なんらかの知(悟性・理性)が動くよりはやく
世界に感応し、欲望し、丸ごと世界にまみれて生きている
なんらかの判断が動くとき、つねに先行して
情動(喜怒哀楽)に色づいた世界が目撃されている
図式化すればこうなる
──「知」は「情」に先行できない
人間は知であるより先に感応として世界を生きている
この地平を〝母〟として〝子(ことば)〟は懐胎され分娩される
すべての知の生成は母なる地平の要請に由来する
したがって、知は知として自己完結できず
知の妥当性は必ずこの地平によって試されなければならない
(この要請から外れるとき知は暴走する)
知(ことば)を要請する人間が生きる根源的地平
この場所をフッサールは「生活世界」と呼んだ