとは思うのだが、大宮が負ける気がしなかったのも事実だろう。何てったって現在Jで一番の安定感を誇るチームである。

しかし3月の開幕戦ではそのチームから2ゴールを奪っている。そして、どう考えても勝ち越しを決めるチャンスはあった。開幕戦だったということを差し引いても、である。
やはり、あのゲームで勝ち越せなかったことが3月の悲劇を招いてしまったのではないかと思えて仕方がない。過緊張は若いプレーヤーたちの身体を縛り付け、3月の無残な戦いを強いた。開幕戦ではそれでも動いていた身体が、その後、目に見えて動けなくなっていた。
ダービー、そしてホームゲームでのバス封鎖を肯定するつもりはないが、やはり広島戦がピークだったのだろうと思う。アフシンが4月の非公開練習を決め、サポーターは全力で応援するしかない、プレッシャーの低いアウエイの鳥栖で初勝利するというのは実にわかりやすり展開ではあった。チームの状況は変わってしまったし、ナビスコ予選ということでメンバーも替わってくるわけだが、3月の開幕戦からオレたちはどこまで前進したのか、それを計る意味でも大宮戦は是が非でも観なければならないと思った。

結果、取られて追いついて勝ち越して追いつかれて突き放す、という実に劇的な展開になった。身体はあのときのように動けていたし、ゴール裏は確かに少なかったかもしれないけれども全体がハイテンションでサポートできていた。特に後半に入って投入されたバレーが、皆が期待していた「バレーらしさ」を全開させて2ゴールを奪ったことは今後の戦いの光明になった。

終了後、選手バスを待つ。いや、本当はそのまんま呑みに行こうと思ったのだけれども、3月の広島戦を思い出して待った。
林や瀬沼、キャラが声をかけるサポーターの傍に寄り、握手やサインに応える(瀬沼は本当に礼儀正しいなあ)。バレーの姿が見えると一際大きな声と拍手が起きた。
そしてアフシンはクーラーボックスからペットボトルを何本か取り出し、サポーターに向けて放り投げ、プレゼントした。オレはとにかく握手がしたかった。何人かのサポーターと握手したあとに、去り際のアフシンと握手をした。アフシンの手は柔らかかったけれども、オレは思いっきり強い握手をした。
アフシンはちょっと痛そうな顔をしたような気がするけれども、それがオレの謝罪の気持ちだ。いや、感謝かもしれないけれども。

今日は埼スタで浦和戦。日本平を除けば日本一のアウエイである。
ペトロヴィッチや柏木は「私たちのサッカーにブレはない」と言っているらしいが、もうオレたちも「ブレ」はないと思うよ。
最高のアウエイで、全力のサポートをしよう。

「みんなでやろうや」/第7節 C大阪戦

2013-04-23 03:27:53 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


村田「エスパルスはホントに何かチームとして『みんなでやろうや』みたいなところがあるから、そういう風なところも良いんじゃないっすかね」(Sの極み 4月21日付)

土曜日はアイスタでセレッソ戦
日本平が予想以上に寒く、さらにスタンドも結果的に1万人程度と先週の雰囲気からはまったく寒い状況になってしまったが、ゲームは前島さんの戦評のように熱いものになった(それにしてもクルピはいつも言い過ぎだと思うが)。清水を棚に上げてセレッソの状態云々に言及する人もいるけれども、ポジティブに評価していい内容だったと思う。

扇原のラッキーミドルが決まってしまった瞬間もピッチだけではなく、スタンドも決して下を向くような状態ではなく(野次も若干含みながら)後押ししていた。近年のセレッソ戦というと乱打戦か、もしくは一方的にセレッソに打たれまくるという、実に嫌な相手なのだけれども、3月の状態を抜け出しつつ、概ねゲームをコントロールできてようになったことを実感した。
クルピがブラジルトリオを諦め、アフシンが村田を投入したあたりからゲームはさらに加速する(村田はまさに期待通りだった)。加速し始めると、スピードはともかく、良いポジショニングを見せていた翔のスタミナ切れが露呈してくる。練習試合で結果を出しつつ、クラブ関係者にも、そして三保でいつも彼を見ているであろうサポーターからも期待され続け、確かに「それ」を匂わせ続ける翔なのだが、この日も結果を残すことができなかった。何だかんだネタ化されるプレーヤーだとはいえ、やはりポテンシャルは認めるべきなんじゃないかと思うのだが、「ケチャップどばどば」は次ゲーム以降に持ち越された。
さらにアフシンは42分に竹内を投入。アディショナルタイムも含めて残り10分程度のプレーではもったいないぐらい、この日の竹内も動きが良かった。終盤はオープンな攻防だったとはいえ、ミドルを打てるチャンスもあっただけに竹内にも結果を残して欲しかった。
セレッソ戦はいつでもそれなりに面白いゲームになるのだけれども、今季初めて90分を通して「面白いゲーム」が観られた。もはや、これは「前進」と言わざるを得ない。
いつまでも3月の清水だと思うなよ、ということである。

タイムアップ後、セレッソゴール裏からは「村田コール」が起こった。
それはそれで幸福な光景だったのだけれども、オレは宏介を思い出してしまった。奴もあんな飛び出し方さえしなければ、こんな風に今でも愛されていただろうなと思う。プレーヤーとサポーターの関係というのはナイーブなものなのである(勿論枯れについては今後も末永くブーイングでオケです)。

そして今日は運命のナビスコカップ予選大宮戦。
シーズンが始まって2ヵ月も経っていないのに「運命」というのも大げさだが、このゲームに勝たなければネビスコカップ予選突破は消滅するだろうし、アフシンの「51試合」もなくなってしまう。
また3月の開幕戦で対戦して以来、18戦負けなしを続けている大宮を相手に、オレたちはあの3月からどこまで前進できたのか確認するゲームにもなる。アフシンは週末の浦和戦に向けて浩太を休ませるようだが(CB2人を休ませてやって欲しいぐらいだが)、J's Goalの試合前投票のような一方的な内容にはならないと思うよ。
今日の結果次第で浦和戦も見えてくる。
まあ火曜日ということもあるし、スタンドはまた多少寂しい感じになってしまうんだろうが、全力でサポートする。
みんなでやろうや。

素人にはおすすめできない、か/第6節 磐田戦

2013-04-16 02:49:00 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


土曜日はアイスタで静岡ダービー
特に前半はボールがまったく収まらず、何を慌てているのかミスも多かったために序盤からジュビロにやられ放題だった。
前田や金園のシュートは何で決まらないかと思うのだが、3月のナビスコカップ予選での大敗の印象が強過ぎたが、ジュビロだっていまだにリーグ戦では未勝利である。しかしこの日の前半の内容を見れば、清水が悪過ぎたこともあるとはいえ、何で未勝利なのかさっぱりわからない。
それほど一方的だったということで、スタンドからはずっと野次が飛ぶ。ずーっとである。途中アフシンか指示を受けて積極的にプレスに走る竹内は目に見えて良くなったと思うけれども、河井に関しては気の毒なぐらいゲームに振り回されていた。
後半も修正されたとはいえ、まだイーブンな展開といえない状況が続く中で、大輔のゴールが決まった。
このときのアイスタのスパークは凄かった。そのまま看板を飛び越えて西スタンドの1階席へ走った大輔も熱かったけれども、もう東スタンドのジュビロサポーター以外のスタジアム全体がヒートアップした。
もう、この瞬間にスタンド全体に漂っていた重苦しい空気が開放された。いくら鳥栖に勝ってシーズン初勝利したとはいえ、ミッドウィークの等々力で川崎相手にそれなりの内容で「前進」を感じたとはいえ、やはりこの日の内容は3月の悪夢を思い起こさせるようなものだった。

残り10分プラスアディショナルタイム。ピッチ内も猛烈に熱くなる。ジュビロだってあれほど攻め込んでいたのにほとんどワンチャンスで決められてしまったら熱くならざるを得ない。それに煽られてトシがレッドを喰らってしまったのは残念だけれども、完全に前掛かりになったジュビロに対して決定的なカウンターチャンスが何度も訪れる(それを外してしまったのがトシの退場に繋がる)。
まずは内容よりも結果。勿論内容で(そして上位で)拮抗してくれた方が嬉しいんだけれども、ダービーらしいダービーが観られたと思う(素人にはお勧めできない)。
次節は来週20日、またもやアイスタでセレッソ戦。今度は結果は勿論、内容で見せて欲しい。

竹内「(勝ちロコは)気持ち良かったですね。ただ、ダービーでこういう試合をしてファンの人はどう思っているかわからないですし、自分の中では良いサッカーができたかというと全然だと思うので、そこの質をもっと上げていかないといけないと思います。もちろん、J1のレベルや速さへの慣れもあると思いますが、いろんな面で自分にとって収穫の多かった試合だと思います」(J's Goal 4月13日付



飯竹さんの「憶測」について

2013-04-16 01:06:36 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
フットボールチャンネルに掲載された飯竹さんの「守備的な戦いにシフトしてトンネルを抜け出した清水。根本的な問題は解決されたのか?」の「憶測」について書いておきたい。
ちなみにチーム現状分析やゲーム分析に異論はない。
あくまでも3ページ目に掲載された「憶測」について書きたい。

今シーズンの公式戦初勝利となった鳥栖戦後の記事に、こんな「クラブ幹部」のコメントが掲載された。

「長い将来を考えた末の決断。有望な選手がそろったし、彼らに懸けた。監督は3年目だが、全体を考えると、今年が改革の1年目」(スポーツ報知4月6日付【清水】161日ぶりに勝った!公式戦未勝利12でストップ

2ちゃんあたりでは「3年目!3年目!」と連呼されるわけだが、クラブ関係者の認識では実質「1年目」なわけだ。
これでは大きな認識の溝が生まれる。チームを固定して戦術を積み上げ続けた「3年目」ならば、この結果は当然批判されてしかるべきものだと思うが、ずっと観続けている人ならばわかるように、アフシン就任直前と同様、この2年は激しい選手の入れ替えが行われてきた。
この入れ替え劇がアフシン主導なのか、それともフロント主導なのかはまだわからないが(まあ、身も蓋もない言い方をすれば「両方」だろうが)、少なくともサポーターならば、その「事情」は理解しているだろう。その象徴が例えばアレックス。あの時点でアレックスを移籍させるのは戦術的にはあまりにも痛すぎる判断だったと思うが、しかしクラブは放出せざるを得なかった。



それでもアフシンは、「3.11」でエクストラなシーズンになった1年目は驚愕のユングベリ獲得で終盤戦に期待を持たせてくれたし、2年目は伸二、タカを融合させたチームで前半戦を快走し首位争いした後、夏以降は若手を主力に切り替えナビスコカップではファイナリストにまで上り詰めた。
その時々のメンバーをマネジメントしながら、それなりの結果を残してきたのは紛れもない事実だ。
これで「戦術がない」というのは酷な話だと思う。また今回のダービーの選手起用に関してもナビスコカップでの活躍を受けて竹内をスタメンに起用、広島戦でレッドを喰らった岡根もベンチ入りした。これで「アフシンとプレーヤーに溝がある」「起用に偏りがある」「好き嫌いがある」というのも実に頓珍漢な話だ。ダービーのタイムアップ直後の清水ベンチの様子を目の前で見ていた人間としては、とてもそんな風には見えない。



ましてや違約金云々というのは、あまりにも簡単に思いつきそうな「憶測」過ぎるのではないか。
例えばそれが真実だとしても、クラブ幹部による「一年目」というコメントから察するクラブのヴィジョンとはあまりにも食い違い過ぎるのではないか。
飯竹さんは何であのような意味不明な憶測を結論に付け足してしまったのか、さっぱりわからない(勿論結論にある「一丸」に関しては同意です)。

革命の行方/ヤマザキナビスコカップ Aグループ 川崎戦

2013-04-12 00:00:29 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


水曜日は等々力でナビスコカップ予選川崎戦
「ゴトビ革命」と「革命前夜」の革命対決である。
革命というのは、まずヴィジョンを打ち立て、そのメッセージを広く伝えること(出版)から始まる。その意味では、革命の萌芽だらけで、何にも成果を受け取っていないのに本を出すというのはまず「革命」的に正しいのだ(皮肉じゃないですよ)。そしてその意志を実行し、どこまで貫き通せるかが革命を成就させることができるかどうかの分かれ目となる。
有言実行で革命を進める両者が、同じように、そして同じタイミングで苦悩するような状況になっているのは皮肉だが、それもまた当然の帰結か。まあ、しかしサポーターにとってみれば悩ましいどころか、メッセージが結果になかなか結びつかないチームにキレるような人もいるんだろうけれども、革命戦士(サポーター)は理想を信じて支えるしかないわけです。
オレは理想主義者です。

すでに未勝利ロードに入っていた去年11月のリーグでの対戦でも内容的にはナビスコファイナルに近い状態の好ゲームを見せていた対戦相手。自慢の攻撃力は相変わらずも、いまだに調子に乗り切れない川崎、である。
初勝利には大いに盛り上がったのだけれども(土曜日は呑みすぎた…)、もう、とにかく、次が大切だと思っていた。
勿論予選を突破するためには結果も必要なのだけれども、初勝利のプレッシャーからもひとまず解放され、両チームとも多少メンバーを変更してきたこともあり、今回は内容が問われる。
週末には今度こそ結果も内容も問われるダービーが控えている。

内容から言えば今回はチームが確実に前進していることを確認できただけでも十分納得できるものだったと思う。
今季清水に復帰した竹内が攻撃面のアクセントとして機能していたことも確かだったし、カウンターやセットプレーに苦しめられた中で櫛引の活躍も光った。選手層という意味でも確実にチームは前進している。特に前半は顕著だったが、中盤の激しいプレスにチーム全体がキックオフ直後からゲームをコントロールしようという意志を感じられた点はポジティブに受け取れた。贔屓目を差し引いたってゲームは清水のもので、数回のカウンターとセットプレーぐらいしか川崎にはチャンスはなかったと見た。多少ペース配分に無理があったとしても(それはそれで、「若い」のだからいいのである)、それは「全力(を出し尽くして)で闘う」というメッセージである。
これには「去年の状態に戻りつつある」と感じた。去年の状態に戻りつつあるので「内容はいい(悪くない)けれども、結果がついてこない」というわけである。90分通して決定的なゴールチャンスも少なくなかった。清水並みの大量失点を繰り返している川崎相手とはいえ、ゴールは近づきつつある(勿論川崎…というか、これほどの状況になれば八宏さんだってさすがに「無失点」は強力なテーマになっているはずだ)。

しかしJ's Goalの八宏インタビューの、特にスカウティングの件は川崎を取り巻く状況の悪さを証明しているんじゃないか。清水も3月に嫌というほど味わったが、チームの状態はともかく、川崎は去年から状態よりも「状況」に悩まされていると思う…まあ結果が出なければ仕方がない面もあるんだけれども。
ていうかですね、
<Q:向こうがゴール前がうまくなかったということで安心してたところはありますか?>
この質問、スカウティングの話題で弄ばれている八宏だけじゃなくて清水にも失礼過ぎだろ…こんなんだったら清水戦以外で川崎の革命成就も祈りますよ。

そんな川崎の「革命前夜」はともかくオレたちの「ゴトビ革命」は続く。
オレとしてはゴトビ解任論のトーンダウンはもはや間違いないと思っているのだけれども、おそらく明日のダービーでその方向性が決まる。
現場へ行かないわけにはいかないじゃないか。
オレたちの「革命」の行末を決定付ける静岡ダービーはIAIスタジアム日本平で、明日土曜日17時キックオフ。


ちなみに等々力陸上競技場のメインスタンド(スタンドはすでに不使用)、思いっきり工事現場みたいな仮設でした。