むさぼるように読んだ。河童・天狗・神隠し。 そして銃後 さらに 木霊・蛇・木の精霊・戦争と木.....
松谷みよ子さんの仕事。後世に誇りうる仕事である。なにより素晴らしいのは脚色なしで ありのまま 庶民の述懐 つぶやきを たくさんたくさん 文明の洪水が押し流してしまう そのきわに掬い上げてくださったこと。
あらためて 日本という国 木が泣き 語り 蛇が女人へ想いを遂げんとし 河童がほんとうにいたこの国を想う。精霊たちはいったいどこにいってしまったのだろう。
そして また そこには きれいごとでないいくさがあった。 ひとというものの弱さ醜さけなげさ、たくましさが小川の底に敷き詰められた小石のように光と影を湛えているのだった。わたしはそのなかをさがし求める。8.11につなぐものがたりのひとつぶ ひとつぶを手にとって吟味し 深く味わう。
それだけでなくて 「妹たちのかがり火」や「朝鮮人特攻隊」のなかからも選ぶ。......わたしの知らない歴史がある。......本のなかに小泉純一郎の父 鮫島純也の消息を見つけてはっとする。亡霊とであったような......歴史に名を残す....にしても、汚れた名であるならそれは子々孫々にいたる恥である。
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