イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

日記から 60年前の春うらら

2016-03-06 21:51:30 | 日記
 厚い雲はやや強めの南風に乗って流れて行く。
気温は終日15℃と暖かい。
イワン・アサノウィッチはいつものように縁台に腰掛けてタバコを吸う。ちいカップの珈琲とともに。
暖冬だったとは言え、やはり2月中は寒く、防寒着を着用しなくては縁台でタバコなぞ吸ってはいられない。

 イワン・アサノヴイッチ家では室内禁煙である。
8年前に家を建て替えてからのことである。 
雨が降ると困るが、そんな場合は玄関を出たポーチにある小さな庇(ひさし)の下でおとなしく喫煙するか、二階のベランダに出て吸うかの二択である。
だが大概は玄関ポーチである。

 今日は終日どんよりした曇りであったが、気温は高めで防寒着も要らなかった。
庭を吹く、やや強めの南風は、色んな匂いや香りを運んでくる。
湿気が多かったせいもあったのだろう。
土と緑と水をない交ぜにした春独特の匂いである。

 ハッとした。
60年も前の子どものころ、遊びに夢中になっていながらも確実に脳を刺激していた匂い・香りそのものが、いま鮮明に蘇ってきたのである。
全く不意に且つ突然にである。
心はノスタルジイとでも言うのだろうか、そんな気持ちに懐かしく覆われた。

 イワン・アサノウィッチは古希を迎えた。
そろそろ“終活”なのかな・・・と漠然とした気持ちで居た。
今年の年賀状には 『古希を迎えたので“終活”を考えていたら、70歳はまだ小僧といわれ、すこし感動しました。』 と書いたのである。

 それからと言うもの。
“死ぬまで元気”とか“今を生きる”という言葉が、身に染みるようになってきた。
単純に平易にで構わない、特筆するような生き方なぞ必要はないのかもしれない。

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