みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

『百万回の永訣  がん再発日記』柳原和子著/読売新聞より

2006-01-23 10:20:54 | ほん/新聞/ニュース
『中央公論』の連載
「残照 がん再発日記」が一冊の本になった。

『百万回の永訣 がん再発日記』
(柳原和子著/中央公論新社)


年末に出たばかりの本を、お正月に読んだ。

柳原さんの本は、『がん患者学』もⅠからⅢまで持ってて、
隅から隅まで読んでいる。
どの本もかなり分厚いけれど、がんの当事者である
柳原さんの言葉におもわず引き込まれる。

なかでも、こんどの本はこころの奥底に迫るものがある。

帯にこんな言葉がある。
本書は語り続ける。
生きているそのものが美しいし、それだけで十分なのだ。
著者の病気に立ち向かう勇気、生きることの健気さに、
いつも私は涙し、祝福し、拍手を贈る。
それにしてもページを繰るたびに次々とこみ上げてくる、
この感動はいったい何なのだろう?
大崎善生


ブログでぜひ紹介したいと思っていたら、
日曜日の読売新聞の書評に載った。
とっても共感できる内容なので、ぜひお読みください。

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生の凄みに胸つかれる
評者・松永美穂(早稲田大学教授)

 読みながら何度も胸をつかれ、涙が込み上げてきた。さまざまな治療にもかかわらず再発するがんに意気消沈させられながら、それでも著者はまた立ち上がり、前に進んでいく。その歩みを支え、受けとめ、共に闘ってくれる家族や友人、医師たちがいる。生きるという、ただそれだけのことの凄(すご)さ、貴重さ。一言ではとても言い表しきれない。重く深い読後感が残った。
 「がん再発日記」と副題にはあるが、初発もさることながら再発の告知の方が患者にとってさらに辛いものであることは、容易に想像できる。しかも転移巣が大きく、すでに「末期」の診断。それから2年間の日々が、この本にはつづられている。 日本では、がん治療に関する情報公開はまだ充分ではないといわれる。地域や病院によって5年生存率に大きな差があることも問題になっている。再発した時、著者はこれまでの治療や取材の経験から、すでに多くの情報とネットワークを持っていた。サポートを申し出てくれる医師も一人や二人ではなかった。そうした意味ではたしかに特別な患者であったかも知れないが、「治りたい」という強い意志のもとに最善の治療を探し続ける姿勢は、医師の宣告に対して受け身になりやすいわたしたちにとって、大きなヒントになる。と同時に、医療現場でのコミュニケーションの大切さについても、あらためて考えさせられた。患者の家族、そして多くの医療関係者にも読まれることを願いたい。
 この本には、がん治療にまつわることのほかに、がんを通して生と向かい合う著者の心の変化も如実に記されている。他人を許していない自分の心に気づかされ、「心のがん」が溶けていく様子。数々のすぐれたルポルタージュをものにしてきた著者が綴る自分の心と体についての真剣一途なレポート。病床にあっても発せられるエネルギーに励ましをもらった。
◇やなぎはら・かずこ=1950年東京生まれ。東京女子大卒。著書に『がん患者学』など。
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一昨年わたしも体調を崩し、
精密検査を受けたので、ひとごとではない。

謝辞
・・・・・・・・・・・・・・・・・
支えてくれたすべての患者仲間、
仕事仲間、友人、近所の方々、
誰よりも姉に・・・・・。
ありがとう。
わたしは生きた、
生きることができた、
あなたたちの力で。


最後の数行は、涙でかすんで読めなかった。

がんの当事者の方、
家族にがんを宣告されている方、
生きる、ということに
関心がある方は、本を買って
ぜひお読みになってください。


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最後まで、読んでくださってありがとう。
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コメント (2)
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