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みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「議会だより」はだれのもの??「一般質問」見出しを無断で変更~毎日新聞記事より

2007-10-25 10:38:46 | 市民運動/市民自治/政治
土曜日(20日)に毎日新聞から、
愛知県吉良町議会が発行している「議会だより」に掲載する記事について、
編集委員と執筆者で対立しているので、コメントがほしいと電話があった。

かんたんな経緯の説明を聞いてから、わたしの意見を言ったが、
詳細な経過は以下のようだ(10.20毎日新聞夕刊 社会面トップ記事)。

この問題は、「議会だより」とは何か、
「議会だより」は誰のために何のために発行するのか、
を考える素材として興味深いので、紹介したい。


花火大会飲食費 「税金投入」見出しダメ
議会だよりで対立


 愛知県吉良町議会(定員12)が年4回発行し、全世帯に配布している「議会だより」第94号(11月1日発行)の記事をめぐり、執筆者の一人である女性町議と、編集委員会(颯田栄作委員長ら町議6人で構成)との間で対立が起きている。記事は、今年7月に行われた吉良花火大会に飲食費など工費53万円が投入されたことを指摘したもので、「公費で賄う」とした当初の見出し案が換骨奪胎されていた。【山田尚弘】

執筆町議と編集委員会
吉良町・計53万円


 問題となっているのは、9月町議会での答弁が記載される「一般質問」のコーナー。黒部啓子町議(53)=無所属、1期=は同6日の一般質問で明らかになった吉良花火大会の収支について見出し案や記事を書いた。
 同町によると、花火大会は88年から地元企業で作る「大会実行委員会」が町の補助金300万円を受けて運営し、毎年約2万人の観光客でにぎわう。町は、町議や民生委員ら80~100人を特設テントの桟敷席の招き、参加者の飲食費やテント設営費などを町費と会費で賄っている。
 一般質問で黒部町議が山本一義町長に飲食費など収支報告を質問すると、産業課長が「費用は職員の時間外手当など4万97円、飲食費が37万1788円、会場設営費など20万1533円、入金は会費8万3000円、差し引き53万418円が町費」と答弁した。
 これを受け、黒部町議は議会だよりに「飲食等に税金53万円を投入」と見出しを付けて記事を執筆した。
 しかし編集委員会から「『税金投入』という言葉は印象が悪いので削除して」と要望され、9月25日の編集委員会で「飲食費および会場設営費等53万円を公費で賄う」との見出し案で合意した。
 だが、10月16日に印刷業者から刷り上った原稿では「運営は『吉良花火大会』町の招待者等費用53万円」と書き換えられたことが判明。19日の編集委員会で、黒部町議と共産党町議が「了承できない」と反対したが、受け入れられなかったという。
 黒部町議は「町費を飲食費に使っていることに疑問を感じ、見出しを付けたが、意図と違う形に変更された」と訴えている。これに対して、颯田委員長は「見出しに関しては、不適切な表現などを変えたり、委員6人で決めている。黒部町議の主張は本文を読めば伝わる」と話している。
 東海地方の女性議員らで作る「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク』事務局の寺町みどりさん(55)=岐阜県山県市=は「議会報とは何かということを考え直す事案だ。著作権は執筆者にあり、無断で主張をねじ曲げることは許されない。公費を使う以上、町民にも正しい情報を伝える必要がある」と指摘している。
(2007.10.20 毎日新聞)  
 

吉良町HP「議会だより」

議事録を読んでいないので、どのような質問と答弁だったのか、
どちらの言い分がより事実に近いのかは判断できないが、
すくなくとも、「議会だより」に載せる「一般質問」の原稿を依頼して、
出てきたものを執筆者本人の同意なしに変更するのは、まずいだろう。

その上、執筆者は、編集委員会の話し合いで、
「飲食費および会場設営費等53万円を公費で賄う」との変更に合意している訳で、
会議終了後に、無断で変更するのは許されない。

質問者の趣旨は、「税金のつかいみち」を問うものなら、
さいしょの「飲食等に税金53万円を投入」でもなんら不都合はない。

編集委員会側の「『税金投入』という言葉は印象が悪いので削除して」とか、
「見出しに関しては、不適切な表現などを変えたり」というのは、
誰にとって「不適切か」といえば、「執行部」や「編集委員」にとって、
町民に知られて困ると言うことだろう。

たんに、生意気な一期目の女性議員に対する、
他の古参議員の嫌がらせなのかもしれない。

いずれにしても、
「実行委員会形式」の花火大会の補助金ということだけど、
「補助金」なら、実施主体は「実行委員会」側にあるのだけれど、
どうも町お抱えの実行委員会のようだ。
記事を読むと、「議会だより」だけでなく、
「実行委員会」形式の花火大会の問題点も浮かび上がってくる。

まさか社会面のトップ記事になると思っていなかったので、
一般論でコメントしたけれど、この問題の根は深そうだ。

「議会だより」については、愛知県日進市や、長野県安曇野市でも、
ケースは違うけれど、問題になったことがある。

そもそも、「議会だより」は、
「議会を市民に知らせる」「議会をひらく」ためにあることを思えば、
議員(編集委員)が恣意的に狭めることはあってはならないことだ、と思う。




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コメント (2)
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