イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

中谷巌氏の見事な懺悔

2009-02-11 01:27:45 | 社会・経済

 小泉構造改革路線の旗振り役であった、中谷巌氏が見事な懺悔をしている。

氏の近著「資本主義はなぜ自壊したのか:集英社インターナショナル」の序章を読み終えたばかりであるが、イワン・アサノヴィッチは驚き感動した。

序章を読んだだけで感想などを述べるのは早計なことかも知れないが、小泉構造改革路線の過ちを認めた見事な懺悔であると言える。

一文を紹介しよう。

『グローバル資本主義とは、結局のところ行きすぎたアメリカ型の金融資本主義であった。』『小さな政府と規制緩和と自己責任がセットでまかり通り』『モラルは無くなり、勝ち組になることだけが目的となり』『日本社会の安心・安全と人の絆が無くなり、社会的関係も解体される”危険思想”であることに気が付いた。』という具合である。

これは序章のほんの数ページに記述されている事柄である。

小泉は彼の竹中平蔵と組んで、「構造改革、コウゾウカイカク!」と騒ぎ立ていたのである。

しかし、結果は中谷巌氏の懺悔の中で指摘している通り、たかがローン会社(サブプライム・ローン)のひとつが倒産しただけで、行き過ぎていたアメリカの金融型資本主義は大手の証券会社(リーマン・ブラザース)を一溜まりもなく蹴散らし、余波は”グローバル”に駆けめぐり100年に1度と言われる大不況をまき散らしているのである。

中谷巌氏の米国留学と米国での経済活動から編み出された、構造改革路線の理論による実践の失敗は、やはり張本人の中谷巌氏が一番よく認識している。だから、懺悔している。

懺悔は当然である、と言うのは簡単だが勇気を必要とした行為であり、中谷巌氏に敬意を表するものである。

イワン・アサノヴィッチは経済学や金融論は不明であるが、労働運動は些か経験している。

小泉のコウゾウカイカクという言葉がマスコミ等でうるさく言われ始めたころから胡散臭いものが、のさばり始めたと思っていた。

だから拙いブログにも関連記事を発信したものである。単一民族・単一言語・宗教ごった煮(アイヌ民族の否定を意味しない)の日本社会に、これ以上の格差拡大は行き過ぎになり、日本社会が壊れると直感したからだ。

正月の、リストラされた労働者のテント村の出現は、同情に耐えない話しである。残念ながら経済学素人の予測が、いま的中し始めているのである。


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