本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ヨーロッパ近代史

2022-03-12 06:31:11 | Weblog
■本
20 ヨーロッパ近代史/君塚 直隆
21 道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔 /佐々木 亨

20 ウクライナ危機を受けて、ほとんど知識のないヨーロッパの歴史を学びたくて読みました。レオナルド・ダ・ヴィンチ、マルティン・ルター、ガリレオ・ガリレイといった、それぞれの時代を代表する人物に焦点を当てつつ、時間の流れに沿って語られる構成が、読み物としてとても面白くわかりやすいです。個人的には、当時の状況で、教会に反旗を翻したマルティン・ルターの勇気に感銘を受けました。それぞれの人物を語る流れを通じて、現代ヨーロッパを支える、神に対する人間の再評価、個人主義、科学に対する信頼、平等、等の価値観と、それが第一次世界大戦などの戦争の大規模化、総力戦化により、個よりも国家を重視する風潮に傾きつつある姿が巧みに描き出されています。最終章がレーニンに焦点が当てられ、「ヨーロッパの近代」の終わりと位置付けられている点も、昨今の状況を予言したかのような気がします。最後に筆者が提示する、「責任ある態度」に裏打ちされた「個人」という考えかたを再考すべし、というメッセージが身に染みます。

21 コロナ禍で沈む昨年の日本、いや世界中を勇気づけてくれた大谷翔平さんの生い立ちに迫った本です。もめていた今年の大リーグ開幕も、ようやく決まったので読みました。大リーグ移籍を決めた時期に出版された本なので、昨年の大活躍には触れられていませんが、そこに至る過程や、大谷選手のマインドセットを知る意味ではとても興味深い内容です。大谷選手の前例のないものに挑む姿勢と、それだけの大きな挑戦に自然体で挑む姿、そして、失敗を恐れず、それもプラスの経験と捉える器の大きさに圧倒されます。大リーグ挑戦という大きな目標をいったんは決断した高校3年生の大谷選手に、投打「二刀流」という新たな魅力あるチャレンジを提示した、日本ハムという球団の決断にも痺れます。高校を卒業してすぐに大リーグにチャレンジしていても、大谷選手は投手か打者のいずれかで大成功を収めていたと思いますが、日本ハム入団という決断をしていなければ、現在の「二刀流」の大谷選手が存在していないということもよくわかりました。それだけに、花巻東高校野球部佐々木監督や栗山監督との出会いなども含めて、大谷選手が様々な偶然の出会いに支えられて成長してきたことと、その出会いを引き寄せるだけの力を持っていたという事実に、いろいろと考えさせられました。やっぱりすごい選手です。今年の活躍も楽しみです。


■映画
15 スターリンの葬送狂騒曲/監督 アーマンド・イアヌッチ

 こちらもウクライナ危機を受けて、ロシアについて知りたくて観ました。スターリンが死んだあとの権力闘争を描いたブラック・コメディです。スターリンの独裁的スタイルが今のプーチンと重なりますし、その取り巻きのやるせなさ、えげつなさは、今のプーチンの周囲にいる政治家にも共通する点が多いであろうことが推測されます。傍から見ていると、横暴にしか見えないスターリンが、意外と国民から慕われているのも(その動機は恐怖心からなのかもしれませんが)、プーチンに共通している気がします。そのいびつな政治体制とその崩壊後の混乱の滑稽さが、今となってはシンプルに笑えないところが切ないです。この作品のように、永続する絶対権力は存在しないということを信じたいと思いますが、一方で、歴史が繰り返されている現実を思うと、人間の愚かさに少し絶望的な気にもなります。ロシアという国の特徴を、気楽に学ぶにはよい作品だと思います。
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