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 以下抜粋

■福島は社会の矛盾の頂点

いつも切ない思いで福島に帰るという椎名千恵子さん(放射能から子どもを守る福島ネットワーク)は、県民の厳しい暮らしぶりを淡々と語った。活動の柱は、保養・防護・情報共有・行政対応の4つ。原発事故の責任を追及する訴訟のかたわら、子供たちの健康を守るため診療所建設運動も担う。

福島に戻る人は、放射線量の高さを、自身の体調の変化で敏感に感じ取るという。昨年5月頃から鼻血を出す子ども、心因性疾患で倒れるケースが増えてきた。子供と高齢者がバタバタと死んでいく。不十分な医療体制のなかで、やっと検査が受けられても、結果には納得できない。見つけられたしこりやのう胞がどこにいくつあるのか。詳細はいっさい知らされず、次回の検査は2年後だ。転々とした避難先の最後の地で「即手術」と宣告された30代の女性もいた。そんな深刻な情報がいくつも伝わってくる。

健康管理調査検討委員会の「準備会」を、県が密室で開いていたことが明らかになった。人々の不安や不信感を抑え込み、紛争を封じるためのシナリオが、事前に作られていたのだ。

「復興」が声高に叫ばれ、「全国大会」と名のつくイベントが頻繁に行なわれている。それに子供たちが駆り出されている。危険な高線量地帯で「花火大会」「餃子大会」など、有名人を使って全国から無料で被ばく地に呼ぶ。安全安心の一大キャンペーンが張られている。

今の社会の矛盾の頂点が福島です。ぜひ、福島の現実に目を向け続けてほしい」。椎名さんは一語一語をかみしめるように報告した。「子供たちの精神状態はどうなのか」と会場から質問があった。私の孫の世代、中学生くらいになると、「私たちはもう子供産めないのよね」とふてくされる。散歩をすれば「被ばくしてきちゃった」と吐き捨てる。そんな言葉を耳にするたびに心が痛む。「放射能」というファクターは、もはや福島の日常の暮らしから切り離せない。子供たちを導くバイブルは、いったいどこにあるのか。それは誰がつくるのか。椎名さんは、子供たちの将来に思いを寄せ、何度も言葉を詰まらせた。



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