イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

新銀行東京の「成果主義」

2008-06-02 23:43:00 | 社会・経済

 金融庁は5月16日、新銀行東京に立ち入り検査を実施した。

資産査定状況やリスク管理態勢などを点検するほか、経営陣の内部管理態勢についても検証する。

都議会では共産党が過大融資を問題視し指摘している。このことについては一時マスコミなども経営上の大きな問題点の一つとして報道していた。

不適切な過大融資は即ちそのまま不良債権に連なる危険性が高くなるからである。都は新銀行に対してマスタープランを押しつけ、その中で過大とも言える融資をさせた疑いが濃厚である。

過大な融資を達成するためには当然のことながら、融資の基準・査定を甘くしなければならなくなる。査定を甘くすれば融資先の倒産などで貸付金の回収が不能となり、いわゆる不良債権が増えるという構図になる。

しかし、驚くべきことに、これに上乗せの話しがある。融資担当職員に対して”成果主義”を導入し融資先の獲得競争をさせたのである。

そのまた条件が奮っている、融資先の倒産が契約から半年以上たっていれば担当者の責任は問われないと言うのである。そして極めつけはその融資担当職員は正規採用ではなく、契約社員だと言うから語るに落つである。

断っておくが契約社員一般を誹謗・中傷する意味では毛頭ない。

融資先得競争で成果を挙げた契約社員には200万円の特別償金が支払われたという。

終身雇用の身分ではない契約社員が新銀行東京の末永い発展成長を目標に今日を働くとはとうてい思えない。彼らは今日・明日を生きなくてはならないのである。

穿った見方をすれば、融資先の企業は6ヶ月間だけ倒産してくれなければ良いという最低限目標を設定した仕事をしがちになるのではなかろうか?

事実、詐欺的な焦げ付き融資が発覚している。(井上埼玉学園大教授、談)。融資詐取疑い35件(朝日:3月21付け報道)

どう考えても200万円の特別賞金はそんな意味合いでしかない。世に言う”成果主義”とは官民問わずこの程度のお粗末さなのである。

いみじくも石原知事自身の『民間の手法を信用しすぎてはダメだ』の発言は当たっている。


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