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個人情報取得の利用目的-プライバシーポリシー作成の理由

2022年10月16日 | 法律事務所(弁護士)の経営
(個人情報取得の利用目的)
プライバシーポリシーを作成する理由には様々なものがありますが、理由の一つとして、個人情報取得の利用目的を公表することがあります。
 個人情報保護法では「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。」(個人情報保護法21条1項)と規定しています。
 この規定からすると、事業者は個人情報の利用目的をあらかじめ公表するか、取得した際に通知・公表するしなければならないことになります。

(「公表」とは)
 個人情報保護法ガイドライン(通則編)では、公表に該当する事例として次のようなものがあげられていますので、ここにあるような態様で公表する必要があります。
①自社のホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所への掲載
②自社の店舗や事務所など、顧客が訪れることが想定される場所におけるポスター等の掲示、パンフレット等の備置き、配布
③通信販売の場合は通信販売用のパンフレット・カタログ等への掲載

(利用目的の特定)
 利用目的はできる限り特定しなければなりません(個人情報保護法17条1項)。
 利用目的の特定が必要なのは、個人情報がどのような事業に使われ、どのような目的で利用されるかについて認識を持ってもらうためです。できるだけ具体的に明確になれば、個人情報が取り扱われる範囲を確定できます。自らの個人情報がどのように取り扱われることになるか、利用目的から合理的に予測・想定できないような場合は、「できる限り特定」したことにはなりません(ガイドライン)。
 ガイドラインでは特定されているか否かについて次のような例示がされています。
【利用目的の特定がされていない事例】
・「事業活動に用いるため」
・「マーケティング活動に用いるため」
【利用目的の特定がされている事例】
・事業者が商品の販売に伴い、個人から氏名・住所・メールアドレス等を取得するに当たり、「○○事業における商品の発送、関連するアフターサービス、新商品、サービスに関する情報のお知らせのために利用いたします。」等の利用目的を明示している場合

(同意がない限り、利用目的を超えた取り扱いはできない)
 利用目的というのは、個人情報保護法では大切な言葉です。利用目的の範囲内か、範囲外かで扱いが違うからです。本人の同意がない限り、利用目的を超えて個人情報を取り扱いうことはできたません(個人情報保護法18条1項)。
 事業者は、①個人情報を利用目的内で取扱うか、②本人の同意を得て利用目的外で取扱うかを迫られているといえます。本人の同意がなくても取り扱いができる例外的な場合はありますが(個人情報保護法18条3項)、例外だけにハードルが高いのです。よって、利用目的をどのようにプライバシーポリシーで定めるのかということが重要になります。
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