マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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地黄町ススツケ祭り

2008年06月19日 07時24分38秒 | 橿原市へ
風薫る季節の五月は子どもが中心となってノガミさんを祀る行事が奈良盆地で見られる。

なかでも白いパンツを着た小さな子どもに、年長者が墨汁を身体中に塗りつける橿原市地黄町のススツケ祭りは特異な行事。

当屋の門口には三宝に載せた蝋燭とカワラケ盃が置かれている。

前年当屋は酒を持って当屋の家を訪問する。

玄関口で酒交する所作は引継の儀式。

そのころには笹竹を手にしたパンツ姿の子どもらが現れる。

代表の子ども2名は門口に置かれた所に一歩前にでる。

そして、サイレンの合図とともにトヤの目の前で笹竹を打ち付けカワラケ盃を砕く。

さぁー、これからがススツケ祭りのはじまりだと人麿神社に向かって走っていく。

会場となる境内は観客席と呼ぶのかロープが張られていて周りは人、人、人。

墨汁をたっぷりと付けて裸の子どもに塗りたくる。

しまいには顔まで真っ黒で目が光っている。

現在は墨汁なのでスミツケ祭りとも呼ばれるが、本来は竃の煤を集めてそれを付けていたことからススツケ祭りといい、多く付くほど豊作になるとされています。

翌未明、お籠もりした子どもらは蛇綱を作り、真っ暗な道を歩んで農神さんに絵馬を奉納する。

豊作を祈願して町へ戻るときの帰り道、子供達は大声で「ノーガミさんオークッタッ、ジージもバーバも 早よ起きよ!」と囃子ながら元気良く戻っていきます。

参られた数多くの絵馬は積み重ねるように捨てられている。

ススツケ祭は一連のノガミさんの行事から独立したようにみえることから特に呼称してきたようだ。

(H20. 5. 4 Kiss Digtal N撮影)