ここ2,3日、真夏日だったかと思うと、夜間や朝方は、少し肌寒いくらいだったりで、身体が体温調節についていかないようで、気怠い。
(たぶん、1年中あると思うのだけれど)コンビニエンスストアで、カキ氷の贅沢?版・しろくまの苺バージョンを発見したので、つい買ってしまう。アイスと温紅茶・・・という冷たいんだか、あったかいんだか・・・そんな曖昧な日々。
一昨日(27日)などは、目に異物?がはいったらしく、ゴロゴロとした不快感を抱えながら、夕方から相方と隣々市のシネコンへ、『駆け落ち女と駆け出し男』を鑑賞に。
天保の江戸期は、老中・水野忠邦による倹約令の嵐の吹き荒れる中、三人の女たちが、縁切寺である鎌倉・東慶寺へ駆け込みをした。
羽振りのよい豪商のお妾・お吟(満島ひかりさん)、鉄練りのじょご(戸田恵梨香さん)、武士の妻・おゆう(内山理名さん)である。
三人とも、理不尽な夫から正式に離縁をのぞみ、寺へ駆け込んだ。
寺へ入る前の前段階に、御用宿という東慶寺と連携している宿で、取り調べをうけたのち、言い分が認められれば、お寺に入山でき、2年間、精進潔斎し、尼僧の修行をすれば、離縁成立となる。
この御用宿の三代目・柏屋源兵衛に樹木希林さん。以前、目を悪くなされたとの報道が、あったけれど、焦点の合わないような?目の感じだったけれど、私の気のせいか・・・?
相変わらず、このひとは、存在感のある大女優である。
演技力もさることながら、樹木希林さんがいるだけで、映画になってしまうのだった・・・。
この源兵衛の甥で、戯作者をめざし、医師見習いの甥・信次郎を演じるのは、大泉洋さん。
このひとは、春の日だまりのような雰囲気がある。
駆けこんだ3人の女たちを暖かく見守りながら、東慶寺の女達の生きざまを書きつづけることになるのだろうか。
信次郎は、原作者である井上ひさし氏の分身のようにも思える。
数年前にお亡くなりになった井上ひさし氏であるが、彼は、生前、DV(ドメスティックバイオレンス)の加害者だったと聞く。御夫婦間のことだから、真偽の程は、わからないけれど、前妻・好子氏が、書かれていたと思う。その経験者?が、縁切寺のことを物語にするには、その下地は必要だったのか否か・・・。そんなことを思いながら、見ていた。
また、井上氏自身、少年期にかけては、孤児院で過ごされたことも書かれているので、家庭環境なども、関係あるのではないだろうかと勝手に思っている。
特筆すべきは、東慶寺院代さんの法秀尼の存在である。
凛として美しく・・・真面目で、清らかなこの女性を演じるのは、陽月華さん。宝塚のご出身らしい。
私は、このひと(法秀尼)のドラマが別枠で見てみたい気がする。
東慶寺を取り潰そうとする水野忠邦と鳥居耀蔵の幕府の水面下での工作も興味深い。
製作が松竹さんだけあって、演劇関係の役者さんが多数出演している。
堤真一さん、山崎一さん、宮本裕子さん、キムラ緑子さん、神野三鈴さん、木場勝己さん、橋本じゅんさん、北村有起哉さん・・・そうそうたる舞台人たちである。
美しいカメラワークも必見。
約2時間半、現実を忘れる映画の世界を堪能できる逸作である。
一昨年、相方と訪れた東慶寺で見た水月観音像もわずかなショットで、配されていた(ようである。チラっとだけだったので、確認はできなかったけれど)。