みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

命の農場で、土に生きる~農家・金子美登(再放送・NHK)/見直したい地産地消の価値

2010-01-11 14:02:11 | ほん/新聞/ニュース
先日、NHKの「プロフェッショナル」で、埼玉県で有機農業をしている
金子美登さんの番組をやっていたので、興味深く見ました。

金子さんと友子さんには、ゴルフ場の反対運動でお会いしたことがあります。

 プロフェッショナル 仕事の流儀
「命の農場で、土に生きる~農家・金子美登~」(NHK番組表から


小さな雑草も一つ一つ手で抜く金子。できることを全力で行い、あとは天にゆだねる

農薬を使わない有機農業は、疫病や害虫などの影響で毎年豊作になる事は難しい。昨夏も雨続きの中、金子の畑にもトマトに疫病が発生した。
金子は、すぐに考えられるあらゆる手を打った上で、その結果を天にゆだねる。豊作や凶作に一喜一憂するのではなく、芳しくない場合は潔くあきらめる精神力を持たなければならないと金子は言う。そうでなければ農薬を使わない有機農業を行うという大切なポリシーが貫けないと考えるからだ。
取材中も、何度も何度も「我慢だ、我慢だ」とつぶやく金子。自然とは完全にはコントロールできないもの。それと戦うのではなく、我慢してつきあう事が必要なのだ。

たとえ大荒れの天気でも、金子は作物の声を大切にして作業を行う

6月中旬。金子は、田植えの季節を迎えていた。折り悪く、田植えをすると決めていた日は大荒れの天気となった。それでも金子は田植えのスケジュールを変えずに淡々と仕事をこなした。それは金子が作物の「声」を何よりも大切に考えているからだ。金子が「声」と呼ぶのは、種まきの時期や育て方など作物たちに適したタイミングや、作物からのサイン。その声に反して人間の都合で作物と接すると、決してよい結果が生まれないと考えている。土に栄養がしっかりとあり、作物の声に耳を傾けて育てれば、人間は多く手をかけることなく、少し手伝うような作業だけで大きな収穫が得られると言う。

どんなピンチに陥っても金子は笑顔を絶やさない

昨夏、金子は16年ぶりのピンチを迎えていた。日本中で凶作となりタイ米を輸入した、あの1993年以来の日照不足に見舞われたのだ。畑ではトマトやスイカなどが不作。その中でもっとも深刻な影響を受けていたのが米だった。
イモチ病という伝染病が発生し、大凶作となる可能性が出ていた。農薬を使わずにどうやって病気を抑えるか、金子は必死に策を考えていた。
どんな困難な状況になっても、金子は磨いてきた技術で工夫をしたり、新たな対策を試す。そして、それこそが面白いと語る。厳しい状況であればあるほど、工夫の余地や新たな技を試すタイミングとなるのだ。
今回、金子が採った策は、本来は稲の栄養を奪う天敵の雑草をあえて伸ばすことで、病気を抑えようというもの。金子にとって初めて行う逆転の一手。成功するかどうか分からないが、新しい方策を試すチャンスととらえ、新しい技を試す。


 有機農業のプロが考える 「1番偉大なこと」とは(2010/1/10 -CASTニュース)

今夜(正確に言えば12日深夜に)、NHK総合で再放送するので、
見逃した方は、ぜひご覧ください。


再放送 
チャンネル :総合/デジタル総合
放送日 :2010年 1月12日(火)
放送時間 :午前0:45~午前1:35(50分)
ジャンル :ドキュメンタリー/教養>ドキュメンタリー全般
有機農業の世界のカリスマ農家・金子美登(61)。野菜の個性を生かし農薬も化学肥料も使わず60種類の野菜や米を作る。命めぐる農場の営みを、春から秋にかけ長期密着。
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有機農業の世界で知らぬ者はいない、カリスマ農家がいる。金子美登(61歳)。金子は40年にわたり有機農業を貫き、3ヘクタールの農地で60種類の野菜や果物、米を農薬も化学肥料も使わずに作る。野菜の個性を生かし、自然の力を引き出す金子の農法は、全国の注目を集めている。番組では、金子の農場に長期密着。16年ぶりの異常気象に見舞われながらも作物作りを続ける、命めぐる農場の営みを追う。
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有機農業の霧里農場 代表…金子 美登, 【キャスター】茂木健一郎, 住吉 美紀, 【語り】橋本さとし



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わが家でも、京都の大学を卒業したまどかくんが、
岐阜に戻って、わたしたちが百姓(有機農業)をしていた田畑で
有機農業をはじめて3年目の春を迎えます。

もともと専攻は環境社会学で、就職するつもりはなかったようですが、
昨年から、週二回、平飼い卵や無農薬野菜の配送を始めています。

ブログでも情報発信を始めるようです。
(↓まだ工事中で完成ではないようですが・・・本人の許可を得て紹介)。
  岐阜美濃 寺町畑

「地産地消」を、むかし百姓をしていたわたしたちは「地域内自給」といっていました。

経験的に、百姓をやりながらそこそこに食べていければ、
だれの制約も受けずに、自由に生きることができます。


金子さんも言ってみえましたが、30年前には「奇人変人」扱いだった有機農業も、
いまや、あちこちから注目される「希望のベンチャー職業」となったようです。

 食を拓く:生産・流通現場の新地平/2 有機農業で世直し/茨城
毎日新聞 2010年1月5日 地方版
 ◇「いのちの循環」海まで
 西方に雄大な筑波山を仰ぎ見る石岡市旧八郷町の嘉良寿理地区。魚住道郎さん(59)は、この地で有機農業を営み37年目を迎えた。有機農業の先進地として全国に知られる旧八郷町で、その礎を築いた一人だ。
 1974年。四大公害病をはじめ、各地で高度経済成長の負の遺産が露呈していた。東京農大を卒業後、志を同じとする若いグループで旧八郷町に移住し、首都圏の主婦層が出資した「消費者自給農場」で共同生活を始めた。「公害は国や企業だけの責任ではない。支えた社会、我々自身も加担した。農薬を流し続ける農業は同じ構図だと思った」。既に農薬や化学肥料は農業に構造化されていた。それらに依存しない有機農業の模索は、時に異端なものとして周囲に映ることもあった。
 80年にグループを離れ、現在は妻と長男の3人で畑3ヘクタール、水田15アール、養鶏600羽の農畜複合の循環型農業を実践する。消費者と市場を介さず取引する「産消提携」は、関東全域に約150世帯に広がった。近郊には自ら運送し、遠方には箱詰めした朝採れ野菜を定期的に郵送する。有機農業の生産性を疑問視する声を意識し「慣行農業並みの面積を有機で、家族でやっていることが社会的挑戦だ」という。
 日本有機農業学会会長の中島紀一・茨城大教授(農業経済学)は、有機農業は本来「農業近代化を根底から批判し、日本農業のあるべき姿を取り戻そうとする運動」だと言う。長く農地の規模拡大を目指した農政の視野の外に置かれてきたが、06年に有機農業推進法が議員立法で成立。中島教授は「長い歴史の中で、やっと官民一体となって推進するものと位置付けられた」と評価する。いまや「有機」は農産物に付加価値を与えるキーワードにもなった。
 魚住さんは、制度的支援や表層的な広がりを歓迎するが、心境は複雑だ。「僕らは世直し運動で始めた。浅い理解で有機農産物『消費』運動となるだけでは世の中変わらない」
 その危機感を裏付ける出来事が、昨年12月上旬にあった。魚住さんがワゴン車で畑に向かう途中、男性が農園から車に駆け寄り、片言の日本語で話しかけてきた。「人が足りないなら呼んでほしい。手伝います」。男性は、近くの有機農園でパート労働者として働く中国遼寧省出身の25歳だった。手間のかかる有機農業の担い手は、家族労働からパート労働へ、さらに安い外国人労働者へ、需要拡大とともに外注が進みつつある。「本末転倒だ」と魚住さんは、時流に疑問を投げかける。
 魚住さんは最近、脱消費社会の呼び掛けに共鳴してくれた那珂湊(ひたちなか市)の漁師と農産物と魚の物々交換を始めた。有機農業の堆肥(たいひ)の主原料となる落ち葉を通じ、広葉樹林から水系や農地を通じて海までつながる「いのちの循環」を強く意識し始めたためだ。「有機農業に違う役割を付加できるなら、広げるエネルギーがわいてくる。第1次産業全体にすそ野を広げたい」。“世直し思想”は流域へ広がり始めた。=つづく)


どうする地域経済/見直したい地産地消の価値
2010年01月04日月曜日 河北新報

 持ち直しているとされる日本経済が、再び下り坂を転げ落ちるのか。景気の「二番底」に対する懸念が消えない。
 経済の両輪は外需と内需。持ち直しの動きをけん引するのは中国をはじめ、成長を続けるアジア向けの輸出、外需である。
 だが、一方の、より強い駆動力を発揮してほしい内需に回復の兆しが見えない。その核である消費をむしろ失速させかねない材料が目に付くから、悲観的にならざるを得ない。
 一つはデフレ。モノが売れないから値下げする。市場は縮小し、そのしわ寄せが雇用や賃金に及び、消費が細る。景気の足を引っ張る、このぬかるみが泥沼化する恐れがある。
 もう一つは力不足が否めない政府の景気対策。内需主導型へ転換を目指す鳩山政権が編成した新年度予算でも目玉の家計支援による消費刺激策は不十分で、その道筋はかすんだままだ。
 消費の落ち込みは地方がより深刻だ。景気はどうなるか。不安の中で新しい年が始まった。
 悲観論からは何も生まれまい。経済の全体像を見渡す「鳥の目」と、足元を見つめる「虫の目」を光らせ活路を見いだしたい。アジアの活力を内需に取り込み、不十分とはいえ行政が講じる施策を活用して苦境打開の工夫を凝らしたい。前向きな気持ちを失ってはならない。
 不況の中でも売り上げを伸ばしている分野はある。農産物の産直施設も、その一つだ。青森県内にある170施設の2008年度の売上総額は81億円と、前年より3%増えた。仙台市内には年間売上高が1000万円を超す無人の直売所がある。
 産直施設は「地産地消」の代表的存在である。消費者は頼りになる作り手と安心な食材が身近にあることを再確認し、生産者は評価を糧にもっと安全で高品質のものを作ろうと意欲的になる。食と農の距離を縮め産消をつなぐことで生まれた好循環。産直好調の背景といえる。
 地産地消は成長している。今や「地産地『商』」という言葉があるように、生産者は異業種である外食産業や食品加工業者という、もう一つの消費者と出会い可能性を広げている。
 こうした取り組みの中で培われてきた業を挙げれば、地域経済が元気を取り戻すヒントにならないか。
 作り手という人材を含め地域の資源を再評価する。消費者が求めているものをじかに知り、それに応える。人とともに異なる業種をも結び付ける。異業種が相手のときは通年の安定供給に対応するため、生産技術を磨く必要がある。
 例えば、公共事業が大幅減となる建設業者は苦難に陥ろう。地域には高齢化が顕著で耕作放棄が増えかねない農地や未利用の山林という資源がある。農業も林業も異業種とはいえ「親和性」があるから参入しやすい。困難でも技術を会得すれば、活路が開けるのではないか。
 地産地消は、経済の血液であるカネが循環することで地域を活性化させる仕組みでもある。「地」が「国」に広がれば、内需はおのずと拡大する。
(2010年01月04日月曜日)


 地元有機野菜で地産地消を推進 神戸北野ホテル
(2010/01/11 11:37) 神戸新聞

 料理を特色にしている神戸北野ホテル(神戸市中央区)は地産地消を進めるため、兵庫県内の有機野菜を中心に扱う芦屋市内の小売店との連携を始めた。ホテル内のレストラン2店で使っている。
 同市西山町の「CA」。店主の福原悟史さん(27)は篠山市や大阪府能勢町などの農家を訪ね直接仕入れている。ホテルの総支配人で総料理長の山口浩さんと意気投合し昨年11月から取引を始めた。
 天候に左右されるため、有機野菜は安定した量と種類の確保が難しい。そのため、週に2回入荷される野菜に合わせ、シェフがメニューを決めている。現在は、レストランで使う野菜の半分ほどをCAから仕入れているという。同ホテルは「蒸し料理など野菜の味を生かした料理をそろえている」と話している。
 2月15日には連携記念のランチイベントを開く。同ホテルTEL078・271・4007
(井垣和子)
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食と田畑通じ憩いの場を 神戸の女性が食堂開設 
2010/01/11 神戸新聞

 神戸市を拠点とする有機農産物の消費者グループ「菜のはなの会」の橋本豊美さん(55)が、同市西区の地下鉄伊川谷駅前で、長年提携する生産者の有機野菜たっぷりの定食などを提供するコミュニティー・レストランを始めた。地元住民が地域の食と田畑を通じて交流できる空間づくりを目指す。
 橋本さんは28年ほど前から、有機農業に取り組む生産者の農産物を購入し暮らしを支え合う「産消提携運動」に参加。農作業を手伝う「援農」や、夏休みの子どもたちが畑で食や自然について学ぶ農業体験を企画するなど、都市と農村をつなぐ活動を続けてきた。
 2008年3月、同会の仲間を通じて食堂経営の話が寄せられ、「地元の有機農産物を活用できるチャンス」と思い、引き受けた。
「Tanpopo食堂」と名付けた店では、同市西区伊川谷町の有機農業グループ「土と緑の会」の野菜を中心にした3、4品にごはん、みそ汁がついたたんぽぽ定食(840円)などを販売。テーブルの間隔が広く車いすも楽に通れる店は、「昔の濃い野菜の味がする」と喜ぶ高齢者や、安心できる食事とゆったり過ごせる環境を求める子育て中の母親らが訪れる。
 今後は、料理に使う有機野菜の畑に客たちを連れ、農作業や食育の行事も企画する予定。橋本さんは「生産者と消費者が支え合うために取り組んできたことも伝えたい」と話す。Tanpopo食堂TEL078・995・8920
(辻本一好)



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1月10日(日)のつぶやき

2010-01-11 00:36:30 | 花/美しいもの
18:12 from web
●人気です『男おひとりさま道』上野千鶴子著/13日は新春爆笑トーク「男(の子)に生きる道はあるか」 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/55313ed433a15a7f253f70d944952f61
by midorinet002 on Twitter
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