みどりの一期一会

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桜宮高入試問題 子どもの夢が奪われる/体育系科の募集中止/深刻な体罰が招いた中止決定/

2013-01-23 20:38:03 | ほん/新聞/ニュース
部活の顧問の暴行が原因で、生徒が自殺した大阪市立桜宮高校で、
体育系学科の募集が中止された事件。

市長になってからも折に触れて体罰擁護の発言をくりかえしていた
トップの橋下徹市長の姿勢が、現場に反映して暴力をはびこらせていたのではないか。
今回の問題が起きると、一転して自分のことは棚に上げて問題のすり替え、
強硬姿勢にでる橋下的な対応が暴力を容認する体質そのものではないかと思うのは、わたしだけだろうか。

  【社説】桜宮高入試問題 子どもの夢が奪われる  
2013年1月22日 中日新聞

 体罰問題が持ち上がった大阪市立桜宮高校の体育系学科の募集が中止された。橋下徹市長の要請に市教育委員会が折れた形だ。大人の一方的な理屈で落ち度のない子どもの夢が奪われるのは残念だ。
 体罰を受けて自殺したバスケットボール部主将の問題が子どもを苦しめる方向へと転がっている。市教委が二月に予定していた桜宮高の体育科とスポーツ健康科学科の入試を取りやめた。
 全教員を異動させ、体罰を容認する伝統や校風を断ち切り、生まれ変わらせる。市教委が入試の中止を拒否するなら予算を出さない。橋下氏のそんな強硬姿勢が異論を封じ込めた。
 入試本番を目前に進路の変更を強いられては、受験生の夢がついえてしまわないか。将来のスポーツ選手や指導者を目指して積み重ねてきた努力が水泡に帰してしまわないか。強く懸念される。
 自らの実力ではなく、いわば大人の論理で未来への門戸が閉ざされたのだ。教育行政への不信感が募りかねない。
 在校生は「人生の一部である新入生の受験の機会を奪ってほしくない」と訴えた。橋下氏も市教委も、子どもや保護者の声をもっと真摯(しんし)に受け止めるべきだった。
 確かに、問題の背景に浮かんだ市教委や学校の閉鎖的で事なかれ主義の体質は看過できない。バスケ部を強豪チームに導いた実績を理由に周りが顧問の体罰を黙認した。市の公益通報窓口に寄せられた体罰情報を事実上放置した。
 だからこそ橋下氏は弁護士らの外部監察チームをつくり、市教委と共に徹底調査に乗り出したはずだ。優先すべきは入試の中止ではなく、実態を調べて勝利至上主義の風潮を改め、責任を明確にして再発防止につなげることだ。
 それがバスケを愛しながら自殺に追い込まれた男子生徒の思いに報いることになると考える。体罰の真相さえ判然としないのに、罪のない受験生や在校生に負担を与えるやり方は理解できない。
 桜宮高では体罰が発覚したバスケ部やバレーボール部だけではなく、文科系を含めてすべての部活動を自粛している。子どもへのしわ寄せが大きすぎる。
 市教委は体育系学科の定員百二十人分を普通科として募集し、試験科目は従来の体育系学科と同じにするという。入学後の子どもの意欲を低下させないよう配慮してほしい。政治的パフォーマンスが感じられる橋下氏に対し、市教委は見識を示せなかったのか。


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  大阪・桜宮高校 体育系科の募集中止 
2013年1月22日 東京新聞

 大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒が体罰を受けた後に自殺した問題をめぐり、市教育委員会は二十一日の会議で、今春の体育系学科の募集を中止し、定員百二十人分を普通科として募集することを賛成多数で決めた。橋下徹市長による入試中止要請を受け入れた。
 受験生に配慮し、試験科目は従来の体育系学科と同じ国語、数学、英語、運動能力、運動技能。配点も同じとし、通学区域もこれまで同様、大阪府内全域とする。
 二月の願書提出まで一カ月を切っており、受験生の混乱も予想されるが、橋下氏は「教育的な視点から素晴らしい決定をしてくれた。桜宮高の再生に向けて改革が始まる」と歓迎する意向を示した。
 普通科に変更される旧体育系学科は、従来の普通科と併存する形となるが、カリキュラムは、スポーツに特色のある内容にするとしている。市教委は、桜宮高の管理職と体育科教員を早急に刷新するなど四項目の改革プランも併せて決定した。
 二〇一四年度の募集学科をどうするかは、改革プランの達成度に応じて検討する。会議後に記者会見した永井哲郎教育長は、一四年度以降、再び体育系学科に戻すこともあり得るとの考えを示した。
 体育系学科は体育科(定員八十人)とスポーツ健康科学科(同四十人)の二科。全員がスポーツの部活動に所属している。
 下村博文文部科学相は「市教委の判断を尊重したい。受験生に十分な配慮をお願いしたい」と述べ、是正要求などは「考えていない」と語った。


 >桜宮高体育入試 深刻な体罰が招いた中止決定(1月22日付・読売社説)

 試験日まで1か月を切る中で、極めて異例の対応である。
 大阪市教育委員会は、体罰を受けて男子生徒が自殺した市立桜宮高校で体育系学科の今年の入試を中止することを決めた。橋下徹市長の要請を受け入れた。
 入試を中止せざるを得ないほどに、桜宮高の体罰問題が深刻だという判断だろう。
 橋下市長は「体罰を容認する風潮が残っている状況で新入生を迎え入れることはできない」と主張した。入試を実施する場合には、市長の予算執行権を行使し、入試関連予算の支出を凍結する可能性にも言及していた。
 5人の教育委員のうち、教育委員長を除く4人が「入試を継続すれば、学校改革につながらない」などと市長に同意した。勝利至上主義の下、体罰を常態化させた学校の体質を根本から変えることを重視した結論と言えよう。
 入試の中止に対しては、「受験に向けて準備をしてきた中学生に重大な影響を与える」と懸念の声も少なくなかった。市教委は中止による混乱を最小限に抑える措置を講じることが大切だ。
 市教委は今回、体育系学科を志望する中学生を普通科に振り替えて受け入れる方針だ。
 普通科の定員に体育系学科計120人を上乗せする。普通科の受験科目は通常5科目だが、体育系学科の志望者には、3科目と実技での受験を認めるという。
 下村文部科学相が「受験生に影響がないような配慮であれば、よしとしたい」と理解を示したように、受験生の進路を確保する上で現実的な対応と言える。ただ、新入生は将来的に体育系学科に移れるのだろうか。
 橋下市長が入試中止を求めた背景には、桜宮高や市教委への不信感がある。
 体罰を加えた男性教師は男子バスケットボール部を強豪に育てた実績から、在籍10年以上で転任させるという市教委の要綱に反し、19年も在籍している。周囲も批判しにくい状況になっていた。
 学校が体罰情報を得ながら、おざなりな調査で体罰はなかったと結論付けたことも問題だ。
 今後、何より重要なのは、体罰の実態解明と再発の防止だ。
 橋下市長は市教委に、桜宮高の運動部顧問の教師を入れ替えることも求めている。
 少なくとも、体罰を行った教師については、厳しい処分と異動が必要だ。適切な人事配置で体罰の根絶を図らねばならない。
(2013年1月22日01時34分 読売新聞) 


橋下市長の「桜宮高校入試中止・部活停止」生徒や受験生に責任押しつけるな!(2013/1/17 j-castニュース)

橋下氏「批判受けても…」、募集中止で見解公表
(2013年1月22日 読売新聞)



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1月22日(火)のつぶやき

2013-01-23 01:23:45 | 花/美しいもの

橋下市長の「桜宮高校入試中止・部活停止」生徒や受験生に責任押しつけるな! : J-CASTテレビウォッチ j-cast.com/tv/2013/01/171… @jcast_newsさんから


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