イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

東電、やっぱり責任放棄

2011-05-01 14:15:31 | 国際・政治

  やっぱり、と言う書き方が正確であろう。東電資本の汚さ、強いては日本の財界の「卑しさ」と言う鎧が衣の下から見えてきた。

朝日新聞(H23年4月27日付け、朝刊面)によれば、福島第一原発の事故に絡み、福島県双葉町の会社社長の男性(34歳)が東京電力に損害賠償金の仮払いを求めた仮処分申し立てで、東電側が今回の大震災が原子力損害賠償法(原賠法)で事業者が賠償を免責される「異常に巨大な天災地変」に当たるとの見解を示した。

原子力損害賠償法の3条には、異常な天災地変が起きた時の事業者側の免責規定があることをして、今回の地震と津波は想像を超える被害によるものだから仮処分の申請そのものを却下するように、26日付けで東京地裁に準備書面を提出したのである。

 この100万年間、地震らしい地震がないパリの地ならいざ知らず、国際的にも地震・火山・津波の常習国である日本で、今回の地震と津波が「異常に巨大な天災地変」に当たるとは、盗人猛々しい言いぐさである。

 仙台の元公立学校教員の飯沼勇義氏(80歳)は、仙台平野の津波の歴史を研究して、およそ200年周期で巨大津波が発生していることを著書(1995年絶版)にして出版している。▼ また、広瀬隆氏(作家・原子力関連著書多数)によっても、1000年前の貞観地震の例を引き合いにだすまでもなく、100年前の明治時代の三陸地震津波では、岩手県の海岸地帯で38mの大津波を記録していると指摘している。

 即ち、今回の津波は東電が主張している「異常に巨大な天災地変」などでは決してあり得ないのである。

 衆議院予算委員会(平成18年3月1日)の議事録がある。つい5年前のもので、自民党の経産大臣・二階敏博や同政務官の片山さつき、高市早苗・青森県選出のアノ大島理森なども委員として出席していた会議の議事録である。

 共産党の吉井英勝氏が地震と津波によって自家発電タービン・配管等の施設が損壊し外部電源も喪失した状態で、原子炉の崩壊熱に対処出来ない状況を想定し、その安全対策を政府に迫った議事録である。つい5年前に国会で指摘・議論された内容は、まさにいま福島第一原発でそっくり起きている事実なのである。

 同年12月22日の国会における安陪晋三首相・経産相の答弁では、『地震津波等の自然災害への原子炉の安全性については「安全設計審査指針」に基づき経産省が審査し原子力安全委員会が確認している。従って吉井英勝議員が指摘しているような、原子炉の冷却ができない事態が生じないように、安全確保は万全である。』とヌケヌケと答弁をしているのである。

 小政党でありながら共産党は、国民の安心・安全のためにきちんと研究し、大震災対策を想定していたのである。

 「異常に巨大な天災地変」だと言って、東電が「想定外」を理由に責任放棄を主張する根拠は全くない。政府自民党と癒着の東電が、敢えて想定しなければならないことをサボタージュしただけのことである。

たぶんに政府自民党と東電の、共産党に対する「予断・偏見・先入観」が、今回の大震災の悲劇に更なる人災の輪を掛けたことになる。


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