イワン・アサノヴィッチにはひとつの大きな構想がある。それは「日・中・韓・台」連邦と言うかユニオンと言う構想である。即ち、日本と中国と韓国・台湾はモンゴロイド人種であり、言語は共通の漢字圏である。そして文化的には仏教圏(儒教圏)でもある。
これだけ共通の大きな要素を持っていながら、国が別れている方が不自然な感じがしているのである。ご存じのとおりEUは民族も宗教も大きく異なりながらもユニオンを形成し、従前の分権国家間の弊害を取り除き大きく連合しようとしている。ただ、ギリシャ問題のように必ずしも経済関係については旨く行っているとは言えず、ぎくしゃくしていることは事実である。
そう言う意味では「日・中・韓・台」間の経済的な問題については、所謂「ギリシャ」は存在しない。政治体制やイデオロギーの違いを心配する向きもあるが、それこそ「日・中・韓・台」の為政者と国民の叡智によって暫しの時間を掛けて解決して行く問題だと思っている。そして解決は可能だと思っている。
尖閣や竹島問題がこじれていると心配する向きもあるが、朝日新聞(2012/10/30付け)のジョン・ダウワー氏(米マサチューセッツ工科大学名誉教授)のインタヴィユー記事「なぜ、まだ領土問題なのか」は教訓的である。<o:p></o:p>
即ち、戦後の冷戦が「日・中・韓・台」に存在した領土問題の解決を阻み、日本は米国に全面依存(従属)し中韓に向き合わなかった、と指摘しているのである。
ドイツの、戦後間もない時期の対戦国への謝罪と融和政策に較べると、日本とは大きな隔たりがあり、そのことが被害国の中国や韓国からすれば今もって許しがたい記憶を持ち続けている、と言うのである。鋭い指摘だと思う。<o:p></o:p>
経済的にも軍事的にも対等あるいはそれ以上となった中韓は、アメリカべったりで中韓と融和することなく、経済的発展を遂げた日本に対しては“嫉妬“もあったであろう。
そのことが国家・民族心理の深層にあり、いま「尖閣」や「竹島」となって現れているのである。朝日新聞記者は、加害者である日本が忘れ去りたい過去の記憶を放置したまま、領土問題に関して「断固」とか「決然」とか言う勇ましい言葉を使う場合ではないだろうと結んでいる。
その意味でも「日・中・韓・台」が大きく融和すれば、極論的な言い方になるが尖閣や竹島問題は“国内“少なくと”域内“問題のレベルを脱しない、その程度の問題でしかなくなる。中国の海洋進出も厳めしい空母や軍艦である必要はなくなるのである。”加害者“の日本がこの期に及んで”被害者“になりすましするようなことはすべきでない。
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