本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

Dummy

2011-11-13 06:39:02 | Weblog
■本
91 期間限定の思想 「おじさん」的思考2/内田 樹

 内田さんの時評エッセイ集。例によってトリッキーな語り口とそのバックに垣間見える膨大な知識に圧倒されます。第一章の女子学生と内田さんの会話形式の文体は、個人的にはあまり好きではありませんでしたが、今のユルイ師弟関係ってこんな感じなのかしら、と興味深くもありました。コミカルな語り口ですが、就職難や日本の官僚の劣化、など、かなり悲観的な論調も目立ちます。「家族の持続期間」という考え方は衝撃的でした。でも、賞味期限があるからこそ、その時間を慈しめる、というのも事実だと思います。うちの息子達も18~22あたりで家から追い出そうと思いました。


■CD
70 Dummy/Portishead
71 Graceland/Paul Simon

70 暗く陰鬱で美しい作品。朝聴いたら会社行く気がなくなりました。秋の夜長に浸りたいときに聴くべき作品だと思います。Massive Attackと合わせて語られることが多いですが、Massive Attackが曲全体の完成度で勝負しているのに対し、Portishead
は女性ヴォーカルの声をいかに活かすかに力点を置いている気がします。また、Massive Attackが時代の先端を目指しているのに対し、Portisheadはあえてレトロな雰囲気を狙っているとも思いました。個人的には、Massive Attackの革新性の方が大好きなのですが、この作品も繰り返し聴きたくなるような魅力に溢れています。ただ、いろんなやる気は本当になくなるので使用上の注意が必要です。

71 文句なしの名盤。80年代にアフリカンテイストの楽曲が注目されましたが、その最高峰に位置する作品だと思います。一筋縄でいかないメロディラインも心地よく、ポール・サイモンの卓越したポップセンスが、他の作品以上に発揮されているという意味でも、素晴らしい作品です。


■映画
51 21グラム/監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

 「生命」という重いテーマを重厚な俳優陣で描いた重い映画です。メインキャスト3人のエピソードを短く切り刻んで、時間軸を無視して配するやり方に賛否が分かれそうですが、重いテーマに観客が離脱させないという意味では効果的だと思います。希望も救いもないエンディングは、観る側に容易な結論付けを許さず、いろいろと考えさせられます。ショーン・ペンもベニチオ・デル・トロも鬼気迫る演技をしていて凄いですが、個人的にはナオミ・ワッツの演技に一番ひきつけられました。
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