子供たちは、我々以上に、表層の生活と深層の生活とを合わせ持っているものだ。
表層の生活はごく単純だ。なにがしかの規律で片がつく。
だが、この世に送り出された子供の深層の生活は、
創られたばかりの世界が奏でる不協和音の調べだ。
子供は一日また一日と、地上の悲しさ美しさをひとつ残らず、
その世界に納めていかねばならぬ。それは内なる生命が払う巨大な労苦なのだ。
(L=F・セリーヌ『ゼンメルヴァイスの生涯と業績』菅谷暁訳)
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知らないことを罪(恥)の意識で満たしてはならない
知らないことを「ウィ Oui」のシグナルで迎える
少しだけ多く知をもったオトナが負う務めがある
ことばにすれば一つ
どんなかたちでもいい
ヴェイユが〝聖〟を帯びたものとして語ったもの
だれもがそれを求め糧として生きているもの
le hommage 敬意
未だそれを与えることを知らない存在へ
みずから一番受け取りたいものでもてなす