本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

父と私の桜尾通り商店街

2024-09-01 08:04:45 | Weblog
■本
76 父と私の桜尾通り商店街/今村 夏子
77 人間中心設計入門/山崎 和彦/松原 幸行/竹内 公啓

76 引き続き今村夏子さんの作品を読んでいます。相変わらずぶっとんだ発想の短編小説が満載で、とても楽しめました。特に「せとのママの誕生日」という作品が秀逸で、寝ているスナックのママの身体の上に、元従業員が思い出話をしながら(しかし、その全員が一緒に働いた時期がないというトリッキーさ!)、レーズンの乳首や酢コンブの眉毛など、身体の各パーツに模した食材を置いていくというシュールな話が展開されます。各従業員がそれぞれ、かなりエグメのパワハラを過去にママから受けていて、その復讐のような、ママへの愛情表現ような、奇妙な儀式が繰り広げられる様子に、ダウンタウンさんの全盛期のコントのような印象を受けました。どの小説も、一見突き放しているようで最後で見捨てない、ほんのりとした優しさに貫かれた視線から、喪失感とこだわりの過剰さがもたらす滑稽さが描かれていて、いろいろな感情が入り混じった奇妙な感覚に陥りました。読み物としてもシンプルに面白く、あらためて今村夏子さんの溢れんばかりの才能を堪能できました。

77 UX検定の受験を検討しているので、学習推奨図書に指定されているこの本を読みました。まさに教科書といった趣で、広く浅く人間中心設計(HCD)に必要な知識を教えてくれます。ハードウェアに関する記述もありますが、どちらかと言えば、ソフトウェアやウェブサイトのUXについて検討する際に役にたちそうです。序盤はイラストも多くとっつきやすいのですが、中盤以降の専門的な章になると次第に難しくなっていきます。共著のためか、章ごとに難易度がずいぶんと異なる印象です。ひとつの節を見開きのページでまとめようとされているので、内容によってはかなり詰め込み過ぎで、図表等も小さく見にくいです。この本でHCDの全体像を概観したのちに、興味のある部分を掘り下げて学んでいくのが正しい使い方だと思いました。


■映画 
73 マーベリックの黄金/監督 サム・ワナメイカー

 ユル・ブリンナー主演の1971年製作の西部劇です。南北戦争の戦友でもある、窃盗団のリーダーと保安官との奇妙な友情をベースにした、クライム・コメディです。持ち主不明の黄金争奪戦が描かれています。保安官のユルさとお色気シーンがあることから、アニメの「ルパン三世」と少し似ていると思いました。内容の方はストーリー間のつながりの描き方が稚拙で、テレビアニメシリーズの総集編を観ているかのような印象を受けました。ユル・ブリンナー演じる、どんな危機でも終始にこやかな窃盗団のリーダーを筆頭に、キャラクターは魅力的だったので残念です。
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