これぞ日本の日本人

■本
６１　買いたい空気のつくり方／電通S.P.A.T.チーム
６２　これぞ日本の日本人／松尾 スズキ
６３　次世代広告コミュニケーション／横山 隆治　他

６１　それなりに知識を得られる本だとは思いますが、広告代理店が販促ノウハウについて書くという着想のユニークさと、タイトルの秀逸さ以上のものはないような気がします。専門用語が多く、実例の写真や図が少ないので、この分野の実務経験のない人には少しわかりにくいです。業界関係者や実務者向けに書かれたものであると考えれば十分な内容なのかもしれませんが。

６２　なんか全然すごい感じがしないのに、なぜかすごい松尾スズキさん。この本も、どこか卑屈な独特の視点が光ります。「自分には書きたいことがない」と言い切るところが素敵です。お金を払う側の人間が店員に威張る姿を、「プチ権力をかざしていてあさましい」とおっしゃるところも共感が持てます。確かに威張って当然の立場の人が威張るのはちょっと違うかなと思います。僕も時にそういう態度を取ることがあるので反省ですが。。。「弱きを助け、強きを挫く」みたいな生き方はできないですが、たいていの人には物腰低く、高圧的な人（政治家、公務員、ＪＲ職員など）には慇懃無礼で接するくらいの気概は持ちたいと思います。

６３　６１もそうですが、複数の筆者によって書かれた本は、章によってクオリティがまちまちなので、ちょっと読むのがつらいところがあります。自分の関心もあるのかもしれませんが、１、２章は示唆に富んだ内容、３章がちょっとつらくて、４章がまずます、と言った感じでした。ちょっと概念的なカタカナが多すぎて、上滑りな感じもしますが、専門家にはそれらの概念が共有されているのかもしれません。その中で「クロスメディアからクロスコミュニケーション」という定義づけは「メディアありきではなくコミュニケーションありき」という指摘の納得感が高かったです。