イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

オバマ大統領、広島訪問。心を寄せて・・

2016-06-03 16:06:51 | 国際・政治
 米大統領のオバマは5月27日に被爆地の広島を初めて訪問した。
他にニクソンやカーターも同地を訪問しているが、現職の大統領としてはオバマが初めてである。
従って議論は百出、波紋騒ぎは日米ならびに二次大戦に拘わった国々からも様々なコメントが発表された。
世界のトップリーダーの行動であるからして、反響には大きなものがある事は当然だ。
米国側の主たるコメントは「謝罪は必要ない」とするものだった。
過ってトルーマンは、戦争早期終結を狙って、敢えて日本に原爆を投下した。としているが、回顧録ではドイツ・イタリアに投下しなかったことは良かった。と明らかな人種差別を根底とする判断を明らかにしていた。
ノーベル賞学者・益川敏英氏の弁によれば、当時ソ連に対抗して核開発をしていたアメリカが実験場を求めて広島・長崎を選択し、ソ連に見せつけたのだと発言している。
一方、国内にあっては、オバマは謝罪をしに来ると多くの国民が思っていたが、マスコミの誘導的な「謝罪はないらしい報道」が連発されて諦念が広まった。
敬愛する米・映画監督のオリバー・ストーンは「被爆者と面談して謝罪をし被爆者の苦しみ・知恵や人間性を学ぶことは大統領の核廃絶の決意に有効だ。」とする書簡を送っていたのだが・・・。
翻って日本の村山富市氏以外の歴代自民政権は中国にきちんと謝罪しているのだろうか?事実は中国国民がストンと胸に落ちる謝り方はしていないのである。
余談に逸れたが、広島で被爆した児童・生徒の体験作文集の執筆者・英貢(はなぶさみつぐ 豊橋技術科学大学教授 80歳)さんは、「今まで家族にも被爆体験を話すことが出来なかったけれど、そろそろ被爆の記憶と正面から向き合ってみる。」と思い始めたそうだ。
そして続けて語る言葉はズシリと響きました。「オバマ大統領の謝罪はいらない。心を寄せてくれるだけでいい。」
イワン・アサノヴィッチは目頭があつくなった。
英貢氏は「あまりにも被爆の体験は強烈で記憶にフタをして来た。」被爆体験作文集の執筆を依頼された時も、皮膚が溶け落ちた人たちの大群が通り過ぎて行く様を描写することは辛く最小限に留めたと話す。
掛かる原爆投下により過酷な体験を強いられた方が・・・さぞかしアメリカに対する恨みも辛みも在るだろうに・・・そして在って当然の筈だが、「心を寄せてくれるだけで良い」と思いを語る心の大きさ。
日米の為政者は心して聞いて貰いたい。

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