したためる最初の一文字
かたちを決めることを拒むものがいる
ことばが照らすことができない
ことばを照らし返しているものがいて
すこしでも距離を埋めようとすると
すみやかに遠ざかっていく
なにか誘うシグナルが動いている
なのに向かう唇を拒むものがいる
呼ぶ声が響いているけれど
わずかな接近さえ禁じる声が混じっている
走りやすく
行きすぎやすく
語りすぎるものへ
接続のラインが確定へ向かうと
透明な裏切りへと転移していく
触れることで壊れていく
壊さないで触れることはできない
かたちを決めることを拒む心がいる
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