聖徳太子は政治家かと思っていたら大した仏教徒でした。
彼は、よく釈迦の説教の一節を引用していたそうです。
『世間虚仮(セケンコケ) 唯仏是真(ユイブツゼシン) 諸悪莫佐(ショアクマクサ) 諸善奉行(ショゼンブギョウ)』
(世の中のもの全て、仮のもので空しい。 ただただ、仏のみが真実だ。
でも、悪い事はなるべくしまい。 出来るだけ良いことをやって行こう。)
聖徳太子は17箇条憲法の制定なんていう歴史的な事業をしていながら、一方では凡夫人間社会の限界(煩悩社会)をクールに見極めていたのでした。
『世間虚仮』なんてことを口にする、太子の言動は一見すると、希代とも言えるアナキストのそれでありながら、しかし現実社会を捨てるのではなく、反対にしっかり捉えていました。
たとえばご承知のとおり、古代日本を神仏混淆の社会に誘導し、無益な宗教戦争を回避しました。
今なお解決の方向が見えない、イラクやパレスチナ・北アイルランド・印パ・東チモールの宗教紛争の現状を見通していたかのようですね。
聖徳太子は超アナキストでありながら、超現実主義者であったように思えます。
日常の生活の中で自分を見失い、煩悩にあくせくし始めた時など、私は『セケンコケ!』とやります。ハッと我に帰ります。しょっちゅうです。なにせ凡夫ですから。
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