朝の連続ドラマ、通称「朝ドラ」を観て落涙したのは初めてのことだと思います。
「雨のちハレルヤ」の2月7日放映分は、前の戦争が時代背景です。
平凡で明るく生きる一家にも否応なく降りかかる苦難の数々がストーリーの筋となっています。
主人公(杏)の長男は大学生となっています。
しかし、在学中兵役免除の筈の長男に突然「臨時召集令状」が届きます。
主人公一家は戦災で焼け出され、経営する食堂も被災しています。
家族は離散し、いまは義理の伯母宅にひっそりと身を寄せる母と長男です。二人は召集令状を前にして愕然としますが国家統制の下ではどうしようもありません。
いよいよ明日は応召の日です。
前夜、長男は声を震わせながら秘めたる思いを母(杏)に告げます。
『家族が普通に夕食を食べたり、笑ったり、時には兄弟喧嘩をしたりする、そんな普通の事が出来ない時代を恨みます。そしてこんな国のあり方を変えたいと思います。』
翌朝、長男は出征します。
見送る人は母(杏)ひとりだけ。
前の戦争で、このようにして二度と帰らぬ人となった方やその遺族は数知れずおります。
為政者は「お国のためだ。」と居丈高に言い放っていました。いまも…。
そんな軍国主義国家の下では、多くの国民は沈黙するしか術がありません。
これが「戦争」というものの実態なのです。
戦争をすることが、お国の為の崇高な行為だとか、例えば特攻が清々しく立派で栄誉ある行為だとか言う人がいます。いまも…。
原作者の森下佳子氏の見解は明白です。そしてその見解は今にも通じる堅守しなければならない国民的なテーマでしょう。
イワン・アサノヴィッチは長男が母に告げた悲愴で真っ直ぐな決意に涙しました。
70年経ったその事柄は、どこか遠くの昔話しでは決してないのだと改めて痛感させられたからです。
余談ですが…。籾井某会長の就任前にオンエアーされた”朝ドラ”番組で良かったですね。
会長権限で理事たちから「辞表」を強奪する人種ですから、この森下佳子さんの反戦作品は没採用になっていたかも知れませんね。
すでに神戸などでは民主的な「憲法集会」が行政の手で中止され始めています。
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