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みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

悲報。若桑みどりさんが急逝された。

2007-10-04 19:15:58 | ジェンダー/上野千鶴子
9月21日の記事で紹介し、『む・しの音通信』63号のインフォメーションで、
講演会の開催を紹介したばかりの、若桑みどりさんが、昨日急逝された。

昨夜、友人からの第一報を受けたときは、
あまりのショックでことばが出なかった。
とりあえず、関係者に知らせてほしいとのことで、
あちこちに連絡を取り、やっと落ち着いたのが深夜。

あんなにお元気だったのに・・・と信じられない思い。

若桑さんとは、昨年の1月の「東京都に抗議する」ではじめてお会いした。

「上野千鶴子さんの講師委託介入事件の抗議行動」レポート(2006.1.28)

東京都教育委員会の、上野千鶴子さんの講師拒否事件で、
先頭に立って抗議行動を呼びかけられた。
呼びかけに応えて、たった4日で全国から1808筆もの賛同署名が集まり、
その集約作業の実務にわたしもかかわった。

都庁に抗議文を提出したとき、ある記者の
「上野さん自身が公開質問状を出しているのに、
なぜ都の回答の前に出したのか」という質問に対し、
若桑さんの応えは明快だった。

「かんたんなことです。上野さんを孤立させないために、
都の回答を待たずに行動をおこしました」。

そのまっすぐなことばが、いまでも胸に残っている。

わたしは、それまで美術史家としての若桑さんはよく知らなくて、
『戦争とジェンダー』(大月書店/2005)『イメージを読む 』(筑摩書房/2005)
『お姫様とジェンダー』(ちくま新書) の著者としての印象が強かった。

昨年3月25日には、一連のバックラッシュに抗するために
「ジェンダー概念考えるシンポジウム」を開催し、
その記録を『「ジェンダー」の危機を超える!―徹底討論!バックラッシュ』  
(青弓社/若桑みどり, 皆川満寿美, 加藤秀一, 赤石千衣子編著)
として仲間とともに刊行した。

「浅野史郎さんを勝手に応援する無党派ネット」 の呼びかけ人でもあり、
今年3月の「女性勝手連」発足集会、4月には街頭行動もご一緒した。

10月28日には、岐阜に講演にお越しになるはずだった。
歯切れのよい若桑節を、もう永遠に聞くことができなくなってしまった。

短い間のお付き合いだったけれど、わたしのなかに、
大切な人を亡くしたという思いが募り、涙があふれる。

残念でならない。

  

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【おくやみ】 若桑みどりさん死去 美術史家  
中日新聞 2007年10月3日 20時46分

 若桑みどりさん(わかくわ・みどり=美術史家、千葉大名誉教授)3日午前3時、急性心不全のため東京都世田谷区の自宅で死去、71歳。東京都出身。葬儀・告別式は6日午後1時半から東京都世田谷区北沢1の45の12、カトリック世田谷教会で。喪主は長男で音楽家の比織(ひおり)氏。
 東京芸大卒。60年代にイタリア政府給費留学生としてローマ大で2年間学んだ後、東京芸大や千葉大の教授に。ミケランジェロの研究や、美術作品に登場する女性イメージの見直しを進めた。06年にジェンダー文化研究所を開設し、所長を務めた。
 85年に「薔薇のイコノロジー」で芸術選奨文部大臣賞。03年紫綬褒章。05年には「クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国」で大仏次郎賞を受けた。(共同)
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告別式は、10月6日(土)午後1時30分から、
「カトリック世田谷教会」。お通夜は、10月5日(金)午後6時から。

岐阜の地から、若桑みどりさんのご冥福を祈りたい。 




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コメント (2)
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