イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

正直者だけでは世の中、回っていかない

2010-12-15 23:57:23 | 社会・経済

 前進座の出前芝居「くずーい、屑屋でござい」(11月27日 四街道市)を観ました。この芝居は古典落語の「井戸の茶碗」を原作としているとのことでした。

そして前進座の方々は登場人物が比較的少ないお芝居を選んで、地方の隅々まで芝居の出前に出向くと言う企画で頑張っておられるとのことでした。
 

 あらすじは、律儀で正直な武士と町家に身を窶(やつ)した律儀で正直な奥方さまが登場し、仲を取り持つ正直者の屑屋がリサイクル品の茶碗の仲買をします。三者とも思ってもいなかった事態で高値となり三百両を手にします。

がしかし、その分け前をめぐって正直過ぎるが故に『受け取れ』『受け取れない』のタテマエ論争に発展。間に入った仲買の屑屋は無礼伐ちにさへ遭いかねない状況です。屑屋は『お武家さんも奥方さんも筋が一本通った律儀者、だけど何でオレがこんな苦労をしなきゃならねんでえ!』と不合理を訴える始末です。

世の中の酸いも甘いもかみ分けた大家さんのとりなしで、「正直者はバカをみない」という落ちで芝居は決着するのです。

イワン・アサノヴィッチにとって、この芝居のテーマが余りにもいま的かつ自分的で唸らされてしまいました。それと言いますのは、我が町の議会で一本の都市計画道路予算をめぐって大いに揉めているからです。

賛成派は残念ながら”走り出したら止められない公共事業”の宿命に唯々諾々と追随してしまう議員たちで、あまつさへ進出予定の大型店舗に獲らぬ狸の皮算用で法人税増収だとか雇用増見込みを吹聴する有り様です。

反対派は中心市街地商店街への影響をないがしろにし、且つ過大な公共事業だと主張しています。

現実論派はコリ固まってしまった、関連する土地区画整理事業や大型店舗出店計画にいまさら中止や変更は出来ないとするものです。かなり昔に仕込まれた、やや「政官業」の合作っぽい臭いもしないではありません。
 

 折しもイワン・アサノヴィッチはこの町の都市計画事業にボランテイアで少し関わるようになってしまいました。確かに旧態依然の拡散型で大規模な土地浪費型の関連事業に纏わる都市計画道路は4車線ではなく2車線で十分だと思っています。

それに中心市街地商店街には少なからずの悪影響が出ると考えています。しかし、昨年度から着手された都市計画道路事業をいまさら変更とか中止ということになれば節税効果よりも社会的混乱のデメリットの方が大きいのです。

正義感やタテマエだけで世の中は回っては行きそうにありません。とき利非ずです。


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